シリーズ 都市・建築・歴史[全10巻]

人びとの営み・思想・文化を如実に語る都市・建築から,歴史を読み直す―― 建築史の関連分野(建築学・都市設計学・土木工学ならびに各国史・考古学・美術史・技術史)の第一人者が集結し,領域の広がりを個性的に活写していく.時代軸以外の魅力的な切り口がいくつも見つかる,空前のコラボレーション!

第1巻 記念的建造物の成立  [執筆者] 山岸常人/橋本義則/上原真人/妹尾達彦/伊藤重剛/渡邉晶/広瀬和雄

階級と国家の形成――建築・都市は素朴な形態から脱し,政治的・社会的特性を顕示する高度な記念碑性を獲得していく.国家や生産の体制との関わりから,古代の都城・宮殿・寺社・古墳に付加された意味を解明する.

第2巻 古代社会の崩壊  [執筆者] 山岸常人/藤田勝也/冨島義幸/川本重雄/矢口直道/中西章/村田健一

古代的要素の終焉と中世的要素の萌芽――律令制・仏教など,与えられた制度や思想の枠組みの定着は,同時にその変質をも意味する.社会的・文化的変容を反映して形態を変化させはじめる都市・建築を多面的に描写する.

第3巻 中世的空間と儀礼  [執筆者] 山岸常人/上島享/藤田盟児/黒田龍二/三浦徹/西田雅嗣/太記祐一

多元性の時代――空間形態の変容を軸に「中世」を捉えなおす.儀礼の場である空間が,それを取りまく社会的な側面と密接に相互作用しつつ変容していくさまを,多様な建築類型・地域を対象に描き出す.

第4巻 中世の文化と場  [執筆者] 伊藤毅/後藤治/高橋康夫/島尾新/五味文彦/陣内秀信/千田嘉博/佐藤達生

躍動の時代――古琉球の禅宗寺院からイタリアの海洋都市まで,人やモノが行き交う「場」が多彩に形成され,制度・政治に縛られない自由な「文化」が花開いた14―16世紀の都市における建築・空間のあり方を活写する.

第5巻 近世都市の成立  [執筆者] 伊藤毅/宮本雅明/森田義之/谷直樹/金行信輔/伊藤裕久/杉森哲也/吉田光男/新宮学

都市の時代の到来――ヘゲモニーにより都市的要素が編成され,城下町・バロック的都市・複合国家の首都が生まれた16世紀後半―17世紀.日本・西欧・東アジアにおいて,国家統合・新秩序形成に向かう変革期の共通項を探る.

第6巻 都市文化の成熟  [執筆者] 伊藤毅/岩淵令治/杉本俊多/光井渉/ヘンリー・スミス/知野泰明/羽生修二/松本裕/小野将

巨大都市,国民国家の成立――17世紀後半―19世紀,都市は技術や民間資本の経済機構の急速な成長のもとにインフラ整備され,民衆文化の隆盛とともに重層的な発展を遂げた.移行期に生まれた「近代」的諸相を析出する.

第7巻 近代とは何か  [執筆者] 鈴木博之/高宮利行/清水重敦/鈴木杜幾子/伊東孝/吉田鋼市/内田青蔵/中嶋節子

アイデンティティの確認を迫られる時代――都市のなかで,公私の概念・参加意識・デザインなど,所有・支配・変化の主体が圧倒的に複雑化していく.過去との距離を意識しつつ,理念と即物的存在との間を行き来する.

第8巻 近代化の波及  [執筆者] 鈴木博之/伊藤大介/中谷礼仁/初田亨/熊倉功夫/天野知香/木下直之

近代化=世界的な西欧化の衝撃――急速に変容しつつも固有性を失わない,非西欧諸国の伝統的な文化のあり方から,普遍的な美意識や社会構造の存在を示唆する.

第9巻 材料・生産の近代  [執筆者] 鈴木博之/藤岡洋保/難波和彦/佐藤彰/越澤明/鈴木淳/田所辰之助/藤森照信

鉄・コンクリート・ガラス・アルミ――工業化された生産システムから登場した新しい材料は,都市や建築,技術体系,職能・教育体系をも変えてきた.近代の技術的な本質を,材料の変化を中心に据えて批判的に検討する.

第10巻 都市・建築の現在   [執筆者] 石山修武/松村秀一/清家剛/五十嵐太郎/ヨルク・グライター/中川理/森川嘉一郎/鈴木博之

都市・建築の未来がここにある――20世紀,西欧中心・資本主義の大量消費社会において生み出され続けてきた,現代建築.その方向性と未来を読み解く鍵として,再び「歴史」に立ち返る.ついにシリーズ全巻完結!