長期投資の理論と実践

パーソナル・ファイナンスと資産運用

著者
安達 智彦
池田 昌幸
ジャンル
社会科学  > 経済・経営
発売日
2019/09/30
ISBN
978-4-13-046130-6
判型・ページ数
A5 ・ 576ページ
定価
7,040円(本体6,400円+税)
在庫
在庫あり
内容紹介
目次
著者紹介
ファイナンス理論の中核的位置を占める価格付け理論の中で、最も理論化が難しいといわれた長期投資の理論を体系化。長期・多期間の投資理論の多くのモデルを数学的に実証することで、最適投資について深い洞察的理論を提示するとともに、投資の実践において明快なメッセージを伝える。
序 章

第1章 1期間モデルにおける最適投資の考え方
 1.1期間モデルに基づく投資決定
  1.1 投資理論と効用関数
  1.2 1期間モデルにおける不確実性
 2.効用関数による投資家の選好の表現
  2.1 期待効用とリスク・プレミアム
  2.2 リスク回避度
 3.効用関数と確率分布
  3.1 代表的な効用関数
  3.2 効用関数と確率分布を特定する
  3.3 平均・分散分析を可能とする効用関数と確率分布の具体的組み合わせ
 4.平均・分散分析とCAPM
  4.1 平均・分散分析
  4.2 無リスク資産の導入 
  4.3 市場均衡とCAPM 
 5.CAPMの実証とジェンセンのアルファ
  5.1 CAPMとジェンセンの評価尺度
  5.2 ベータの推定
  5.3 ベイジアン・ベータ
 6.ファクター・モデル(インデックス・モデル)
  6.1 シングル・インデックス・モデル
  6.2 実務における市場モデルの応用 
  6.3 マルチ・インデックス・モデル(マルチ・ファクター・モデル) 
 7.運用パフォーマンスの評価 
  7.1 資産運用成績評価の2つのアプローチ
  7.2 運用パフォーマンスの定量評価の理論的枠組み 
  7.3 運用の付加価値と資産運用実務における「アルファ」 
  7.4 運用パフォーマンスの定量評価に関するまとめ 
 8.プライシング・カーネルの考え方 
  8.1 プライシング・カーネルとは 
  8.2 プライシング・カーネルとリスク・プレミアム 
  8.3 プライシング・カーネルで1期間MFMのリスク・プレミアムを表現する
コラム1 母数,推定量,および推定値(実現値)の記法と事前・事後の概念

第2章 多期間モデルにおけるリスクと効用関数
 1.ライフサイクルとパーソナル・ファイナンス 
  1.1 ライフサイクルを多期間モデルでとらえる 
 2.長期投資の基本的考え方 
  2.1 多期間における投資対象と投資主体 
  2.2 リスク概念の多期間化と期待効用関数の拡張 
 3.1期間モデルの教訓と多期間投資モデルの構築 
  3.1 SamuelsonとMertonの先駆的考察 
  3.2 多期間モデルで新たに考察すべき2つの問題 
 4.2種類のリスク回避度を分断して表現できる効用関数の導入 
  4.1 期待効用関数の問題点をどう克服するか 
  4.2 2つのリスク回避概念を分離するための創意 
  4.3 再帰的効用関数は期待効用関数ではない 
 5.Epstein=Zinの効用関数 
  5.1 Epstein=Zin効用:2期間のケース 
  5.2 Epstein=Zin効用:無限期間のケース 
 6.投資機会集合の変容 
  6.1 無リスク利子率の期間ごとの変化をどう扱うか 
  6.2 リスク資産の投資収益率の平均回帰性をどう扱うか 
  6.3 本章の要約 
APPENDIX CH-2A 連続複利表示投資収益率の期待値を最大にするレバレッジ水準 
APPENDIX CH-2B 堀(1996)のEpstein=Zin効用を使った実証分析の再評価 
コラム2 インフレの恐怖 
コラム3 平均回帰と平均乖離 

第3章 多期間における最適な消費と投資の意思決定
 1.多期間モデルの一般的性質:特定の効用関数を仮定しないケース 
  1.1 1期間から多期間へ:SamuelsonとMertonの貢献 
  1.2 仮定:第t期,効用,遺産,および,生涯効用 
  1.3 価値関数 
  1.4 時点T-1における最適消費と最適投資の決定:一般的ケース
  1.5 任意の時点tにおける最適消費と最適投資の決定:一般的ケース 
 2.多期間モデル:べき型効用のケース 
  2.1 時点T-1における最適消費と最適投資の決定 
  2.2 任意の時点tにおける最適消費と最適投資の決定 
  2.3 べき型効用,かつ,投資機会集合が一定の場合 
 3.多期間モデル:対数型期待効用における最適消費と最適投資の決定 
 4.多期間モデルとプライシング・カーネル 
  4.1 2期間モデルにおけるプライシング・カーネルの考え方 
  4.2 多期間モデルにおけるプライシング・カーネル 
  4.3 べき型および対数型期待効用関数のプライシング・カーネル
 5.Epstein=Zin効用関数のプライシング・カーネル 
  5.1 Epstein=Zin効用のプライシング・カーネルの導出 
APPENDIX CH-3 消費CAPM 

第4章 多期間における資産評価と投資決定のモデル
 1.Epstein=Zin効用を用いた多期間の最適消費と最適投資の考え方 
  1.1 投資家の意思決定問題 
 2.対数線形化によるリスク・プレミアムの導出 
  2.1 予算制約の対数線形近似 
  2.2 ポートフォリオ収益率の対数線形近似 
  2.3 最適化1階条件の線形化 
 3.リスク資産が複数ある場合の最適投資比率の決定 
  3.1 無リスク資産が利用できないケース 
  3.2 無リスク資産が利用可能なケース 
 4.投資機会集合が変動するもとでの金融資産のリスクとリターン
  4.1 長・短インフレ連動債と実質無リスク利子率
  4.2 名目債のプライシングと投資収益率 
  4.3 名目無リスク利子率と短期名目債の実質リターン 
  4.4 株式のプライシングと投資収益率 
  4.5 インフレ下における各種金融資産のリスク・リターン・プロファイル
 5.対数線形化パラメターと最適消費・富比率の決定 
 6.インフレ連動債の導入と最適消費・最適投資の決定:数値実験 
  6.1 数値実験の3つのケース
  6.2 最適消費・富比率の計算
  6.3 最適ポートフォリオ:3資産の場合(ケース1)
  6.4 最適ポートフォリオ:4資産の場合(ケース2)
  6.5 最適ポートフォリオ:5資産の場合(ケース3) 
 7.労働所得と株式投資収益率の平均回帰性の影響,および本章の総括 
  7.1 パーソナル・ファイナンスと労働所得の影響 
  7.2 株式投資収益率の平均回帰性と投資決定への影響 
APPENDIX CH-4A 最適消費・富比率を与える差分方程式の導出 
APPENDIX CH-4B 最適消費・富比率を一定にする相対的リスク回避度の存在について 
コラム4 10年物物価連動国債の再発行 
コラム5 多期間投資のパフォーマンスをシャープ尺度で測ることは妥当か? 
コラム6 消費・富比率決定の実質的意味:表4-4の読み方 
コラム7 株価の平均回帰性と株式投資収益率の平均回帰性 
コラム8 パーソナル・ファイナンスと不動産投資:長期投資で不動産をどう位置づけるか 

第5章 最適成長ポートフォリオの理論
 1.最適成長ポートフォリオについて 
  1.1 最適成長投資理論はどのように展開されてきたか 
  1.2 1期間と多期間とで効用関数は変わるか? 
 2.投資戦略としての最適成長ポートフォリオ 
  2.1 連続複利表示投資収益率と成長率 
  2.2 近視眼的投資戦略とGOP 
 3.株価が幾何ブラウン運動に従う場合のGOPの構築 
  3.1 連続時間モデルの解によって離散時間モデルの解を近似する 
  3.2 幾何ブラウン運動のもとでの連続複利表示の期待収益率と期待成長率
  3.3 ポートフォリオの期待成長率 
 4.最大成長ポートフォリオと最適成長ポートフォリオの投資比率
  4.1 最大成長フロンティアと最適成長ポートフォリオの考え方
  4.2 最大成長ポートフォリオの投資比率決定と変動性指標としての分散
  4.3 MGPとGOPの投資比率 
 5.最適成長ポートフォリオを平均・分散分析によって特徴づける
  5.1 べき型効用を有する投資家の期待効用 
  5.2 べき型効用を有する投資家が選択する最適ポートフォリオとGOP
  5.3 GOPについての2基金分離 
APPENDIX CH-5 イェンゼンの不等式の証明 
コラム9 連続複利表示の期待収益率と期待成長率の図解
コラム10 リバランシングとその頻度について

第6章 多期間投資の実践と1/Nポートフォリオ型EIF
 1.全平均モデルのもとでの最適ポートフォリオ 
  1.1 全平均モデル(Overall Mean Model) 
  1.2 Epstein=Zin効用を使わないのはなぜか? 
 2.1/Nポートフォリオ型EIF
  2.1 1/Nポートフォリオ型EIFによる多期間リスク資産運用
  2.2 EIFの構築可能性に関わる理論的見通し 
  2.3 1/Nポートフォリオ型EIFの運用パフォーマンス例 
 3.1/Nポートフォリオ型EIFによる長期運用の実証 
  3.1 シミュレーションの基本的な考え方 
  3.2 シミュレーションの概要 
 4.シミュレーション結果と評価 
  4.1 多期間アルファは正となったか 
  4.2 シミュレーション結果を連続複利バージョンの修正シャープ尺度によって評価する 
  4.3 標準偏差リスクの推定と平均回帰性について 
  4.4 長期運用の実証分析のまとめ 
 5.1/Nポートフォリオ型EIFの応用 
  5.1 多期間ポータブル・アルファ戦略 
  5.2 本書の総括と今後における長期運用の展望,および,読者へのメッセージ 
APPENDIX CH-6 なぜ分散・共分散の推定は平均の推定よりも容易なのか 
コラム11 Malkiel教授の「代表的標準株式」と期待収益率にかかわる全平均モデル 


Long-term Investment:
Theory and Practice
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安達 智彦
武蔵大学経済学部教授
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早稲田大学商学学術院教授
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