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非線形・非平衡現象の数理【全4巻】

[シリーズ著者]

三村昌泰 監修

第1巻 リズム現象の世界  蔵本由紀 編

脳,サーカディアン・リズム,BZ反応,電気振動――きわめて広い分野に現れ,生命活動にとっても重要であるリズム現象.これら個々の現象を物理学的視点から横断的にとらえ,対象の物質的違いを超えた普遍性を数理的考察によって記述するための方法論について解説する.

第2巻 生物にみられるパターンとその起源  松下 貢 編

生物の模様はいかにして決まるのか? そしてどのように形づくられるのか? 生物系のパターン形成に関する研究は,数理の視点から行うモデル解析法により,近年著しく進展し,さらなる数理生物学の発展が期待されている.その数理的方法について,いくつかの事例をあげ解説する.

第3巻 爆発と凝集  柳田英二 編

時間的な振動,自律的な空間パターンの発生,進行波の伝播や相互作用など,化学反応,燃焼,発生生物学における形態形成の過程ではさまざまな興味深い現象が観測される.これらの現象を解明する重要な鍵となる解の爆発や凝集などの数理について,その基礎から解説する.

第4巻 パターン形成とダイナミクス  三村昌泰 編

自己複製,自己増殖,細胞分化,形態形成など,非線形・非平衡現象に現れるさまざまなパターン.自己触媒反応系,発熱反応系,微少重力場における燃焼などを例に,反応拡散系における単純なパターンから複雑なパターンへと移りゆく遷移ダイナミクスの解析について解説する.



刊行にあたって

 この半世紀の間に,私たちはひとつの大きなパラダイムの転換を経験した.それは,物理的な言葉を借りて表現すれば,平衡系の熱力学という静的な自然観から,非平衡系の熱力学,とりわけ非線形・非平衡系を基盤とする動的な自然観への大きな転換である.生命現象をはじめとする自然界のさまざまな営みを理解するうえで,非線形・非平衡系というキーワードを欠かすことはできない.自律的なリズムの発生,自己組織的に形成されるパターンや形態,爆発・凝縮といった特異性などがその舞台の主役となっている.このような現象には真の非線形性が本質的な要因となっており,その解明なくして現象を理解することができないことは自明である.
 このような非線形現象は数学や物理学,そして,化学,生物学,工学など自然科学のさまざまな分野に現れ,現在,「非線形」という言葉は馴染みのある言葉となっている.しかしながら,非線形現象を「非平衡系の数理」という視点からとらえた書はいまだ登場していない.その理由は,既存の個々の分野だけから接近するにはあまりにも大きいテーマであったからであろう.
 しかしながら,計算機の急速な発展によって,近年,非線形・非平衡現象に関する研究が世界的に大きく進展した.コンピュータを用いた数値的研究と数学的理論研究を同時にかつ相補的観点から遂行できるようになったためである.
 このような状況のなかで,今こそ,非線形・非平衡現象の数理科学的方法論の新たな展開について多くの人たちに示したい,という思いから本シリーズを企画した.各巻には,非線形・非平衡現象を理解するうえで重要となるテーマを設定している.執筆者はこれまであった既存の分野の枠を超えた学際的な視点からこの問題に取り組んできた経験をもつ者ばかりであり,いろいろな角度から個々の現象に迫っている.
 本シリーズによって,自然科学のさまざまな分野に現れる非線形・非平衡現象の数理的理解に関心をもつたくさんの人たちとの間に新しい対話が生まれ,さらなる展開をもたらすことができれば,このうえない喜びである.
三村昌泰

各巻詳細

第1巻 リズム現象の世界

第1章 化学・生物の世界のリズム  北畑裕之(京都大学)・吉川研一(京都大学)
第2章 生命におけるリズムと確率共鳴  甲斐昌一(九州大学)
第3章 リズムと感覚運動制御  沢田康次(東北工業大学)・石田文彦(電気通信大学)
第4章 リズム現象と位相ダイナミクス  蔵本由紀(北海道大学)
第5章 カオス的リズムの同期・非同期現象とその数理  藤坂博一(京都大学)

第2巻 生物にみられるパターンとその起源

第1章 バクテリアコロニーの多様性  松下 貢(中央大学)・三村昌泰(明治大学)
第2章 蝶の翅のパターンと進化 実験と数理モデル  関村利朗(中部大学)
第3章 生物の表面パターンと数理モデル  望月敦史(基礎生物学研究所)
第4章 生物の形づくり  本多久夫(兵庫大学)

第3巻 爆発と凝集

第1章 非線形熱方程式の解の爆発  柳田英二(東北大学)
第2章 反応拡散系に現れる点凝集現象  高木 泉(東北大学)
第3章 走行性モデルにおける集中現象  永井敏隆(広島大学)
第4章 重力崩壊における臨界現象  原 隆(九州大学)・古池達彦(慶応大学)

第4巻 パターン形成とダイナミクス

第1章 反応拡散方程式の誘い  三村昌泰(明治大学)
第2章 自己触媒系に現れる自己複製パターンと時空カオス
     西浦廉政(北海道大学)・上山大信(広島大学)
第3章 発熱反応拡散方程式のパターンダイナミクス
     長山雅晴(金沢大学)・三村昌泰(明治大学)
第4章 縮約理論  栄伸一郎(九州大学)

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