日本の地形【全7巻】

内容紹介
著者紹介

1 総説  米倉伸之・貝塚爽平・野上道男・鎮西清高編

2 北海道  小疇尚・野上道男・小野有五・平川一臣編

3 東北  小池一之・田村俊和・鎮西清高・宮城豊彦編

4 関東・伊豆小笠原  貝塚爽平・小池一之・遠藤邦彦・山崎晴雄・鈴木毅彦編

5 中部  町田洋・松田時彦・海津正倫・小泉武栄編

6 近畿・中国・四国  太田陽子・成瀬敏郎・田中眞吾・岡田篤正編

7 九州・南西諸島  町田洋・太田陽子・河名俊男・森脇広・長岡信治編



刊行にあたって

 21世紀がはじまろうとするいま、地球環境と人類の将来が深刻な問題になっています。このときにあたり、20世紀のはじめに開始され、100年を経過した日本の地形の調査・研究を総括して、環境の基盤をなす地形の性状と生い立ちを7巻の地形誌として刊行することになりました。
 地形は地球表面そのものの形態であり、人間活動の舞台です。それは、地球表面での多種・多様な自然のはたらきと人間の土地改変の歴史の現在にいたる最終生成物としてひろがっています。そして、日本列島の地形はきわめて変化に富むことで知られ、それが美しい風景の土台をつくっています。
 私たちは、自然史と人間活動が刻まれている日本の地形の姿とその形成過程、すなわち地形発達史をこの列島に住む多くの人びとに知っていただき、これからの地形環境の保全・創成や防災や土地利用に、また風景にひそむ歴史を読むのにも役立ててほしいと願ってこのシリーズを企画しました。
 このような意図で編まれた本シリーズでは、専門用語はなるべく少なくし、わかりやすい記載を心がけ、新たに製作した図表を多く載せ、読者の便宜のために注記を付しました。第1巻「総説」では日本列島と周辺海底の地形を概観し、その形成にいたった諸条件を述べ、山地・火山・丘陵・平野・海底それぞれの特質を明らかにします。第2巻から第7巻までの6巻は地方誌として、それぞれの地域の地形に焦点をあて、特徴と生い立ちをその形成にいたった諸条件・諸作用とともに記します。
 本シリーズの刊行計画は、1992年に9名の全巻編集委員によってはじめられ、93年には各巻の編集委員会が発足し、執筆の依頼も進みました。それ以来、日本全土の地形とその研究を総ざらいし、かつこれまで欠けていた研究も加えられました。また、1990年代になって国土地理院によって作成された全国の標高数値データを使って各種の地形計測や地形図化を行い、新しい知見も得てきました。各巻にはそのような最新の情報も盛り込まれています。
 本シリーズの刊行にあたっては、多くの先人や諸機関の調査・研究に基づく多数の図表を引用させていただきました。また、地図や数値データの利用については国土地理院や海上保安庁水路部に負うていることを記し、あわせて謝意を表します。また、このシリーズの刊行には、東京大学出版会が、その創立50周年記念事業の一環としてとくにご尽力くださったことを記し、深く謝意を表します。  

全巻編集委員一同

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