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社会システムをめぐる長期的な構造変化が集中して顕在化した1990年代.その大きな変化は主に経済・企業システムにあらわれる.長期の相対的高度成長の終焉をもたらした本質的要因は一体なんだったのか.危機の本質を検証し改革の展開を冷静に見定め,山積する課題を克服するためのシナリオを明示する.
序章 「失われた10年」の意味(橘川武郎)
第I部 危機の実相
1章 経済危機の本質(橘川武郎)
2章 金融危機を生んだ構造:銀行所有構造にみるガバナンスの欠如(花崎正晴/ユパナ・ウィワッタナカンタン/相馬利行)
3章 「産業空洞化」・サービス経済化と中小企業問題(橘川武郎)
第II部 改革の地平
4章 規制改革の成果とその課題:経済成長への長い助走(小川昭/松村敏弘)
5章 雇用システムの継続と変化:知的熟練と成果主義(中村圭介)
6章 逆機能に陥った日本型生活保障システム(大沢真理)
第III部 国際的文脈の変化
7章 「アジア化」する日本経済:生産・消費の地域化と新たな国際分業体制(末廣 昭)
終章 企業の社会的役割とその限界(橘川武郎)
『20世紀システム』(全6巻)につづく,東京大学社会科学研究所の全所的プロジェクトの成果です.声高に「改革」が叫ばれる昨今ですが,私たちが立つ「いま」と,そして将来を見据えるために,「失われた10年」と呼ばれる日本の1990年代の展開を逆照射し,クールに今後の選択肢の方向性を見定める試みです.