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個人面接だけでなく,臨床心理サービスをより統合的に,効果的に提供するしくみをつくるためには? 相談のありかた,制度のデザインと見直し,関連職種や非専門家との連携など,ある大学のある学部に発足した相談室の立ち上げをフィールドにした参与研究から,臨床心理のコラボレーションづくりを考える.
第1部 統合的な臨床心理サービスを作る方法:コラボレーション
第1章 臨床心理サービスをどのように構成するか/第2章 システムの事例研究という研究法
第2部 モデルの生成:コラボレーションによる援助システム作り
第3章 学生相談システムの再構築にむけて/第4章 実践的フィールドワークのはじまり/第5章 システム作りの実践活動/第6章 実践に基づいたモデルの生成
第3部 モデルを実現するために:コラボレーション成立の方略を探る
第7章 上位システムとのコラボレーション/第8章 コラボレーションによる援助の実際/第9章 コラボレーションを成立させる方略
第4部 今後の展望
終 章 コラボレーションの将来
臨床心理というと,カウンセラーとクライエントが,個室で1対1でやりとりをしているイメージですが,家庭から発した心のトラブルは家庭を,学校から発した心のトラブルは学校を巻き込んで解決しなければ,本当に解決したことにはならないのではないでしょうか.
抽象的な政策論ではなく,むしろ1対1を大切にするからこそ,周囲を巻き込んだ「チーム」としての臨床心理サービスへと展開していったある大学の学習相談室を描いたこの本は,「プロジェクトX」のようなドキュメンタリーとしても面白い本ですが,藤川麗(ふじかわ・うらら)先生……旧姓の宇留田麗のお名前でも多くのご著述がある方ですが……ご自身の実践的フィールドワーク,つまり現場から,臨床心理学の新しいかたちの一つを提示されました.