顧みられない熱帯病 在庫あり
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顧みられない熱帯病 グローバルヘルスへの挑戦

ピーター J ホッテズ, 北 潔 監訳, BT スリングスビー 訳, 鹿角 契 訳
ISBN978-4-13-060412-3, 発売日:2015年06月中旬, 判型:A5, 334頁

内容紹介

10億人以上が苦しむ「顧みられない熱帯病」は,HIV/エイズ,マラリア,結核に並ぶ世界的疾患としてようやく注目されはじめた.その実態と,各国の政府や製薬企業,ビル&メリンダ・ゲイツ財団などによる官民共同の対策を紹介し,今後の展望を提言する.
Peter J. Hotez, Forgotten People, Forgotten Diseases: The Neglected Tropical Diseases and Their Impact on Global Health and Development, second edition, ASM Press, 2013 を翻訳.

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主要目次

日本語版の序文(PDF)
訳者序文(PDF)
第2版の刊行に寄せて(ソウルダッド・オブライエン)
第2版の序文
初版の序文
謝辞
第1章 顧みられない熱帯病――偏見と貧困を生む古代からの苦しみ
第2章 「神聖ならざる三位一体」――土壌伝播性蠕虫感染症(回虫症、鞭虫症、鉤虫症)
第3章 住血吸虫症(巻貝症)
第4章 フィラリア感染症――リンパ系フィラリア症(象皮症)とメジナ虫症(ギニア虫症)
第5章 失明に至る顧みられない熱帯病――オンコセルカ症(河川盲目症)とトラコーマ
第6章 マイコバクテリア感染症――ブルーリ潰瘍とハンセン病
第7章 キネトプラスト類による感染症――ヒトアフリカトリパノソーマ症(睡眠病)、シャーガス病、リーシュマニア症
第8章 都市部における顧みられない熱帯病――レプトスピラ症、デング熱、狂犬病
第9章 北アメリカの顧みられない熱帯病
第10章 顧みられない熱帯病に関するグローバルネットワーク
第11章 顧みられない熱帯病対策の今後の展望と貧困対策ワクチン
第12章 世界を修復する
索引
著者・監訳者・訳者紹介


担当編集者から

日本語版の刊行に寄せて

黒川 清
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund) 代表理事・会長
日本医療政策機構(HGPI) 代表理事
東京大学 名誉教授
日本学術会議 元会長


 2014年,日本でもデング熱の感染が確認され,アフリカではエボラ熱が多発し世界を震撼させた.これらの感染症は,人間を介して,飛行機を介して,いつでもどこからでもやって来ることを,自分たちのこととして気づいた人たちも多いだろう.

 人類の歴史は飢えと感染症との戦いであったが,その対策は20世紀になって大きく進歩した.20世紀初頭には先進国でも40歳代だった人間の平均寿命は,1世紀の間に60歳代,70歳代,80歳代へと伸び,世界人口も16億から70億へと大爆発している.これらの背景には,感染症について言えば公衆衛生の向上に加えて,ワクチンや抗生物質など,医学・医療技術の進歩がある.

 わが国でも1950年頃までは結核が死因のトップであり,国民の大半が土壌伝播寄生虫に感染していた.国民皆保険制度が始まる直前の1960年には約6,000人もの新規の小児麻痺患者を数えた.結核の特効薬ストレプトマイシンは1950年頃に,小児麻痺ワクチンは1960年頃に米国で開発され世界に広がった.わが国では高度成長期に上下水道が普及し,公衆衛生面の整備が進んだ.さらに海外に対しても,二国間協力に加えて,世界銀行,国連,WHOなどの国際機関を介したわが国の国際保健での貢献は,アジアから始まり世界に広がった.

 一方,1980年に米国でAIDSの発症が報告され,急速に世界に広がった.21世紀になると「グローバルヘルス」という言葉が頻繁に使われはじめ,「HIV/AIDS,マラリア,結核」の対策を中心に,世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)やビル&メリンダ・ゲイツ財団などの活動が始まる.また,新型インフルエンザの大流行が話題になりはじめる.

 この20年ほどのグローバル世界では,ヒト,モノ,カネ,さらにインターネットの急速な広がりが目覚しい.世界経済は成長しているものの貧富の差の広がりが激しい.貧困の背景の一つが,「顧みられない熱帯病 (NTDs)」である.これは「HIV/AIDS,マラリア,結核」以外の,特にアフリカ,東南アジア,中南米の熱帯地域に多くみられる十数の感染症群である.研究,開発などに対する投資は,「HIV/AIDS,マラリア,結核」に比べるとかなり少ない.これらへのワクチンや薬品は市場メカニズムが働きにくいところにも課題がある.

 本書の著者であるホッテズ博士は,NTDsに含まれる鉤虫症などのワクチンを開発しながら世界のNTDs対策を率いてきた人物である.私は,ニューヨークを拠点とする「国境なき科学者」の評議会でホッテズ博士と同席してきたが,エネルギーにあふれた魅力的な人物である.最近は,アメリカ合衆国の科学特使(Science Envoy)にも任命され,科学外交のためにホワイトハウスや国務省に助言しながら,「国境なき科学者」を体現して世界を飛び回っている.本書からは,よりよい世界のために着実に成果を挙げつつあるホッテズ博士の熱意が伝わってくる.

 本書の「日本語版の序文」でホッテズ博士も紹介しているGHIT Fund(グローバルヘルス技術振興基金)は,このような状況を意識した日本の政府と主要製薬企業とが一体となって取り組む官民ファンドであり,しかもゲイツ財団と組んでいるところに特徴がある.「HIV/AIDS,マラリア,結核」に加えてNTDsも対象とし,「PDP(Products Development Programs)」などとも連携する,世界でも初めてのユニークな開発投資モデルである.伝統的に日本の「強み」でもある新薬などへの可能性を秘めた化合物の多様性と,一方で世界の「市場の受益者」たちから「プル,引っ張る」の感覚・感性が「弱い」ところを,ゲイツ財団もパートナーだ,と知って多くの日本の方々が「グローバル世界」に「引っ張られる」と感じてくれるのではないかとの期待もあって,私はこのGHIT fundの取り組みに参加している.



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