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ジョンソン政権期,泥沼化の兆しを見せる戦況のなか,北爆停止の検討過程の裏面には,「武力は提供しなかった同盟国」である英仏の外交があった.外交のもつ力とは何か,それが拠ってたつものは何か.一次資料を駆使してソビエト・中国も含めた20世紀大国間外交のポリティクスを活写する.
序 章 ヴェトナム戦争と外交
第1章 対話姿勢の表明と交渉の承諾をめぐる英仏の外交(1965年2月〜4月)
第1節 北ヴェトナム爆撃の検討と開始
第2節 対話姿勢の表明
第3節 ヴェトナム問題に関する交渉の応諾
第2章 撤退意思の表明と仏ソの外交(1965年8月〜66年10月)
第1節 南ヴェトナムへの地上軍の投入とフランスによる説得
第2節 ドゴールの圧力
第3節 ソ連による説得とマニラ宣言
第3章 停戦条件の緩和をめぐる英ソの外交(1966年10月〜67年6月)
第1節 フェーズA/フェーズBフォーミュラとイギリスの圧力
第2節 グラスボロ会談とソ連による説得
第4章 北爆の一部無条件停止とフランス外交(1967年7月〜68年3月)
第1節 アメリカによる交渉の模索と失望
第2節 北爆停止と交渉開始に向けたフランスの外交
終 章 介入をめぐるアメリカと同盟国の関係
政治学らしい鋭い分析視角,堅実な史料批判が備わっている本書ですが,ヴェトナム戦争の政治(外交)過程研究のむこうに,今日の日本が置かれている状況に対するメッセージがあります.オバマ政権になり,「対テロ戦争」の幕引き後に期待と不安が交錯するなか,日本が持ちうるパワーとはなにか,たくさんのヒントが隠れていそうです.