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シリーズ精神医学の哲学【全3巻】

[シリーズ著者]

石原孝二 編者代表

[シリーズ各巻編者]
第1巻 精神医学の科学と哲学:石原孝二(東京大学大学院 総合文化研究科 准教授)・信原幸弘(東京大学大学院 総合文化研究科 教授)・糸川昌成(東京都医学総合研究所 病院等連携研究センター センター長・東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授)編
第2巻 精神医学の歴史と人類学:鈴木晃仁(慶應義塾大学 経済学部 教授)・北中淳子(慶應義塾大学 文学部 教授)編
第3巻 精神医学と当事者:石原孝二(東京大学大学院 総合文化研究科 准教授)・河野哲也(立教大学 文学部 教授)・向谷地生良(北海道医療大学 看護福祉学部 教授・浦河べてるの家 理事)編

シリーズ刊行にあたって

 今日の社会において,精神障害をめぐる問題はますます重要な課題として位置づけられている.精神障害の神経基盤などを探求する生物学的な研究は近年大きく進展しつつあるが,そうした研究が精神障害の問題の解決にどの程度寄与するのは不明確である.他方でまた,精神障害を経験した人が自らの人生を取り戻す「リカバリー」の思想が広まりつつある.
 「シリーズ精神医学の哲学」は,精神医学が変容しつつある現在の状況を踏まえ,様々な視点から精神医学の基盤を問うことを目的としている.第1巻では,哲学的な観点から精神障害の概念や精神障害の症状の分析を行うとともに,精神医学的な観点から精神薬理学や認知行動療法,生物・心理・社会モデルの検討などを行う.第2巻は,国内外の歴史家・人類学者が執筆陣に加わり,日本の事例を多く取り上げながら,メディアや宗教,家族など,精神医学の歴史と人類学に関わる多様なトピックを論じる.第3巻は,現代社会と精神医学の関係を見据えながら,リカバリー思想の展開や地域精神科医療の様々なアプローチを紹介し,そうしたアプローチや当事者研究が精神医学の変革にどのように寄与しうるのかを検討する.
 精神医学は今,大きな転換点に差し掛かっており,その全体像を捉えなおすことが迫られている.精神医学の現状と歴史,そして今後の方向性について,様々な視点・立場から検討を加えた本シリーズが,その一助となることを願っている.

編者を代表して 石原孝二


 

シリーズの特徴
●精神障害への対応について,精神医学,哲学,歴史,人類学,社会学などから多角的に考察.
● 当事者の視点から精神医学を問いなおし,社会制度や家族の役割にも注目する.
● 精神医学の歴史と現状に関する欧米の議論を踏まえながら,日本独自の歴史や問題にも光を当てる.

 

第1巻 精神医学の科学と哲学


編者
石原孝二 (東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
信原幸弘 (東京大学大学院総合文化研究科 教授)
糸川昌成 (東京都医学総合研究所病院等連携研究センター センター長・東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授)

 精神障害の分類と診断が難しいなか,哲学や精神医学は精神障害とどのように向きあうのか.思考吹入や妄想についての哲学的考察に加え,現象学的精神病理学や精神分析の現状,そして現代の精神医学のさまざまなアプローチの到達点を総観する.

 第1章 総論――精神医学の科学と哲学 …石原孝二 (東京大学)
第1部 精神医学と哲学
 第2章 思考吹入と所有者性 …信原幸弘 (東京大学)
 第3章 妄想の形成と維持――二要因理論と予測エラー理論 …宮園健吾 (広島大学)
 第4章 現象学と精神病理学 …トーマス・フックス (ハイデルベルク大学)/田中彰吾 (東海大学) 訳
 第5章 精神分析の実践と思想 …立木康介 (京都大学)
第2部 精神医学の科学論  第6章 症候群としての統合失調症――生物学的研究からの再検討 …糸川昌成 (東京都医学総合研究所・東京大学)
 第7章 ポストモノアミン時代の精神薬理学――シニシズムを超えて …黒木俊秀 (九州大学)
 第8章 認知行動療法の基礎と展開 …石垣琢麿 (東京大学)
 第9章 生物・心理・社会モデルの折衷主義を超えて――ガミーの多元主義とヤスパースの方法論的自覚 …村井俊哉 (京都大学)

第2巻 精神医学の歴史と人類学


編者
鈴木晃仁 (慶應義塾大学経済学部 教授)
北中淳子 (慶應義塾大学文学部 教授)

 

 精神疾患が注目される近現代,精神医学と社会の関係は変わりつづけている.第1部では,表象,専門職,宗教,メディアという観点から精神医学の歴史を問いなおす.第2部では,人類学の視点から精神医学の実践を捉えなおす.

 第1章 総論――精神医学の歴史と人類学 …鈴木晃仁 (慶應義塾大学)・北中淳子 (慶應義塾大学)
第1部 精神医学の歴史
 第2章 精神疾患の声の歴史――近代日本の精神科臨床と文学 …鈴木晃仁
 第3章 専門職間闘争における精神科医――一九世紀末の英米における業域の拡大 …高林陽展 (清泉女子大学)
 第4章 精神医学と精神療法における宗教――探究のための枠組み …クリストファー・ハーディング (エディンバラ大学)/石渡崇文 (東京大学)・高林陽展 訳
 第5章 精神医学とマスメディアの近代――20世紀初頭日本の新聞メディアを事例として …佐藤雅浩 (小樽商科大学)
第2部 精神医学の人類学
 第6章 文化と病いの経験 …江口重幸 (東京武蔵野病院)
 第7章 精神医学による主体化――精神療法とバイオロジーの人類学 …北中淳子
 第8章 日本社会における精神医学の権限と家族 …エイミー・ボロヴォイ (プリンストン大学)/安斎恵子 (お茶の水女子大学) 訳
 第9章 人類学・精神医学・科学――PTSDにおける記憶の生成 …アラン・ヤング (マギル大学)/南学正仁 (千葉大学)・北中淳子 訳

 

第3巻 精神医学と当事者


編者
石原孝二 (東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
河野哲也 (立教大学文学部 教授)
向谷地生良 (北海道医療大学看護福祉学部 教授・浦河べてるの家 理事)

 精神科医療は,病院やクリニックを超え,地域社会における治療実践とケアへと転換し,それとともに専門家と当事者,家族との関係も大きく変化しつつある.日本発の「当事者研究」の動向を紹介するとともに,世界的な趨勢も踏まえながら,精神医学と当事者の関係を考察する.

 第1章 精神医学と当事者 …石原孝二 (東京大学)
第1部 精神医学と現代社会
 第2章 精神医学のバイオポリティクス …美馬達哉 (立命館大学)
 第3章 精神医学と疾患喧伝 …井原裕 (獨協医科大学)
 第4章 学校のこころの問題――心理職の課題とあるべき姿 …河野哲也 (立教大学)
第2部 精神医学と地域社会・家族
 第5章 リカバリーと精神科地域ケア …宮本有紀 (東京大学)
コラム1 イタリアの精神保健改革 …大熊一夫 (ジャーナリスト)
コラム2 オープンダイアローグ …斎藤環 (筑波大学)
 第6章 精神医療システムと家族 …山田理絵 (東京大学)
第3部 精神医学の変革と当事者研究
 第7章 当事者研究と精神医学のこれから …向谷地生良 (北海道医療大学・浦河べてるの家)
 第8章 発達障害の当事者研究――情報保障の観点からの考察 …綾屋紗月 (東京大学)
 第9章 痛みと孤立――薬物依存症と慢性疼痛の当事者研究 …熊谷晋一郎 (東京大学)・五十公野理恵子 (ダルク女性ハウス)・秋元恵一郎 (東京ダルク)・上岡陽江 (ダルク女性ハウス)

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