カリキュラム・イノベーション (冊子版)

新しい学びの創造へ向けて

冊子版 電子書籍
著者
東京大学教育学部カリキュラム・イノベーション研究会
ジャンル
人文科学  > 教育
発売日
2015/10/30
ISBN
978-4-13-051331-9
判型・ページ数
A5 ・ 304ページ
定価
3,740円(本体3,400円+税)
在庫
在庫あり
内容紹介
目次
著者紹介
少子化、価値観の変容、産業構造の激変のなかで、次の学習指導要領が策定される。「学校で何を学ぶか」という問いが根本から見直される現在、東京大学教育学部のスタッフが、附属学校の現場と対話しながら、ことば、科学的思考の学びはもちろん、心理、政治、バリアフリーなど現代のイシューも含めて提案する。
序章 なぜカリキュラム・イノベーションか(小玉重夫)

第I部 カリキュラム・イノベーションの原理
 1章 21世紀型の学校カリキュラムの構造――イノベーションの様相(佐藤 学)
  1.はじめに――問題の構図
  2.21世紀型の学校教育
  3.イノベーションとしての改革
  4.アジア諸国における学校教育のイノベーション
  5.課題と展望
 2章 カリキュラムの社会的意義(レリバンス)(本田由紀)
  1.カリキュラムの社会的意義とは何か
  2.カリキュラムの社会的意義が求められる背景
  3.日本固有の文脈
  4.カリキュラムの社会的意義を追究するうえでの条件
 3章 「社会に生きる学力」の系譜(市川伸一)
  1.教科学力とその機能
  2.1990年代の学力論の諸相
  3.「学びの文脈」と「開かれた学び」
  4.学力低下論争と「第3の道」
  5.社会生活を見通した学習・教育
  6.「社会に生きる学力」に向けて

第II部 基幹学習
 4章 言語力としてのメタ文法能力の育成(秋田喜代美)
  1.21世紀型カリキュラムとしてのメタ文法能力育成
  2.メタ文法授業とカリキュラムの実際
  3.メタ文法授業の効果
 5章 リテラシーをどう育むか――日本の子どもの数学的リテラシーの現状を手がかりに(藤村宣之)
  1.日本の子どものリテラシー・学力の現状
  2.「できる学力」と「わかる学力」の様相
  3.国際比較調査問題の心理学的分析
  4.子どもの発達を生かし,促すカリキュラムにむけて
 6章 探究学習のあり方と学校図書館(根本 彰)
  1.学習と学校図書館
  2.学校図書館についての2つの考え方
  3.国際学力調査と探究学習
  4.探究学習の課題
  東京大学附属中等教育学校における探究学習と学校図書館
 7章 社会に生きる学び方とその支援(市川伸一・植阪友理)
  1.学校での学習を社会に生かすには
  2.理解を重視した学習観と学習方略
  3.教科指導の中でメタ学習を促すには
  4.教科の授業に埋め込まれたメタ学習の実践
  5.中等教育におけるメタ学習カリキュラム試案と今後の課題

第III部 生き方の学習
 8章 存在論的に呼応する――子どものための哲学教育(田中智志)
  1.哲学教育の提案
  2.存在論という思考
  3.存在論的な呼応
  4.自然環境を享受する
  5.よりよく生きるために
  哲学教育はいかにして実現可能か
 9章 カリキュラム・ポリティクスと社会(金森 修)
  1.社会対応論と学問対応論
  2.複数の,可能的な生や社会を垣間見る
 10章 うつ予防プログラムの開発(堤 亜美,下山晴彦)
  1.学校における心理教育授業の必要性
  2.心理教育のテーマと子どものうつ
  3.うつを予防する心理教育授業の開発と実践
  4.うつ予防プログラムのさらなる展開
 11章 ライフキャリア教育プログラムの開発――「ライフキャリア・レジリエンス」を高めるために(高橋美保)
  1.キャリア教育とはなにか
  2.キャリア教育についての議論
  3.「中高生版ライフキャリア・レジリエンス尺度」の開発
  4.ライフキャリア教育プログラムの開発と実践研究
  5.教育現場への導入
  6.ライフキャリア・レジリエンス教育の可能性

第IV部 社会参加の学習
 12章 シティズンシップ教育のカリキュラム(小玉重夫)
  1.シティズンシップ教育とは何か
  2.シティズンシップ教育グループの活動
  3.論争的問題の教育
  4.政治的リテラシーと論争的問題の教育
  5.越境する市民を育てる
  6.シティズンシップ教育のカリキュラム開発へ向けて――「考える市民」の方へ

 13章 正義とケアの編み直し――脱中心化と脱集計化に向かって(川本隆史)
  はじめに――主題とアプローチの設定
  1.社会倫理の「定義域」を拡げる
  2.名詞(ケア)を動名詞(ケアリング)に変換する――ギリガンからノディングズへ
  3.ケアと正義の連携・接続を見極める――ノディングズから再びロールズへ
  おわりに――《脱中心化》と〈脱集計化〉の手法
 14章 社会における学びと身体性――市民性への問い返し/社会教育の視点から(牧野 篤)
  1.自己実現の自由と学校――「問い」を問い返す
  2.身体性を否定する社会――問い返しの無効化
  3.身体性の再生へ――分配・所有から生成・表現へ
  コミュニティへと展開する学校――隠岐島前高校魅力化プロジェクトのとりくみ
 15章 職業的意義のある教育とその効果(本田由紀)
  1.「職業的意義」のある教育とは
  2.なぜ「職業的意義」のある教育が必要か――労働市場の現状と「キャリア教育」の問題点
  3.「職業的意義」のある教育の設計
  4.授業の有効性
  5.まとめと今後の課題
 16章 バリアフリー教育とは何か(白石さや)
  1.はじめに
  2.特別支援教育とバリアフリー教育
  3.バリア研究とバリアフリー教育
  4.障害と社会
  5.熱意ある関与・コミュニケーション・創造性・共同性
  おわりに
 17章 バリアフリー教育を授業に取り入れる(星加良司)
  1.バリアフリー教育が直面する課題
  2.既存の「障害理解」の限界と新たな理念
  3.「共生社会を生きる力」をはぐくむ授業実践I――「ザ・ジャッジ!――迷惑なのは誰?」
  4.「共生社会を生きる力」をはぐくむ授業実践II――「クイズ&ギャンブルゲーム」
  5.授業の効果とこれからの課題

第V部 カリキュラムのガバナンス
 18章 地方発のカリキュラム改革の可能性と課題(大桃敏行)
  1.地方発のカリキュラム改革への着目
  2.教育課程特例校の指定状況と事例
  3.地方発のカリキュラム改革の可能性
  4.地方発のカリキュラム改革の課題
 19章 附属学校と大学の協働は何をもたらしたか(小玉重夫・福島昌子・今井康雄・楢府暢子・村石幸正)
  1.東大附属の教育――歴史とその特色
  2.附属学校と大学との双方向型の連携に向けて
  3.附属教員からみたイノベーション研との協働
  4.協働が附属学校にもたらしたもの,そしてそれから
  5.東大附属から東大を変える
 20章 附属学校と大学との組織的な連携関係をいかにして構築するか(植阪友理)
  1.附属学校の役割を巡っての議論とその課題
  2.附属学校と大学の架け橋としての総括ユニット
  3.大学との相互理解の促進と附属学校全体での参加意識の醸成
  4.複数のプロジェクトに無理なく参加するための仕組みづくり
  5.統制群をおくことの倫理的問題をどう解消するか
  6.共通の知識基盤をどう共有するか
  7.むすびにかえて――本実践の意義と今後の課題
 21章 高大接続の視点からカリキュラム・イノベーションを考える(両角亜希子)
  1.中等教育と高等教育の垣根を低くする
  2.論点の整理
 22章 今後のカリキュラムの方向性を探る――プロジェクトの足跡をたどって(カリキュラム・イノベーション研究会)
  1.カリキュラムのまとめ方をめぐっての議論
  2.提案されたカリキュラム案
  3.これまでのカリキュラム研究における位置づけ
  4.むすびにかえて――提案されたアイデアはどのように活用可能か

おわりに(南風原朝和)
執筆者紹介

おわりに(南風原朝和)
カリキュラム・イノベーション
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