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いま,われわれが直面する格差や不平等の問題は,どの程度「日本的」なことなのか.日本社会の不平等を国際的に比較すると,いったい何が見えてくるのか.少子高齢社会という新たな時代の到来を,家族,女性,子ども,高齢者から考える.
序 比較の中の日本
1 日本はどれくらい不平等か
2 女性の労働参加と経済格差
3 子どものいる世帯の経済格差
4 巣立てぬ若者
5 母親が働くこと――人々の意識とその背景にある制度
6 高齢者の居場所――高齢化と世帯構造の変化
7 ひとり暮らしと三世代世帯の高齢者
8 日本の不平等を考える――人々の生き方と不平等
付録/参考文献
ブームのようですらあった格差論もすこし落ち着き,現在では,貧困や若年雇用問題などのテーマがよりクローズアップされてきているようです.とはいえそれらの問題も,日本社会全体の「分配」の問題や少子高齢社会の到来などと密接に結びついているので,日本社会の不平等状況を客観的に明らかにする研究が引き続き求められている,と思います.そこで本書では,「不平等」をキーワードに日本社会の現在を検証しようとしています.その際,国際的な比較を充分行なうことで,日本社会だけを見ていてもわからないこと――たとえば,日本社会は他の国々と比べてどの程度不平等なのか? とくにどのあたりに不平等がみられるのか? そしてそれはどのような社会構造に根ざしているのか――が次々と浮き彫りになってゆきます.不平等や格差や貧困等々を語る際,スタンダードな研究として参考にしていただけると思います.