イメージのヴァナキュラー

写真論講義 実例編

著者
前川 修
ジャンル
人文科学
人文科学  > 哲学・思想・倫理
人文科学  > 美学・芸術
発売日
2020/04/15
ISBN
978-4-13-010145-5
判型・ページ数
四六 ・ 296ページ
定価
4,400円(本体4,000円+税)
在庫
在庫あり
内容紹介
目次
著者紹介
写真はイメージとしてのみ浮遊しているのではない。そこには多様な物質性やメディア性、撮影・受容する身体の痕跡が刻み込まれている。そうした重層的な位相を解きほぐしつつ、写真集、スライド、アマチュア、セルフィなどを分析する。イメージ=写真の新たなパースペクティヴを切り開くヴァナキュラー写真論。前著『イメージを逆撫でする――写真論講義 理論編』につづく著者待望の写真論。
序 章 物としての写真,メディアとしての写真
 1 写真のにおい
 2 写真の影のアーカイヴ
 3 写真という薄膜と身体 
 4 写真のヴァナキュラー

第1部 写真集を「読む」

第1章 トルボット『自然の鉛筆』論1――写真集「未満」の写真集?
 1 起源の写真集
 2 展開と接触
 3 写真の言説空間とは

第2章 トルボット『自然の鉛筆』論2――写真(集)という格子
 1 窓としての写真/表面としての写真(第一巻)
 2 開いた扉から格子窓へ
 3 植物写真とレース写真
 4 格子という原理
 5 記憶の危機と写真による想起

第2部 写真を投影する

第3章 スライド写真論1――複製の知覚
 1 複製と透明性
 2 複製の不透明さ
 3 形の複製――「芸術写真」とステレオスコープ
 4 鑑賞者と観察者

第4章 スライド写真論2――美術史の目と機械の眼
 1 スライドとは何か?
 2 芸術・写真というオリジナル・コピー
 3 複製の美術史
 4 スライド効果

第3部 写真を「飾る」/身につける

第5章 ヴァナキュラー写真論1――理論の相貌
 1 写真の縁/縁としての写真
 2 PhotographyからPhotographiesへ――不在の痕跡と抹消の痕跡
 3 ヴァナキュラーという脱境界性
 4 ヴァナキュラー写真とは

第6章 ヴァナキュラー写真論2――物・身体・時間
 1 写真の物質性――インデックスの過剰
 2 身体という物
 3 ヴァナキュラー写真の時間性
 4 すりぬけるイメージとしてのヴァナキュラー写真

第4部 写真を撮る/めくる/撮られる

第7章 アマチュア写真論
 1 ネガとしてのアマチュア
 2 写真史のなかのアマチュア写真――技術史/美術史、プロ/アマ
 3 一九世紀の男子写真と女子写真――もうひとつのアマチュア像
 4 宙に浮いたアマチュア写真
 5 アマチュアというガイド

第8章 カルト・ド・ヴィジット論
 1 CDVとは何か?
 2 CDVの逆説――市民という主体/被写体
 3 セレブリティという主体、写真家という主体
 4 アルバムというアーカイヴ
 5 CDVの中間性

終 章 セルフィ論――顔,腕,情動のエコノミー
 1 セルフィの拡大/セルフィ論の停滞
 2 「幻のもうひとり」の問い
 3 セルフィ以前
 4 セルフィ論争――セルフィッシュとセルフ(ィ)・コントロール
 5 セルフィとは何か?――顔の脱中心化/遍在化
 6 腕というインデックス
 7 再帰性とミラーセルフィ
 8 セルフィを見る/に触れる身体
 9 フィルターという仮面
 10 「幻のもうひとり」のその後


Remediating Vernacular Photographies
Osamu MAEKAWA

前川 修
神戸大学大学院人文学研究科教授
イメージのヴァナキュラー
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