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政治空間の変容と政策革新【全6巻】

[シリーズ著者]

高橋 進

大串和雄

城山英明

第1巻 政治革新の理論   城山英明・大串和雄 編

市場経済化やグローバル化の進展,科学技術の発展に伴って,政治の世界も大きな変容を見せている.変わりゆく政治のあり方をどのようにして捉えればよいのか.政策革新のメカニズムを明らかにする政策システムという分析枠組を提示し,この課題に挑戦する.

第2巻 国境を越える政策実験・EU   平島健司 編

地域統合の先駆的事例として注目されるEUでは,ヨーロッパ,国家,地方の各レベルにわたり,政治が重層的に展開されている.加盟国とEUとの間で,また多様性と統一との間で,どのように調整が図られているのか.国境を越える政策実験の諸相を描き出す.

第3巻 分権改革の動態   森田 朗・田口一博・金井利之 編

日本の分権改革は,国と自治体の関係および自治体そのもののあり方を問い直している.分権改革によって何が変わり,何が変わらなかったのか.2000年前後を中心とする分権改革の展開を,自治体を取り巻く諸関係の変動の動態として構造的に捉える視座を提供する.

第4巻 政権交代と民主主義   高橋 進・安井宏樹 編

グローバル化等の制約を受けながらも,民主的正当性を担う政権は依然として政治決定の焦点・結節点となる主要な場であり続けている.政権交代はどのような可能性と限界を孕んでいるのか.ヨーロッパを中心とした先進国の実例を素材として分析する.

第5巻 メディアが変える政治   サミュエル・ポプキン,蒲島郁夫,谷口将紀 編

衛星放送やケーブルテレビ,インターネットの発達は,人々の意識のみならず,政治エリートの行動にも影響を及ぼし,時には外交政策さえも変えてしまう.メディアのあり方の変化は,政治のあり方をどのように変化させているのか.日米を中心に検証する.

第6巻 科学技術のポリティクス   城山英明 編

科学技術の発展は多くの政策的課題を生み出している.科学技術の発展はいかなる制度の下でどのような主体の相互作用を通して実現されるのか,また政治は不確実性を伴う科学技術にいかに対応しているのか.科学技術をめぐる政治のダイナミズムを解明する.



刊行にあたって

 政治の世界には,凪の海のように現在が過去の続きであり,また未来も現在の続きとしてやってくるであろうという,安定した時期・時代もあれば,暴風雨に曝された海のように,現在は過去の続きではなく,未来に進むための羅針盤ももはやなく,未来は未知の世界でしかないという,激動の時期・時代も存在する.日本の政界用語でいえば,政局・政変であり,より一般的には危機などと表現される.このような極端なケースであれば,政治の世界はそれなりに過去において様々な状況を経験しており,それなりの経験知も働くであろう.しかし21世紀初頭のいま進行しているものは,安定でも激動でもなく,なにか深部で巨大な変動が起きているのではないか.
 本シリーズは,政治学の各分野を学融合し,新しい方向・アプローチを創成することによって,政治の世界の深部で一体何が起きているのかを探索することを目的とする.2003-2007年度にかけて実施してきた21世紀COEプログラム,「先進国における《政策システム》の創出」(東京大学大学院法学政治学研究科)の研究成果をまとめるものである.
 深部を探索する方法としては,「政策システム」という新しい用語を創出した.「政策システム」とは,深部を探索するための作業仮説であり,様々な深部にボーリングをかけてそこでの「発見」をもとに,作業仮説を修正する作業の連続である.総論にあたる第1巻は,探索した深部の全体像をこれまでの政治空間のダイナミズムとも関連づけて描くことを狙いとしている.さらに,様々な先端的変容を見せるフィールドにボーリングをかけ,理論と実践の双方から深部の多様な側面に迫ることを目指した,EU,地方分権,政権交代,政治とメディア,科学技術に関する巻が続いている.
 深部探索から地表に戻ることになるが,深部探索の成果によって地表の政治の世界がよりよきものになることに寄与できればというのが,我々の希望である.

   編者を代表して  高橋 進



各巻詳細

第1巻 政治革新の理論

 序章 政策革新と政治   城山英明(東京大学)
第I部 政策革新のメカニズム
 第1章 先進国の政治変容と政策革新―政策システム研究の分析視角   城山英明・前田健太郎(マサチューセッツ工科大学)
 第2章 全体と部分―政府間関係と政策システム   森田朗(東京大学)・平島健司(東京大学)・金井利之(東京大学)
 第3章 技術変化と政策革新―フレーミングとネットワークのダイナミズム   城山英明
 第4章 分裂と統合―現代民主主義論と政策システム論   山崎望(駒澤大学)
第II部 環境条件の変容と政策システムの対応
 第5章 ゲートキーパーとリーダーシップ―グローバリゼーションのなかの政策選択のメカニズム   藤原帰一(東京大学)
 第6章 市場と政府―財政投融資制度の転換と金融自由化   田辺国昭(東京大学)
 第7章 市場・地域統合と政官ネットワーク―仏伊地方公共投資をめぐる政策システムの転換  中山洋平(東京大学)
第III部 政党間対立・競争の役割と限界
 第8章 政党と政策革新―政権交代の可能性と限界   谷口将紀(東京大学)・安井宏樹(神戸大学)
 第9章 日本の政党の競争空間の変化―政党再編期の専門家調査(1996~2005年)による分析   加藤淳子(東京大学)・観音悠人(前東京大学)
 第10章 アメリカの政党制―メタ政策システムとして   久保文明(東京大学)


第2巻 国境を越える政策実験・EU

 序章 変化する政体と政策革新のメカニズム   平島健司(東京大学)
第I部 政策形成をめぐるEUと加盟国の関係
 第1章 分権化と再集権化の狭間で―現代化改革後のヨーロッパ競争政策   伊藤武(専修大学)
 第2章 「社会モデル」言説の定着とその制度的基盤―EUレベル専門家ネットワークの機能   網谷龍介(明治学院大学)
 第3章 統合か政府間協力か―移民・難民政策のダイナミズム   佐藤俊輔(東京大学)
 第4章 政策の領域化と調整―都市政策システムのヨーロッパ化   若松邦弘(東京外国語大学)
第II部 多様性のなかの統一を支える政策システム
 第5章 EUのインフォーマル政策システム   小川有美(立教大学)
 第6章 EUにおける政治的時間―東方拡大のガバナンス   クラウス・ゲッツ(ポツダム大学)
 終章 政策革新と民主的正統性   平島健司


第3巻 分権改革の動態

 序章 分権改革と政策システム研究   森田朗(東京大学)・田口一博(前東京大学)・金井利之(東京大学)
第I部 分権改革の進展と限界
 第1章 国による「上から」の分権改革―コア・エグゼクティブの変動と「併発型」改革の展開   伊藤正次(首都大学東京)
 第2章 比較の中の国地方係争処理制度―韓国・日本における係争処理政策システムの成立   李相鎮(駐日本韓国大使館)・島村健(神戸大学)
 第3章 「国と地方の協議の場」の成立と蹉跌―自治体の国政参加   金井利之
 第4章 国による「上から」の自治体統制の持続と変容―国庫補助負担金制度改革と自治体統制   谷本有美子(東京大学)
第II部 分権時代の自治体の変容と持続
 第5章 自治体間の横の連携   田口一博
 第6章 自治基本条例と住民自治   岩橋健定(弁護士)
 第7章 土地利用規制と自治体の法的主体性―アメリカ自治体との比較による一考察   寺尾美子(東京大学)
 第8章 分権社会の基盤としての人的資源   大矢野修(龍谷大学)
 第9章 自治体議会議員とその周辺の変動   田口一博
 終章 分権改革の展望   田口一博・金井利之


第4巻 政権交代と民主主義

 序章 はじめに   高橋進(東京大学)
第I部 民主政の定着と政権交代
 第1章 フランス・ミッテラン社会党政権の成立―逆説の政治的革新   吉田徹(北海道大学)
 第2章 ドイツ・ブラント政権の成立―権力の相対化と社会の民主化   安井宏樹(神戸大学)
第II部 新しいデモクラシーと政権交代
 第3章 イタリア・プローディ政権の成立と崩壊―憲法制度改革と社会経済改革をめぐる変容   伊藤武(専修大学)
 第4章 イギリス・ブレア政権の成立―再編期の党内改革と「ゆるやかな革新」   今井貴子(東京大学)
 第5章 オランダ・紫連合政権からバルケネンデ政権へ―政権交代の「出現」と政策革新   水島治郎(千葉大学)
 終章 政権交代の政治学―一つの試論   高橋進


第5巻 メディアが変える政治

 序章 メディアが変える政治   サミュエル・ポプキン(カリフォルニア大学),蒲島郁夫(前東京大学),谷口将紀(東京大学)
第I部 メディアと政治の一般的変化
 第1章 変わるメディア,変わる政治   サミュエル・ポプキン
 第2章 売れるニュース―メディア競争とニュースの内容   ジェームス・ハミルトン(デューク大学)
 第3章 ソフトニュースと外交―視聴者の拡大と政策の変化   マシュー・バウム(カリフォルニア大学)
第II部 日本をめぐるメディアと政治の変化
 第4章 日本における変わるメディア,変わる政治―選挙・政策・政党   谷口将紀
 第5章 小泉政権とマスメディア   蒲島郁夫,ジル・スティール(東京大学)
 第6章 日本におけるインターネット政治―国会議員ウェブサイトを事例として   上ノ原秀晃(東京大学)
 第7章 変わるメディア,変わる外交政策―中国の場合   スーザン・シャーク(カリフォルニア大学)
 第8章 日中摩擦をめぐるメディアのポートフォリオ   外岡秀俊(朝日新聞)


第6巻 科学技術のポリティクス

 序章 科学技術と政治   城山英明(東京大学)
第I部 科学技術の制度分析
 第1章 巨大科学技術の政策システム―高速増殖炉と国際宇宙ステーションを中心に   城山英明・鈴木達治郎(東京大学)
 第2章 東京圏における都市交通政策システムの成立―地下鉄の本格導入をめぐって   白取耕一郎(東京大学)・加藤浩徳(東京大学)・城山英明
 第3章 医療技術・制度をめぐる政策システム―診療報酬制度の運営と改革   畑中綾子(東京大学)
第II部 フレーミングと課題設定
 第4章 リスクの社会的フレーミング―耐震偽装事件を例に   神里達博(東京大学)
 第5章 リスク社会における不安訴訟の役割と課題―残留農薬訴訟と遺伝子組換えイネ訴訟を例に   中島貴子(前東京大学)
 第6章 行政における業務改革とIT   奥村裕一(東京大学)・城山英明
第III部 専門家と国際政治
 第7章 食品の安全性をめぐる国際合意のダイナミクス―遺伝子組換え食品の事例   松尾真紀子(東京大学)
 第8章 核と原子力の国際政策システム―科学者コミュニティの役割   鈴木達治郎
 第9章 情報通信分野の国際標準化をめぐる相剋―「国際政治の文脈」と「技術の視点」を中心に   石黒一憲(東京大学)

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