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中国外交の本質を捉えるためには,そこに内在する歴史的要素を見逃すことができない.本書は,伝統外交の文脈を踏まえた中国外交史の構築を目指し,清朝末期の「天朝」体制から中華民国期以降の「外交」関係が成立する過渡期に焦点を当て,前近代から近代への継続と断絶の諸相を描く.東アジア全体を視野に収め多角的に分析するとともに,日本史・西洋史との実り多き対話を促す奥行きを秘めた期待の書.
序 章 中国近代外交へのまなざし(岡本隆司)
第I部 「夷務」の時代
第一章 清代の通商秩序と互市――清初から両次アヘン戦争へ(廖敏淑)
第二章 日清関係の転換と日清修好条規(森田吉彦)
第三章 隣国日本の近代化――日本の条約改正と日清関係(五百旗頭薫)
第II部 「洋務」の時代
第四章 在外領事像の模索――領事派遣開始前後の設置論(青山治世)
第五章 在外公館の伝統と近代――洋務時期の在外公館とその人材(箱田恵子)
第六章 中華帝国の近代的再編――在外華人保護論の台頭をめぐって(茂木敏夫・岡本隆司)
第III部 「外務」の時代
第七章 韓国の独立と清朝の外交――独立と自主のあいだ(岡本隆司)
第八章 外務の形成――外務部の成立過程(川島 真)
「絶学」とも言われてきた中国近代外交史研究がふたたび活性化するきっかけをつくったのは,岡本隆司・川島真両氏のそれぞれの研究・著作であることは言うまでもありません.本書は,この両氏のイニシアティヴのもと,新たな隆盛へと向かいつつあるこの分野の叡知を結集した,若手研究者を主な執筆者とする挑戦の書です.中国はもとより,日本や韓国からの視座も交えた広がりと,歴史の文脈を踏まえて深層から迫る奥行きのある展開に、溌剌さに満ちた新しいエネルギーを感じることでしょう.日本外交史・西洋外交史との実り多き対話を促すことも確実です.