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少子高齢化・グローバル化の影響が強まると同時に,地方分権が進展しようとする今,地域社会が自立するための「地域再生システム」が求められている.その中核をなす特区・地域再生制度の特徴や活用方法,地域再生の担い手育成などについて,現場経験を踏まえた執筆陣が提言・解説する.
序 章 「現場からの政策決定」時代へ
第I部 構造改革特区制度と地域の自立・活性化
第1章 構造改革特区制度――全員参加型政策立案システムへ/第2章 特区と教育・農業改革――創意工夫のインパクト/第3章 特区制度の将来像――地方分権の深化とともに/[コラム]少子高齢化・グローバル化と地域活性化
第II部 地域再生制度とファイナンス・人材
第4章 地域再生制度――新しいガバナンスの形へ/第5章 地域再生法と地域再生税制――「志ある投資・事業」を支える仕組み/第6章 官民連携と地域密着型金融――持続可能な政策展開への序奏/第7章 人材育成拠点としての大学――地域の活力源を目指して/[コラム]地域再生システム論の展開
終 章 「社会的投資」の深化と拡大に向けて
巻末資料:構造改革特区法、地域再生法
都市と地方の間の格差,という問題について,このところ議論が広がってきています.東京の生活しか知らない方々には想像しにくいかもしれませんが,いま,日本の地方・地域のなかには,農業の衰退や工場の倒産・撤退などを背景とした地域経済の低迷,人口減少・高齢化などによるコミュニティの崩壊といった深刻な問題を抱え,その存続が危機に瀕しているところも少なくありません.象徴例が財政破綻した北海道夕張市ともいえるでしょう.
一方で,きらりと光るアイデアや個性あるまちづくりで観光客を多く呼び寄せたり,若い家族が移住して人口が増え活気に満ちているような地方の町村もあります.制度としての「地方分権」はなかなか進展していませんが,自分たちの力で自治を実践している元気な地方は,国の顔色を伺うようなことはせずに,自立して進んでいこうとしています.
本書で詳細に紹介している「構造改革特区」制度や「地域再生」制度は,国の制度ではありますが,従来型の地域振興政策とは違って,国がとやかく口を出すのではなく,地域・地方の自主性を尊重するものとしてデザインされました.いま元気がある自治体や地域は,これらの制度をうまく活用しているところも少なくありません.国・中央政府の指示を待つのではなく,地方・地域が自ら動くことで,逆に国・中央政府を動かしてしまおう――そういう気概を持った地域のリーダーが多くなれば,日本社会も大きく変わるのではないか.本書は,そうした未来を描くためのヒントになるかもしれません.