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人類を超えた動物たち――重厚な気品と迫力を秘めたゴリラは,私たちに「人間とはなにか」を問いかける. 人類はかれらと共存可能な世界を創造できるのか.およそ30年にわたるフィールドワークにもとづいて描かれた新しいゴリラの動物記.
第1章 ゴリラ――フィールドへの旅立ち
第2章 マウンテンゴリラ――古典的イメージからの脱却
第3章 ローランドゴリラ――新しいゴリラ像をさぐる
第4章 ゴリラを分類する――種内の変異が示唆すること
第5章 変化する社会――その要因をさぐる
第6章 二つの類人猿――ゴリラとチンパンジー
第7章 共存――野生ゴリラの現状と保護対策
日本には動物学者が書いた優れた動物記がいくつもあります.たとえば,伊谷純一郎先生の『高崎山のサル』.そこには研究者の鋭いまなざしがとらえらた動物たちの生きざまとともに,フィールドでかれらを追う研究者のすがたもまた,いきいきと描かれています.それらを読んで野生動物の研究を志し,実際に研究者になった人たちも少なくありません.この本は,そういう動物記の流れをしっかりと引き継いで書かれました.山極先生はおよそ30年にわたって,アフリカの熱帯雨林でひたむきにゴリラと対峙してこられたナチュラリストです.動物たちと同じ目線でかれらと付き合う山極先生の研究スタイルは,いつの時代にも,けっして輝きを失うことはないでしょう(YK).