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科学と文化をつなぐ

アナロジーという思考様式

ISBN978-4-13-060315-7発売日:2016年03月22日判型:A5ページ数:364頁

内容紹介

アナロジーは研究の専門性と動向を特色づけると同時に,分野を越えて研究者をつなぐ.ときに危うく,ときにエキサイティングに,私たちが〈共通の場所〉にいることを確認させる――.哲学,人類学,自然科学,芸術など多様な専門家が集い,思考様式を見つめなおす.

主要目次

はじめに(春日直樹)

序論 科学と文化をつなぐアナロジー(春日直樹)
 1 第3のつなぎ方
 2 専門を越える難しさ
 3 〈共通の場所〉のためのアナロジー
 4 推論形式としてのアナロジー
 5 自然科学と人文社会系の研究との対比
 6 本書の構成と論点

I 文化を科学的に,科学を文化的に理解する
1章 間(ま)は記号か――ゼロ記号再考(田中久美子)
 1 はじめに
 2 本稿の記号的対象
 3 ゼロ記号の列挙
 4 間はどのような記号か
 5 記号の原型としての曖昧なゼロ記号
 6 おわりに
2章 ドゥルーズ=ガタリのテクノロジー論(檜垣立哉)
 1 はじめに
 2 ドゥルーズ=ガタリのテクノロジー論
 3 ハイデガーの農民とドゥルーズ=ガタリの冶金術師
 4 機械的系統流
 5 メジャー科学とマイナー科学
 6 冶金術と機械的系統流
 7 群れの力能
 8 金属からサイボーグへ

II 科学的探究にかかわるアナロジー
3章 類推としてのアナロジー――地球の内核の異方性のモデリングを行った一研究を事例として(吉田茂生・中尾 央)
 1 類推(アナロジー)と科学の方法
 2 アナロジーの定義の検討
 3 筆者の内核研究における類推の利用
 4 まとめ
4章 人工物とのアナロジーで理解する視覚(河野憲二)
 1 眼とカメラ
 2 眼を動かさないで見る外界と人工知能による画像処理
 3 眼を動かして見る外界と映画のカット,カーナビ
 4 アナロジーがつなぐ科学と技術
5章 ニワトリの空間行動であそぶ――乳幼児のためのゲームアプリケーション(岡部佳世)
 1 はじめに
 2 ニワトリの位置情報取得実験から空間歩行パターンを抽出する
 3 歩行パターンをアナロジカルにプログラムに用いる
 4 おわりに
6章 伊谷純一郎の霊長類社会学――「人間的理解」と思考の型(黒田末寿)
 1 はじめに
 2 霊長類学の誕生と発展
 3 「人間家族の4条件」とファミロイド仮説
 4 伊谷純一郎の霊長類社会学
 5 伊谷純一郎の思考――不変なものを求めて
7章 霊長類学における共感と共存(足立 薫)
 1 霊長類学の方法
 2 参与と共感の経験
 3 混群を観察する
 4 ともに在る

III 文化理解のためのアナロジー
8章 人が家で死ぬということ――死のプロセスについての南タイのフィールドからの人類学的実践(西井凉子)
 1 はじめに
 2 家で死ぬこと,病院で死ぬこと
 3 死と身体
 4 おわりに
9章 贈与と賠償――アナロジーの双方向性と非対称性(春日直樹)
 1 「モカ」と呼ばれる贈与
 2 モカと賠償の不可解な関係
 3 モカと賠償の双方向的なアナロジー
 4 双方向性,対称性,同一性
10章 野(フィールド)から紙(ペーパー)へ――生態人類学のドキュメンテーション(河合香吏)
 1 はじめに
 2 東アフリカ牧畜民は「家畜の数を数えない」
 3 フィールドで数える――個体識別とクロスチェックのためのデータ収集
 4 帰国後に数える――牛群の年次動態に向けて
 5 結びにかえて――生態人類学のドキュメンテーションと人々の「生」の姿

IV 科学と文化の出会いにおけるアナロジー
11章 宇宙における我々の位置――科学と哲学の協奏(青木滋之)
 1 はじめに
 2 宇宙における我々の位置――三つの用法
 3 アナロジーとは――科学哲学の視点から
 4 我々の位置の変遷――古代から現代の系外惑星まで
 5 宇宙における我々の位置――アナロジカルな思考の史的展開
12章 記号の離床――将棋電王戦にみる人間と機械のアナロジカルな相互作用(久保明教)
 1 はじめに
 2 揺れ動く意味
 3 ゲームの内と外
 4 揺らぐ実践の境界
 5 アナロジカルな相互作用
13章 心的概念の前提としての,脳・還元・システム(平 理一郎)
 1 はじめに
 2 方法論的革新
 3 思考実験「桜を見て感動する」
 4 脳のシステム的理解
 5 おわりに

V アナロジーの再理解,科学と文化の再理解へ
14章 人が「自然」を産み出す話――異質なものの普遍性(中村恭子)
 1 はじめに――頭を擡げるアルシブラ
 2 忘れ得ぬ人々
 3 珠の訪れ――熊と人の共立
 4 異質なものの普遍性
 5 逸楽の士が嗜むアナロジー
 6 おわりに――ラッキーコイン~空虚な坩堝になって
15章 アナロジーとパラロジー――内在性の浜辺でシミュラクルに賭けること(近藤和敬)
 1 アナロジー的思考
 2 アナロジーとイデア的思考
 3 上昇的認識=イデア的思考の方法一――カヴァイエスの「範例」
 4 上昇的思考=イデア的思考の方法二――ロトマンの「イデア的弁証法」
 5 ドゥルーズの「プラトニズムの転倒」と「シミュラクル」
 6 パラロジーとの賭け――カヴァイエス「コレクティフから賭けへ」
 7 確率ゼロの賭けとしてのパラロジー
16章 アナロジーの位相――利口なハンスの知性はどこにあるか(郡司ペギオ幸夫)
 1 はじめに
 2 双対空間と不動点
 3 利口なハンス
 4 アナロジーという逸脱
 5 脳の中のアナロジー
 6 おわりに
総括(春日直樹)
 1 アナロジーが提起する諸テーマ
 2 科学と自然言語とのアナロジカルな関係
 3 科学と文化の相補性
 4 変動と試練

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