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地球深部探査船「ちきゅう」,海底観測ネットワーク,地球シミュレータ,地球システム科学……時間的・空間的に大きく広がる地球の姿を,いかに高精度でダイナミックにとらえるか.最先端の観測科学から予測科学への展開を,第一線の執筆陣がやさしく紹介する.
はじめに
1章 地球の記憶を掘り起こせ――深海掘削計画(巽 好幸)
2章 地球システムをリアルタイムで診断する――地球テレスコープ計画(金田義行)
3章 地球の複雑な営みをシミュレーションする――連結階層シミュレーション(佐藤哲也)
4章 地球科学の新しい展開と予測科学――地球システムの理解のために(鳥海光弘)
索引
昨年の秋から,いよいよ日本が誇る地球深部探査船「ちきゅう」が,南海トラフ地震発生帯の掘削を開始しました.「地震の巣」を直接掘削して,海溝型巨大地震の発生メカニズムに迫ろうとするものです.紀伊半島沖熊野灘には,複数の地震計や高精度な水圧計をケーブルでつなぎ,リアルタイムで海底下の地殻活動を監視する海底観測ネットワークが計画中です.スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」は,システム丸ごとシミュレーションや連結階層シミュレーションを可能とし,地球内部研究の進展を大きく加速しました.また,それらを有効に予測科学へと連結するシステム科学的な解析法の展開によって,新しい地球の姿と未来への予測が見えてきました.
現在まで日本が主導で繰り広げてきた先進的な巨大観測科学や,これから展開する高精度観測科学が,どのようなものなのか,そしてそれから何が得られるのかという最新の情報について,わかりやすく紹介するのが本書です.