コロナ以後の東アジア

変動の力学

著者
東大社研現代中国研究拠点
ジャンル
社会科学
シリーズ
UP plus
発売日
2020/09/29
ISBN
978-4-13-033300-9
判型・ページ数
A5 ・ 208ページ
定価
1,870円(本体1,700円+税)
在庫
在庫あり
内容紹介
目次
著者紹介
UP plus 創刊にあたって

 現代社会は、20世紀末の情報革命とグローバル資本主義の深化によって大きく変貌を遂げてきました。情報革命はライフスタイルに大きな変革を及ぼし、わたしたちの生活に多大な影響を与え続け、いまなお変化の途中にあります。また、グローバル資本主義の進展もワークスタイルに大きな変革を及ぼし、世界の一体化を促進させてきました。しかし、同時に様々な次元で格差を生じさせ、分断を深めています。
 しかし、2020年の初頭に発生したCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックによって、より快適に、より便利に、より早く、ということを追求してきた現代社会は大きな影響を受けたのです。この出来事はわたしたちに大きな警鐘を与えるとともに、わたしたちが生きている社会のあり方、そして世界のあり方にも再考をうながしているのです。
 このような状況下で、いま一度「知」というものを改めて考え直す時代が訪れているのではないでしょうか。いまの危機を乗り越え、格差や分断を乗り越えるには、人類が積み重ねてきた「知」の集積をたよりにして、あたらしい地平を拓くことこそが求められているのではないかと考えられるのです。まだ見ぬ世界への道しるべとして、「知」はやはりかけがえのないものなのです。 
 このたび、東京大学出版会は、「UP plus」と題し、「知」の集積地である、大学からひろく社会と共有する「知」を目指して、複雑化する時代の見取り図としての「知」、そして、未来を開く道しるべとしての「知」をコンセプトとしたシリーズを刊行いたします。
 「UP plus」の一冊一冊が、読者の皆様にとって、「知」への導きの書となり、また、これまでの世界への認識を揺さぶるものになるでしょう。そうした刺激的な書物を生み出し続けること、それが大学出版の役割だと考えています。

                                一般財団法人 東京大学出版会

※シリーズ「UP plus」(既刊3冊)のパンフレットをダウンロードできます(クリックするとPDFが開きます)。



2020年、世界は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって大きく変化した。新型コロナウイルス感染症がいち早く発見された中国はどのように感染症に対応したのだろうか? 中国、台湾、香港、韓国、そして東南アジアがいまどのような状況にあるのかをそれぞれの第一線の研究者が分析する。
I 総論
   コロナ以後のアジア――二〇二〇年上半期の複眼的記録(伊藤亜聖)
   アジアとコロナ危機――アジア通貨危機との比較(末廣 昭)

II 日本・韓国
   新型コロナウイルス感染拡大の訪日観光への影響
    ――インバウンドブームからコロナショックへ(宮島良明)
   韓国は新型コロナウイルスにどう対応したか(金 明中)

III 中国
   アフターコロナの中国政治社会――聞こえてきた「前進」の地響き(朱 建榮)
   コロナ危機をチャンスに変えようと模索する中国(丸川知雄)
   中国深圳の製造現場でみたコロナ危機と復旧(藤岡淳一)
   中国にとっての新型肺炎の「衝撃」と対米関係(川島 真)

IV 香港
   加速する香港民主化運動の「新冷戦化」
    ――コロナ禍と香港「国家安全維持法」(倉田 徹)
   国家安全と民主主義の相克
    ――新型コロナウイルスと香港問題を通して考える(阿古智子) 

V 台湾
   新型コロナウイルスの封じ込めで増した台湾の存在感(福岡静哉)
   苦悩のもとはウイルスか,米中対立か
    ――台湾経済の立て直しと台湾企業の軌道修正(佐藤幸人)
   台湾のコロナ対策成功で変わる台湾海峡の力学(松田康博)

VI 東南アジア
   コロナショックと中国・ASEAN関係(畢 世鴻) 
   ベトナムとタイにおけるコロナショックの影響(坂田正三)

あとがき
東大社研現代中国研究拠点
東京大学社会科学研究所現代中国研究拠点
コロナ以後の東アジア
ご注文
Amazon
紀伊國屋書店ウェブストア
honto
セブンネットショッピング
e-hon 全国書店ネットワーク
楽天ブックス
Honya Club.com
TSUTAYA オンラインショッピング
HMV&BOOKS online
ヨドバシ.com