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発達科学入門【全3巻】

[シリーズ著者]

高橋惠子

湯川良三

安藤寿康

秋山弘子

本シリーズの特長
●心理学を中心に,脳科学,医学,社会科学など,発達を扱う科学を総動員
●第一線の研究者が,生物―心理―社会的観点からバランスのとれた知見を提供する網羅的なテキスト
●「発達観」の諸理論を整理し,研究法,倫理指針を備えた1巻と,胎児期から超・高齢期まで,各年代に応じた発達上,行政・教育上の問題を詳述した2巻,3巻で構成
●新生児医療から,学齢期の発達障害,青年期の社会的生活,老年期のうつまで,各年代の臨床的要請にも対応
●研究の最前線を示した「BOX」を多数配置


第1巻 理論と方法

生命科学の進歩,生涯発達という視点の導入により,人間理解が大きな変革を遂げつつあるからこそ必要な,「発達科学」という本シリーズを貫くコンセプトを解説.発達をとらえる視点の変遷,発達科学の基本的理論,そして押さえておくべき研究法の基礎を紹介する.

第2巻 胎児期~児童期

胎児期・新生児期,乳児期,幼児期,児童期について,発達上の問題(在胎中のリスク,愛着の不安定さ,発達障害など),行政・教育上の問題(保育環境の質,貧困,虐待など)にふれながらその特徴を描き出し,各現象の生涯発達における位置づけをとらえ直す.

第3巻 青年期~後期高齢期

青年期,成人期,高齢期について,発達上の問題(アイデンティティの混乱,夫婦関係,認知症など),行政・教育上の問題(経済的格差,ワーク・ライフ・バランス,介護など)にふれながらその特徴を描き出し,各現象の生涯発達における位置づけをとらえ直す.



 

シリーズ刊行のねらい

 「発達科学入門」全3巻は,人間の発達についての最先端の知識を必要とする心理学系と近接領域(教育学,社会福祉学,看護学,老年学,医学,神経科学,生物学など)の大学生などの学習者,そして研究者のための教科書・入門書である.
 20世紀後半から,「発達心理学」には革命的とも言える新しいうねりが見え始めた.それが,本シリーズが「発達心理学」ではなく,「発達科学」という新しい名称を採用した理由である.大きな変化の第一は,進化生物学,分子生物学,分子遺伝学,神経科学,医学などのいわゆる生命科学が,こぞって発達の生物学的遺産,生物学的基盤についての情報を提供し,それによって人間の成長・発達の仕組みに関する説明を変えざるを得なくなったことである.そして第二は,生涯にわたる発達という視点が,単なるスローガンやエピソードとしてではなく,理論や実証研究に実際に取り入れられるようになったことで,個体発生と系統発生,個人と集団,個と歴史・文化の関連の理解が進んできたことである.
 このような人間理解についての変革を真摯に受けとめ,21世紀の学習者と研究者のためのガイドブックを創ることを心掛けた.本シリーズはこの目的を実現させた日本初の試みであり,世界でも類のないものになったと自負している.
 本シリーズは,1巻が理論と方法についての13章,2巻が胎児期から児童期までの発達を扱った16章,3巻が青年期から後期高齢期までの17章,の全3巻46章からなる大部な構成となった.各章はそれぞれの分野で活躍する第一線の研究者が,「発達科学」への入門をという目的に沿って推敲を重ね,最先端の理論,研究動向,将来の課題を明らかにしている.そして加えて,「発達科学」に欠かせない重要な情報を23個のBoxを設けて,それぞれの専門家が記述している.このように,全体として,「発達科学」とは何か,どうあるべきか,を具体化した.ぜひ,3巻全体を見ていただきたい.

編者を代表して 高橋惠子        

 


各巻詳細

第1巻 理論と方法

I 発達心理学から発達科学へ
 1 発達とは(高橋惠子)
 2 発達の規定因(秋山道彦/ミシガン大学名誉教授)
 3 発達の概観(高橋惠子)
  Box1 生命誌(中村桂子/JT生命誌研究館)
  Box2 遺伝子・ゲノム・DNA(中村桂子)
II 発達の理論
 1 進化と発達(長谷川寿一/東京大学大学院・長谷川眞理子/総合研究大学院大学)
 2 脳と発達(開 一夫/東京大学大学院)
 3 行動遺伝学と発達(安藤寿康)
 4 認知発達(湯川良三)
 5 社会・情動的発達(久保ゆかり/東洋大学)
 6 生涯発達(鈴木 忠/白百合女子大学)
 7 ジェンダーと発達(湯川隆子/奈良大学)
 8 文化と発達(東 洋/東京大学名誉教授)
  Box3 ロボテックス(浅田 稔/大阪大学)
  Box4 社会脳(藤井直敬/理化学研究所)
  Box5 ダイナミックシステムズ・アプローチ(河合優年/武庫川女子大学)
III 発達科学の研究法
 1 発達科学研究のデザイン(小松孝至/大阪教育大学・山田剛史/岡山大学)
 2 発達科学の心理統計(南風原朝和/東京大学)
  Box6 脳活動記録手法(苧阪直行/京都大学)
  Box7 発達研究の倫理(安藤寿康)


第2巻 胎児期~児童期

I 胎児期・新生児期
 1 胎児(三橋隆行/慶應義塾大学・吉井 聡/マサチューセッツ工科大学・高橋孝雄/慶應義塾大学)
 2 新生児(近藤好枝/慶應義塾大学)
  Box1 未熟児(佐藤紀子/愛育病院)
  Box2 多胎児(加藤則子/国立保健医療科学院)
II 乳児期
 1 感覚・知覚(加藤正晴/同志社大学)
 2 乳児の認知(明和政子/京都大学大学院)
 3 運動(河合優年)
 4 気質(陳 省仁/北海道大学名誉教授・光塩学園女子短期大学)
 5 人間関係と自己(坂上裕子/青山学院大学)
  Box3 ミラーニューロン(梅本 守/大阪市立大学名誉教授)
  Box4 児童観を問う意味(小嶋秀夫/名古屋大学名誉教授)
III 幼児期
 1 幼児の認知(落合正行/追手門学院大学)
 2 言語(小椋たみ子/神戸大学名誉教授・帝塚山大学)
 3 人間関係(高橋惠子)
 4 自己(園田雅代/創価大学大学院)
 5 遊び・集団生活(倉持清美/東京学芸大学)
  Box5 虐待(橋本和明/花園大学)
  Box6 子どもの貧困(阿部 彩/人口問題研究所)
IV 児童期
 1 児童の認知(湯澤正通/広島大学大学院)
 2 学校生活(秋田喜代美/東京大学大学院)
 3 社会認識(長谷川真里/横浜市立大学)
 4 障がいと問題行動(松見淳子/関西学院大学)
  Box7 目撃証言(仲 真紀子/北海道大学大学院)
  Box8 社会的格差と学力(武内 清/上智大学名誉教授・敬愛大学)


第3巻 青年期~後期高齢期

I 青年期
 1 青年の認知(山 祐嗣/大阪市立大学)
 2 性意識(宇井美代子/玉川大学)
 3 アイデンティティ(伊藤美奈子/慶應義塾大学)
 4 ケータイとパソコン(三浦麻子/関西学院大学)
 5 障がいと問題行動(中釜洋子/東京大学大学院)
  Box1 性同一性障害(中塚幹也/岡山大学)
 Box2 政治と青年(浅野智彦/東京学芸大学)
II 成人期
 1 パーソナリティ(平石賢二/名古屋大学大学院)
 2 職業生活(金井篤子/名古屋大学大学院)
 3 親としての発達(柏木惠子/東京女子大学名誉教授)
 4 夫婦関係(伊藤裕子/文京学院大学)
  Box3 熟達化(大浦容子/新潟大学)
  Box4 セイフティネット(水内俊雄/大阪市立大学)
Ⅲ 前期高齢期
 1 セカンドライフの設計(原田 謙/実践女子大学)
 2 高齢者の認知(高山 緑/慶應義塾大学)
 3 ソーシャルネットワーク(小林江里香/東京都健康長寿医療センター研究所)
 4 団塊世代の高齢化(斉藤 徹/電通)
  Box5 エイジズム(藤田綾子/大阪大学名誉教授・甲子園大学)
  Box6 エイジレス社会(柴田 博/桜美林大学名誉教授・人間総合科学大学)
Ⅳ 後期高齢期
 1 心身の老化・健康・長寿(新開省二/東京都健康長寿医療センター研究所)
 2 人生90年時代のサクセスフルエイジング(秋山弘子)
 3 百歳長寿者(権藤恭之/大阪大学大学院)
 4 認知症とうつ(矢冨直美/東京大学大学院)
  Box7 介護保険制度(神前裕子/東邦大学)
  Box8 尊厳死(大谷いづみ/立命館大学)

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