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国際政治講座【全4巻】

[シリーズ著者]

藤原帰一

李鍾元

古城佳子

石田淳

未刊 第1巻 国家と国際秩序

国際政治にも秩序は存在するのだろうか.いつ,どのように国際秩序はつくられ,どのような条件の下で壊れてしまうのか.主権国家によって平和が支えられるのか,それとも主権国家こそが戦争によって秩序を壊すのか.国際秩序の生成と意味を,歴史を遡って考える.

未刊 第2巻 アイデンティティとイデオロギー

国際政治は領土,資源や市場ばかりでなく,異なる理念やアイデンティティの衝突する空間でもある.それでは,国際関係で争われる理念やイデオロギーとは何か.ナショナリズム,デモクラシー,宗教など,アイデンティティや政治理念に注目して国際関係を考える.

第3巻 経済のグローバル化と国際政治

経済のグローバル化とは何か.増大する経済の相互依存関係は国際政治を変えてきたのか.変えてきたのであれば,それはどのようにしてか.国際制度,国際交渉,開発援助,地域主義,民主化を検討することにより,国際政治と経済の関係を問い直す.

第4巻 国際秩序の変動

個別国家による自律的な意思決定の相互承認という基礎の上に成り立つとされてきた国際秩序は,どのような変容を迫られているのか.グローバル化,自由主義的規範,兵器体系,内戦,地球環境問題,民主主義をテーマに,国際秩序変動の歴史を説明するとともに,その将来を展望する.



刊行にあたって

 国際政治に関する講座はすでに何度か刊行されている.それでは,改めて新たに編集する意味はどこにあるのか.
 国際政治学の対象は,政治学の諸分野のなかでも並はずれて広大である.これだけ広汎な領域を対象とするために,国際政治の分析は,かえって学説紹介の集積,前提条件を取り除いた著者の結論の列挙に傾く危険をはらんでいる.
 では,どうすればいいのか.他の諸学と同様に,国際政治学においても,研究の出発点は現実を前にした驚きである.その驚きから始まって,なぜこんなことが起こるのかと問いかけ,問いに向かい合う過程こそが,学説の集積や主観の表白を越えた,生き生きとした思惟を生み出すことになる.
 この講座では,何をどう考えるかという出発点に立ち戻って国際政治の基本問題を考察する論考を集めている.幸いなことに,国際政治,並びに国際政治と近接する領域ですぐれた論考を発表してきた第一線の研究者の協力を得て,オリジナルな問いに答える独創性の高い論考をご寄稿していただくことができた.
 長く読まれることに耐える文章を集めることもこの講座の目的である.状況の変化がめまぐるしく,その変化への対応を学者が迫られるために,国際政治の業績が五年以上の生命を保つことは少ない.とはいえ,たとえば,国境を越えた商取引は戦争の可能性を減らすものなのか,国内世論の投影は合理的な外交政策を妨げてしまうのか,そんな疑問は,日々の変化を越えて国際政治の動向を貫くものだろう.
 編集に当たって,問いに答えるというこの講座の基本方針に基づいて,地域・年代・政策領域ではなく,主題によって各巻を構成することを試みた.読者は,それぞれの巻が,国際秩序における国家の意味,アイデンティティや理念をめぐる葛藤と国際関係の関わり,「グローバル化」という捉えがたい言葉で一括されることの多い国際経済の変化と国際政治の交錯,さらに国際秩序の変動をどう捉えるかなど,いずれも重要な,しかし一筋縄ではゆかない問いから始まっていることに気づくだろう.
 もとより国際政治の研究はつねに現在進行形である.この講座が国際政治学の到達点を示すものになるはずもない.だが,基本的な問いに立ち返り,それに取り組むという作業を通して,次の世代の学術研究への示唆を与えることも可能となるだろう.この講座がそのような展望を開く一助となれば幸いである.
編者一同

各巻詳細

第1巻 国家と国際秩序

第1章 帝国と覇権(李鍾元・立教大学)
第2章 主権国家と国際秩序―歴史的展開と現在(中西寛・京都大学)
第3章 新しい戦争―国際紛争の政治構造(藤原帰一・東京大学)
第4章 ガバナンスとしての冷戦―変容のダイナミズムと冷戦後(田中孝彦・一橋大学)
第5章 国際政治における地域―東アジア地域形成をどう考えるか(白石隆・京都大学)
第6章 秩序と規範(最上敏樹・国際基督教大学)

第2巻 アイデンティティとイデオロギー

第1章 政府の資格―国際政治におけるメンバーシップ(藤原帰一・東京大学)
第2章 エスニシティと領域的紛争(月村太郎・神戸大学)
第3章 コスモポリタニズムの行方(川出良枝・東京都立大学)
第4章 宗教現象と国際政治(鈴木規夫・愛知大学)
第5章 ジェンダーと国際政治(竹中千春・明治学院大学)
第6章 アメリカニズムと世界(古矢旬・北海道大学)

第3巻 経済のグローバル化と国際政治

第1章 経済のグローバル化と国際制度―日本との係わり合いを中心に(飯田敬輔・青山学院大学)
第2章 資本移動の増大と国際政治の変容―バーゼル合意に見る国際制度形成(古城佳子・東京大学)
第3章 国際経済交渉と政策選好―アジア金融危機を事例に(樋渡展洋・東京大学)
第4章 国際開発援助体制とグローバル化―構造調整/貧困削減戦略レジームの展開(稲田十一・専修大学)
第5章 「競争国家」の論理と経済地域主義(菊池努・青山学院大学)
第6章 経済的自由化と政治的民主化(木宮正史・東京大学)

第4巻 国際秩序の変動

第1章 グローバル化と国際秩序(田所昌幸・慶應義塾大学)
第2章 国際政治における規範の機能と構造変動―自由主義の隘路(遠藤誠治・成蹊大学)
第3章 大量破壊兵器,RMA,国際秩序(梅本哲也・静岡県立大学)
第4章 内政干渉の国際政治学―冷戦終結と内戦(石田淳・東京大学)
第5章 地球環境領域における国際秩序の構築―選好形成における知識の役割(山田高敬・東京都立大学)
第6章 民主主義と国際秩序(大芝亮・一橋大学)

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