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多民族・多言語国家であるマレーシアにおいて,国民統合のための教育政策の中で,自らの言語や文化を維持・伝達するために華人の求める華人学校がいかに存続してきたか.公教育と,そこでのマイノリティの言語問題をめぐる政治と教育のダイナミズムを明らかにする.
序章 多民族・多言語社会における言語・教育問題
1.近代国民国家における言語政策と国民教育
2.マレーシアの多民族・多言語社会と華人
3.本研究の課題と分析の枠組み
1章 国民教育政策の整備と華人
1.国民教育構想と華人の母語教育要求
2.国民教育政策の始動と華人社会内部の対立
2章 マジョリティ優先の国民教育政策と華人
1.マレー系優先政策と華人の危機意識
2.華人学校存続問題と2つの母語教育像
3章 国民教育政策の再定義と華人
1.政府による「多文化主義」の導入と背景
2.華人学校存続問題の新局面と華人の表面的協調
終章 国民統合における華人の教育・言語戦略と政治的ダイナミズム
1.国民教育政策をめぐるコンフリクトとマイノリティの教育・言語戦略
2.言語・教育問題をめぐる政治的ダイナミズム
3.今後の課題
本書の特徴として,1)マレーシアのエスニック・グループのうち,経済力を持ちながらも政治的マイノリティの立場にある華人の対応に焦点をあてたこと,2)国民教育政策をめぐるマジョリティとマイノリティの葛藤,マイノリティ内部の戦略上の分化が必然的に形成される過程を分析したこと,3)近代国民国家の存在をゆるがしている民族的多様性と,そこから生じる要求と矛盾を「国民教育」という接点を通じて明らかにしたこと,などが挙げられる(MI).
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