「フィールドの科学」
春が訪れると可憐な花を咲かせるサクラソウは,数十年前までは里山にごく普通にみられる身近な野生植物だったそうです.それがいまでは絶滅危惧種として,保全生物学のひとつのシンボルになりました.『サクラソウの分子遺伝生態学:エコゲノム・プロジェクトの黎明』
絶滅の危機にある野生生物の保全は,「環境の世紀」といわれる現代において,きわめて重要なテーマのひとつとなっています.それにともない保全生物学を志す若い人たちがどんどん増えています.しかし,野生生物を保全するためには,まず対象とする生物の生きざまをよく知らなくてはなりません.そのためには生態学をはじめとするフィールドサイエンスの知識をしっかりと身につけておく必要があります.
小会には,さまざまなフィールドサイエンスをテーマにした書籍があります.そのなかから,今回は植物生態学の分野のものをいくつか紹介させていただきます.フィールドで生きものたちの生活を読み解いていく研究の魅力にふれていただければ幸いです.このたび小会では,生物学関連書籍の目録を作成いたしました.ご興味をお持ちの皆さんにはお送りいたしますのでご請求ください(通信欄に「生物学関連目録」と記入してください). (続きを読む…)
安全で安心に暮らすために必要な技術とは?
環境,食糧,医療,災害,など,境界領域の問題にどう対処するか
能動的な「元気の出る技術倫理」へ
イスラーム世界は存在するのか
ヨーロッパ中心史観を超えて
中東現代史のダイナミズム
阪神淡路大震災を機に普及した「活断層」の実体とは?
気象災害から地震・火山災害まで,自然災害全体を扱った定番書
震発生直後に震源と地震動分布をリアルタイムに把握
『
『
『
『


現在の地球は温暖で湿潤な生命の生存に適した環境となっていますが,最近になって,はるか昔の原生代という時代には,地球表面がまるごとすっかり凍りついた「スノーボールアース(雪球地球)」だったということがわかってきました.いまでも地球の極域や高い山岳地方には氷河や氷床がありますが,その頃は全地球がすっかり氷で覆われた“全球凍結状態”だったらしいのです.
「……近年では,同じく戦前日本による植民地支配を受けた韓国と対比し,「〈親日〉的な台湾」と「〈反日〉的な韓国」という台湾像が,坊間の雑誌やテレビ番組を通じて氾濫している.とくに「〈親日〉的な台湾」というイメージは,過去の日本国帝国による殖民と侵略を「悪」として糾弾する立場の日本人たちを困惑させる.……

そうした個々の書物で展開される議論に一応納得はしつつページをめくりながらも,なんとなくすっきりしない感じもします.扱われている対象は非常にデリケートなもので,そうしたものに単純明快な解答を求めるのはそもそも間違っていますが,その一方であまりにもヴァラエティに富んだ「格差」「不平等」が語られてしまうと,ちょっと短絡的すぎるのではないかとの印象も持ってしまいます.落ち着いてひとつひとつの議論に対処することが大切なのでしょう.