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社会保障と経済【全3巻】

[シリーズ著者]

宮島 洋

西村周三

京極 高宣

第1巻 企業と労働

社会保障は単なる法律・制度・行政・サービスであるだけでなく,人びとの就労や企業活動と密接に関係し,また経済成長とも深くかかわりあっている.「企業と労働」という視角から,経済と社会保障を結びつける新たな理論と政策課題を明らかにする.

第2巻 財政と所得保障

医療や年金制度への信頼が揺らぎ,人びとの生活のセーフティネットに対する不安もひろがっている.給付・負担のバランスを保ちながら社会保障を維持・発展させていくためには何が必要なのか.経済・財政の視点から社会保障の現在とこれからを分析する.

第3巻 社会サービスと地域

人びとの安心・安全がもはや自明のものではない時代にあって,社会サービスはその重要性をさらに増している.社会サービスの給付と負担に焦点を当てた分析と考察により,社会連帯と自助努力のほどよいバランスをめざした国民的合意を形成するためのベースを提供する.



各巻詳細

第1巻 企業と労働

I 理論と政策
 1章 社会保障と経済の一般的関係 京極高宣(国立社会保障・人口問題研究所)
 2章 福祉レジーム変容の比較と日本の軌跡 新川敏光(京都大学)
 3章 生活保障としての働き方と技能形成の変化 西村幸満(国立社会保障・人口問題研究所)
 4章 社会保障の機能強化と労働組合の役割 小島 茂(日本労働組合総連合会)/麻生裕子(連合生活開発研究所)
 5章 雇用戦略 濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構)
II 社会保障と雇用・ワークライフバランス
 6章 企業内福利厚生と社会保障 西久保浩二(山梨大学)
 7章 女性のライフサイクルからみた労働と社会保障のあり方 川口 章(同志社大学)
 8章 女性の就労支援と児童福祉 野口晴子(国立社会保障・人口問題研究所)
 9章 高年齢者雇用の進展と社会の発展 高木朋代(敬愛大学)
III 社会保障と産業
 10章 保育サービス準市場の現実的な制度設計 鈴木 亘(学習院大学)
 11章 社会的企業における障害者雇用戦略 勝又幸子(国立社会保障・人口問題研究所)/赤星慶一郎(オムロンヘルスケア)
 12章 企業の社会的責任と社会保障 鈴木不二一(同志社大学)

第2巻 財政と所得保障

I 社会保障の経済分析
 1章 マクロ経済学から見た社会保障 小西秀樹(早稲田大学)
 2章 社会保障のミクロ経済学 駒村康平(慶應義塾大学)
 3章 地域経済と社会保障 山重慎二(一橋大学)
 4章 公的年金・企業年金と年金資金運用 米澤康博(早稲田大学)
II 社会保障と財政・税制
 5章 社会保障と財政・税制 宮島 洋(早稲田大学)
 6章 社会保障の役割と国民負担率 田中 滋(慶應義塾大学)
 7章 社会保障と地方財政 林 宜嗣(関西学院大学)
 8章 OECD諸国の社会保障政策と社会支出 金子能宏(国立社会保障・人口問題研究所)
III 所得保障と国民生活
 9章 公的扶助と最低生活保障 阿部 彩(国立社会保障・人口問題研究所)
 10章 少子高齢社会の公的年金 小塩隆士(一橋大学)
 11章 高齢期の世帯変動と経済格差 白波瀬佐和子(東京大学)
 12章 雇用保険制度改革 樋口美雄(慶應義塾大学)

第3巻 社会サービスと地域

I 国民生活と社会サービス
 1章 日本経済と医療・介護政策の展開 遠藤久夫(学習院大学)
 2章 医療・介護サービスの展望 府川哲夫(国立社会保障・人口問題研究所)
 3章 医療・介護の需要動向 川越雅弘(国立社会保障・人口問題研究所)
II サービス産業としての医療・介護
 4章 医療サービス供給体制 泉田信行(国立社会保障・人口問題研究所)
 5章 医療従事者問題 今中雄一(京都大学)
 6章 医療における技術革新と産業としての医療 西村周三(京都大学)
 7章 介護サービスの供給体制 岸田研作(岡山大学)/谷垣静子(岡山大学)
 8章 介護従事者問題 堀田聰子(東京大学)
III 福祉サービスの新展開
 9章 社会保障と地域活性化の維持 澤井 勝(奈良女子大学)
 10章 障害福祉サービスと社会参加 長江 亮(早稲田大学)
 11章 自治体行政における地域福祉サービス 金井利之(東京大学)
 12章 地域社会と社会保障 京極高宣(国立社会保障・人口問題研究所)



刊行にあたって

 医療,介護,年金,扶助,児童・障害福祉などといった社会保障の諸問題は,現在の日本社会にとってはもちろん,少子高齢社会の進展により将来の日本にとってもたいへん重要な政策課題となってきている.社会保障についての国民の関心は極めて高く,昨今では政治的な争点ともなっており,新聞・雑誌・テレビ等で社会保障関連のテーマが取り上げられることが非常に増えている.とりわけ,1980年に開催された「福祉国家の危機」をテーマとしたOECDの会議以降,1990年代に入り,社会保障と経済および社会(国家,企業,地域,家計,世代等)との関係は,その水準や範囲をめぐって,また税制との関わりや政策体系のあり方をめぐって,国内外で幅ひろく議論が行なわれてきた.それにもかかわらず,わが国では社会保障と経済社会の関係を総合的に網羅した学術的刊行物は未だに乏しいのが現状である.
 そこで本シリーズでは,それらの諸問題に対して理論的・実証的な立場から国民の関心事に客観的に答えてゆくとともに,国際比較や時系列的な分析をとおして,現在の日本社会の特質と社会保障のあり方を総合的に浮き彫りにすることを目標として,以下のような企画方針をたて,執筆の際の指針としている.

1.社会保障と経済社会の相互関係を理論的・実証的に分析し,可能なテーマについてはそれらに基づく国際比較を行なう.このことにより,各国の相互関係やグローバル化の問題を明らかにし,日本社会の経済的特質と社会保障のあり方を明らかにする.

2.少子高齢・人口減少社会のもとで,社会保障を通じた日本経済の発展の可能性,あるいは日本の経済発展が社会保障を基盤としうる可能性についても論ずる.その際,日本経済全体の分析とともに,コミュニティという視点からも可能なかぎり検討する.

3.これまでの国内外の学問的蓄積のサーベイも重視し,社会保障に関心をもつ広範囲の読者に対して,経済・財政・産業・労働・地域等の視角から正確な知識と視座を与えるように努める.また,シリーズ全体を通して,社会保障に関する分野横断的な経済分析も掲載する.

 このような社会保障と経済についての講座は例がなく,冒頭に述べたような社会状況のなか,社会保障に関心をもつ多くの読者によって迎えられることが期待される.


 編者 宮島 洋・西村周三・京極高宣

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