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韓国や日本を含む東アジア諸国は,欧米諸国に比して「後発福祉国家」である.その「遅れ」はどのような意味をもち,また福祉国家の現実にどのような影響を与えてきたのであろうか.主に韓国の事例を検討しながら,東アジアにおける福祉国家論に比較分析の新たな視座を提供する.
序章 韓国の経験からの問い
I 福祉国家論のなかの韓国と東アジア
1章 韓国福祉国家性格論争/2章 比較福祉国家論のなかの東アジア
II 「遅れてきた福祉国家」としての韓国
3章 「遅滞」の局面――「前‐福祉国家」の時代/4章 経済危機と政権交代――「遅れてきた福祉国家」の形成過程/5章 「後発」の局面――「遅れてきた福祉国家」の再編圧力
III 比較のなかの「遅れてきた福祉国家」とその未来
6章 後発福祉国家論/7章 「遅れてきた福祉国家」のゆくえ
終章 後発福祉国家論の社会学的課題
日本が福祉国家となったひとつの画期は,1973年の「福祉元年」と言われています.いっぽう,韓国が福祉国家化したと言われているのは1990年代後半のこと.そこには20年以上のタイムラグがあるのですが,それでもヨーロッパの「福祉先進国」に比べれば,どちらも「遅れてきた福祉国家」となります.「福祉国家化」した時点での経済状況,国際環境,それまでの政治的経緯など,福祉国家形成のあり方はいろいろです.本書ではこの問題について主に韓国を事例に探究しているのですが,いろいろな点を日本と比べて読んでみるのも興味深いと思います.