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国家の哲学

政治的責務から地球共和国へ

ISBN978-4-13-031189-2発売日:2017年08月23日判型:A5ページ数:376頁

内容紹介

個人は国家に対して義務を負うか? 負うとすればその根拠は何か?――ソクラテス以来の根本命題への対峙にはじまり,世界秩序構想へ辿り着く思想の成長物語.アリストテレス,ホッブズ,カント,ロールズ,サンデルなど,古今の思想の渉猟を通して国家の存在意義を解明する.

【推薦文(井上達夫先生)】
「 本書は,国家の存在理由および政治的責務・遵法義務の根拠と限界という,法哲学・政治哲学の根本問題と真正面から向き合い,これを原理的かつ徹底的に解明しようとする野心的な力作である.現代の理論家の議論と,ホッブズ,ロック,ルソー,カントを中心とする古典的思想家の議論を,それらの理論的位置が明確になるよう体系的に整理した上で,包括的に検討し,カントを継承発展する法的状態実現義務論を擁護している.さらにこの立場が世界統治構造の問題についてもつ含意として,地球共和国の理念も末尾で試論的に提示している.本書の結論に賛同しない者,本書によって批判されている者(例えば,この推薦者)も含めて,本書の多面的で豊富な議論から多くを学ぶことができる.また文章はきわめて平易明晰で,専門的研究者だけでなく初学者にも開かれた書物である.
 惜しくも数年前に没した法哲学界の巨星ロナルド・ドゥオーキンは,メタ倫理学や概念分析に回帰し瑣末化する近年の一部の理論傾向を憂えて,「法哲学は面白くなければいけない(Legal philosophy should be interesting)」と言った.本書はまさに「面白い法哲学」の見事な一例である.多くの人々が本書を読んで,法と政治の問題について哲学することの快楽を味わい,その必要性を理解することを望む.」

主要目次

第1章 個人は国家に対して義務を負うか?――政治的責務の正当化根拠を問う

第I部 国民の共同体としての国家
 第2章 人間関係から責務が生じる――関係的責務
 第3章 国家は親か? 国民は友か?――関係的責務論
 第4章 普遍的な父の下における兄弟――原理の共同体論

第II部 同意によって構築された国家
 第5章 同意は義務づける――明示の同意論
 第6章 居住や投票は同意か?――暗黙の同意論
 第7章 仮説の同意は同意か?――仮説の同意論と同意の批判理論

第III部 人々に利益をもたらす国家
 第8章 国家は自己利益を最大化する――自己利益論
 第9章 国家の恩に感謝する――感謝論
 第10章 国家の存続に個人の遵法は必要か?――必要テーゼ
 第11章 あなたが負うから私も負う――フェアプレイ論
 第12章 一般的な遵法義務は存在しない――哲学的アナキズム
 第13章 国家は自然状態よりよいか?――自然状態テーゼ

第IV部 義務を果たす手段としての国家
 第14章 人間が当然に負う義務――自然義務論
 第15章 正義の制度を支持する義務――正義の自然義務論
 第16章 法的状態を実現する義務――法的状態実現義務論
 第17章 国家は分業である――割当責任国家論

終 章 政治的責務と遵法義務

Philosophy of the State: From Political Obligation to Grobal Republic
Hirohide TAKIKAWA

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