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基礎学力を問う 21世紀日本の教育への展望

東京大学学校教育高度化センター 編
ISBN978-4-13-051316-6, 発売日:2009年06月中旬, 判型:四六, 256頁

内容紹介

「ゆとり教育」から学力の再強化へとゆれた現代日本の教育.東京大学教育学部のCOEプロジェクトが,「基礎学力」という論争点から読み解く.教育現場の問題,評価(テスト)や教育行政の分析,そして,21世紀の学力観を大きくとらえなおす議論まで,7つのテーマから斯界の第一人者たちが現代日本の課題にせまる.


主要目次

プロローグ(金子元久)
1章 改革論争と学力問題
   学力問題の構図と基礎学力の概念(佐藤 学)
2章 学力論争を歴史的に振り返る
   近代の学力像とその社会的基底(金子元久)
3章 学力と教育の機会均等
   グローバル社会における学力観(恒吉僚子)
4章 半世紀前の全国テストが照射するもの
   学力調査と格差問題の時代変化(苅谷剛彦)
5章 職場としての学校から教育改革をみる
   学力政策を支える教師の労働実態と課題(小川正人)
6章 認知心理学からの提言
   学力概念と指導・評価(市川伸一)
7章 授業改革への方向
   質の時代における学力形成(秋田喜代美)
エピローグ(秋田喜代美)


担当編集者から

「若い世代の学力低下」を嘆く声は,歴史上,ほとんどいつでも見つかりそうです.戦後の日本に限っても,「駅弁大学」「テレビ世代」,そして「ゆとり世代」への批判と,まるで我々は学力の坂を一貫して転がり落ちているかのようです.それはおそらく,時代ごとに,人ごとに,あるべき「学力」の概念が,変化しつづけていることによるのでしょう.漠然としすぎた「学力」概念を問うことは,ほとんど無意味であった,ともいえます.
 しかし,日本の社会が21世紀を境目に激変し,公教育がなにを教えるべきかという議論は拡散する一方,政治家は「教育改革」を競い,全国学力テスト,格差社会をマスコミはバラバラに批判し,自分の子どもだけには「よい教育」を与えようとする親のボルテージばかりが上がる現状に,「学力」はふたたび教育学の一つのキーワードとして浮上してきました.
 本書はまず「学力」はどのように論争の対象になってきたのか,それは現実のなにを反映しているのかを押さえたうえで,学力の概念自体をとらえなおすことを提案します.そのうえで,どんな政策が,調査が,そして授業現場の工夫が可能なのか,7つの視点から実践的に提言します.
 おそらく「学力」の今後について,ここまで教育学が本気を出した本は,あまりないでしょう.この本が提言する「学力」を機軸に,もう一度,日本の公教育全体を議論することができそうです.



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