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社会科学の理論とモデル【全12巻】

[シリーズ著者]

小林良彰 編集代表

東京大学出版会50周年記念出版
 非市場的決定に関する経済学的研究からスタートした公共選択論(Public Choice)は,その分析対象をひろげると同時に,政治学,国際関係学,法学,社会学,哲学等々の分野にも浸透している.また,さまざまな社会的現象および社会的規範をあつかう社会的選択理論(Social Choice)も大きく発展している.この公共選択論・社会的選択理論は,理論志向およびモデル志向が強いところに特徴があるが,それは数理的手法・思考を背景にしていること,また社会科学諸分野の研究の共通言語となることをめざしていることによる.
 本企画は,これらの発展をうけ,社会科学のいくつかの主要なテーマを対象とした,教科書・準教科書のシリーズである.社会科学研究がより一層専門主義化するなかで,社会科学の内部整合的な連関の契機となること,そして社会科学の研究と教育に資することが本シリーズのねらいである.

本シリーズの特色
・日本で初めてのシリーズ
・1人1冊の書き下ろし
・豊富なデータに基づく記述
・テキストとしても最適

1 選挙・投票行動  小林良彰

2 国際関係  鈴木基史

3 権力  盛山和夫

4 決定  宇佐美誠

5 コミュニケーション  池田謙一

6 集団・組織  森脇俊雅

7 法律  太田勝造

8 官僚  真渕 勝

9 行政・地方自治  秋月謙吾

10 社会契約  飯島昇藏

11 比較政治  小野耕二

12 制度  河野 勝



刊行の言葉

 「社会科学の理論とモデル」は,経済学,法律学,政治学,社会学などのさまざまな社会科学における理論とモデルについて整理,紹介し,さらに議論を深めることを狙いとしたシリーズとして,日本で初めて刊行されるものである.
 本シリーズは,社会科学が書き直されるための基礎を提供することを願って企画された.これまでの社会科学は,各専門分野ごとに別々の「言語」で語り,異なる説明をしてきた.同じ人間の行為であるのにもかかわらず,経済的行動をしている場合と,法律的あるいは政治的行動,さらに社会的行動をしている場合とで,「共通する要素がない」と仮定することには問題がある.
 我々が行うべきは,すべての社会科学に「共通した言語」を手に入れることである.本シリーズでは,公共選択論をはじめとする数理モデルを対象とするのみならず,計量モデルを加えることによって,この目的を達成しようとしている.
 まず公共選択論は,人間行動を数理的に洞察し,内的整合性をもった理論を構築するという理論志向を分析の主眼としている.そして,方法論的個人主義の立場から,理論化の基礎に独立した不変的性格をもつ個人を想定し,社会はそのような個人から成り立つと捉え,個人あるいは集団の行動についての命題を導き出している.一方,そこから生まれる数理モデルは,一歩間違うと机上の議論に陥る恐れがある.そこで,計量分析から生じた理論やモデルを数理的に一般化した理論やモデルに置き換え,さらにその数理的な理論やモデルに従って計量分析の分析枠組を設定して検証するという,相互補完関係を必要とする.これらの相互の手続きを踏まえることによって,社会科学の共通言語を手中におさめることができるのである.
 本シリーズが,読者にとって,社会科学の理論とモデルの成果を学び,課題を発見し,さらに,新しいオリジナリティのある理論とモデルを構築する一助となれば,幸いである.

編者  小林 良彰

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