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公共哲学【第3期 全5巻】

※公共哲学シリーズは全3期20巻から構成されています.第1期第2期の紹介ページもぜひご覧ください.

第16巻 宗教から考える公共性  稲垣久和・金泰昌 編

私事化するとみられていた宗教が,文明の衝突の原因とも言われるほどグローバルな場面に登場している.果たして異なる宗教間の理解は可能なのか,公共宗教は可能なのか.本巻は,キリスト教,イスラーム教,神道,仏教などを取り上げ,私と公そして公共の世界における宗教の意味を探る.

第17巻 知識人から考える公共性  平石直昭・金泰昌 編

公共世界の形成において知識人はいかなる役割を果たしてきたのか,また何を果たせるのか.本巻は,日本,中国,朝鮮三国の近代以降の知識人を取り上げ,それぞれの時代と地域において彼らが構想した世界像を検討し,その現代東アジアに及ぼす意味を考察する.

第18巻 組織・経営から考える公共性  山脇直司・金泰昌 編

既存の組織のあり方を問い直しつつ,人間にとって望ましい公共世界を創出するために必要な組織作りや経営(マネージメント)をいかに行っていくか.本巻は,地方自治体やNGOを含めた組織・経営,そして会計について考究する.

第19巻 健康・医療から考える公共性  市野川容孝・金泰昌 編

人間(患者)と人間(医療者)との相互行為でありコミュニケーションである医療をどのように考えるべきか.対称的でない知識・技術の持ち主である両者を前提としてどのようなコミュニケーションが可能か.本巻は,医療・健康を公共性とのかかわりで考察する.

第20巻 世代間関係から考える公共性  鈴村興太郎・宇佐美誠・金泰昌 編

環境問題や生殖医療において現在世代は将来世代にどのような責任を負っているのか.年金や就業機会をめぐる世代間格差をどのように調整し,教育や社会運動での世代継承をどう構想できるのか.本巻は,世代間関係の諸相を公共性との関連で考察する.



第3期刊行にあたって

 2001年から04年にかけて刊行された第1期全10巻および第2期全5巻に引き続き第3期全5巻を刊行する.公共哲学共同研究会を継承した公共哲学京都フォーラム(京都フォーラム・公共哲学共働研究所主催)での会議を基に,今期刊行されるテーマは,「宗教」「知識人」「組織」「医療」「世代間関係」である.

第1期の編集にあたって留意されたのは,以下の点であった.

  1. 公共性を,個を殺して公に仕える「滅私奉公」のような見方ではなく,個が私を活かして公を開く「活私開公」という見方でとらえる.
  2. 従来の「公」と「私」という二元論ではなく,「公」と「私」を媒介する論理として公共性を考える.
  3. 公共性の担い手について,国家が独占するという観点よりは,市民や中間団体の役割を重視するという観点から論議を進める.
  4. グローカル(グローバルかつローカル)なレベルでの公共性について積極的に考察する.

第2期および今回の第3期では,現場との対話を重視し,これらの点をより深化・発展させる方向で編集される.  たとえば,今日起こっている様々な社会的問題に関連し,改めて「お上や政府の公(オフィシャル)」と「民(市民,国民,住民などの総称)の公共(パブリック・コモン)」との関係が争点となっているが,今回のシリーズでは,より鮮明に「政府の公」と「民の公共」と「私」の三領域が区別されつつ,議論されるような内容構成となっていること.  また,民を形成する個人の「生活世界」と「制度世界」を媒介する視点として「公共世界」をとらえようとする視点が,前面に打ち出されていること.グローカルに加えて,グローナカル(グローバル×ナショナル×ローカル)な三次元相関的思考発展もはかる.  そして,このような「私・公・公共」や「生活世界・制度世界・公共世界」の相関的三元論とは異なる論者の意見も含め,様々な考え方を尊重して,自由闊達な討論を心がけたこと.  したがって,公共性をめぐる議論についての考え方は,一般読者に開かれていること.  以上のような観点から,五つのテーマに関して第一線の論者が対話を繰り広げる本シリーズは,現代社会の最先端を行く議論として,混迷する学問の世界に風穴をあけ,国際社会にも発信しうる多くの刺激を読者に提供するであろう.

各巻詳細

第16巻 宗教から考える公共性

はじめに:公共宗教の可能性を求めて 稲垣久和
発題I 宗教の変容と個人 島薗進(東京大学)
発題II 現代社会と神道 安蘇谷正彦(国学院大学)
発題III 宗教と政治, アメリカの市民宗教 稲垣久和
発題IV 宗教間対話の基本条件と実現課題 金泰昌
[総合討論] コーディネーター: 稲垣久和
発題V カトリックと公共世界 高柳俊一(上智大学名誉教授)
発題VI 新渡戸稲造における「私と公と公共」湊晶子(東京女子大学)
発題VII イスラームと公共世界 小杉泰(京都大学)・澤江史子(学術振興会特別研究員)
発題VIII 新井奥邃の宗教思想と公共 ダニエル・コール(福岡女学院大学)
発題IX 仏教と公共性 日蓮思想の場合 松岡幹夫(東洋哲学研究所研究員)
発題X 宗教的寛容をめぐって ジャーナリストの見た宗教と公共性 菅原伸郎(東京医療保健大学)
[発展協議I] コーディネーター: 金泰昌
[発展協議II] コーディネーター:金泰昌
特論I  自我か無我(滅私奉公?)か 近代日本百年の葛藤について 岡野守也(サングラハ心理学研究所主管)
特論II  韓国キリスト教会における公共信仰と私的信仰  金敬宰(韓神大学)
おわりに 金泰昌

第17巻 知識人から考える公共性

はじめに 平石直昭(東京大学)
発題I 幕末維新期:横井小楠と福沢諭吉 平石直昭
発題II 清末民初:康有為 村田雄二郎(東京大学)
発題III 李朝末期:兪吉濬と金允植 金鳳珍(北九州市立大学)
[総合討論I] コーディネーター: 金泰昌
発題IV 近代日本:南原繁と長谷川如是閑 A.バーシェイ(カリフォルニア大学バークレー校)
発題V 現代日本:石牟礼道子 伊藤洋典(熊本大学)
[総合討論II] コーディネーター: 金泰昌
発題VI 宮沢賢治と四次元的修羅協働態:修羅的言語の披く地平 宮本久雄(東京大学)
[発展協議] コーディネーター: 金泰昌
特論I 自由民権運動と公共世界 米原謙(大阪大学)
特論II 「公共(する)知識人」としての田中正造 小松裕(熊本大学)
特論III 李光洙・申采浩における植民地の公共知 趙寛子(中央大学)
おわりに 金泰昌

第18巻 組織・経営から考える公共性

はじめに 山脇直司
発題I 公共経営の時代の公共性とは 片岡寛光(早稲田大学)
発題II グローバリゼーション時代の公共性と国際NGOの役割 目加田説子(経済産業研究所)
発題III 過労死・過労自殺と公共性 川人 博(弁護士)
[総合討論I] コーディネーター: 山脇直司
発題IV ビジネス倫理学と公共性 梅津光弘(慶應義塾大学)
発題V 近代における組織と公共性 佐藤俊樹(東京大学)
発題VI 組織の公共性 北川正恭(早稲田大学)
[総合討論II] コーディネーター: 今田高俊 (東京工業大学)
発題VII 活私開公型のキャリア発達とリーダーシップ開発 金井壽宏(神戸大学)
発題VIII 活私開公のエシックス 山脇直司
[発展協議I] コーディネーター: 金泰昌
[発展協議II] コーディネーター: 金泰昌
発題IX 企業の社会的責任と公共性 谷本寛治(一橋大学)
発題X 会計と公共性 桜内文城(新潟大学)
[総合討論IV] コーディネーター: 金泰昌
[発展協議III] コーディネーター: 金泰昌
おわりに 金泰昌

第19巻 健康・医療から考える公共性

はじめに 市野川容孝
発題I 健康と医療と福祉 その社会的側面 市野川容孝
発題II 健康と福祉における専門家支配論 進藤雄三(大阪市立大学)
発題III 看護学から見た医療の公共性 川島みどり(健和会臨床医学研究所)
[総合討論I] コーディネーター: 山脇直司
発題IV ケアの公共哲学 宗教社会学の観点から 大村英昭(関西学院大学)
発題V 漢方医学からみる健康と公共性 丁宗鐵(東亜医学協会)
発題VI 医療の質と公共性 林成之(日本大学)
[総合討論II] コーディネーター: 市野川容孝
発題VII 医療・福祉政策と公共性 広井良典(千葉大学)
発題VIII 人間の健康と社会の健康 河瀬斌(慶應義塾大学)
[発展協議I] コーディネーター: 金泰昌
[発展協議II] コーディネーター: 金泰昌
発題IX 医療と公共性 一市民の立場から 柳田邦男(作家)
おわりに 金泰昌

第20巻 世代間関係から考える公共性

はじめに 鈴村興太郎・宇佐美誠
発題I 世代間の連結環と公共《善》の情報的基礎 鈴村興太郎(一橋大学)
発題II 共通善・私的善・公共善 長谷川晃(北海道大学)
発題III 将来世代をめぐる政策と自我 宇佐美誠(東京工業大学)
発題IV 生殖医療における親の自己決定と子の福祉 水野紀子(東北大学)
[総合討論I] コーディネーター: 黒住真(東京大学)
発題V 年金における世代間公平 井堀利宏(東京大学)
発題VI 紙一重の世代間就業問題 玄田有史(東京大学)
発題VII ケアとジェネラティヴィティから見た福祉 今田高俊(東京工業大学)
発題VIII ジェネラティヴィティと世代継承的公共性 田中毎実(京都大学)
[総合討論II] コーディネーター: 鈴村興太郎
発題IX 平和運動をめぐる世代間対話 小林正弥(千葉大学)
[総合討論III] コーディネーター: 山脇直司(東京大学)
[発展協議I] コーディネーター: 金泰昌
[発展協議II] コーディネーター: 金泰昌
おわりに 金泰昌

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