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基礎研究と臨床実践のインターフェースは,いま,認知行動療法,精神分析療法,森田療法などの機序を実証的に明らかにし,療育などにおける認知心理学研究の実践性を同時に切り拓いている.本書は,臨床に携わる人の絶好のヒント集であり,実証的な認知心理学研究の実践性を確かに示す書である.
はじめに:臨床心理学と認知心理学のインターフェース(丹野・小川・小谷津)
I 心理療法の認知心理学
1章 認知療法と認知心理学(丹野)
2章 問題解決療法と認知心理学(伊藤絵美)
3章 リハビリテーションと神経心理学(梅田聡)
4章 精神分析療法と認知心理学(岩崎徹也)
5章 森田理論と認知心理学(辻平治郎)
・臨床認知心理学をめぐって――臨床認知心理学とライフサイクル(小谷津)
II 精神病理の認知心理学
6章 病理学的方法と心理学(小川)
7章 視覚――先天盲開眼者への心理学的援助から(鳥居修晃)
8章 聴覚――聴覚障害児に学ぶ世界(斎藤佐和)
9章 自己――自我漏洩感から(佐々木淳)
10章 言語――言語障害児の療育から(鹿取廣人)
あとがき(丹野・小川・小谷津)
「認知行動療法」は,臨床心理学とその実践の中心的な役割を果たしていますが,では,それは「なぜ効く」のか? 本書の前半では,精神分析や森田療法も含め,「なぜ効く」のか,さらに有効であるためにはどうしたらよいか,謎解きの面白さがあります.後半では,実証的な認知研究とは,実は日常や臨床での有効性をつねに伴った営みであったことを,先達の仕事から学びます.とかく「アート偏重」「無機質な研究」と分けられがちな実践と研究が,見事に融合している例を読んでいただけると思います.