デジタルプラットフォームと労働法 (電子書籍)
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労働者概念の生成と展開
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内容紹介
目次
著者紹介
ウ―バーイーツなどデジタルプラットフォーム・ビジネスの台頭は、単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」の登場など従来とは異なる社会現象を生み出し、労働法の世界にも新たな課題を投げ掛けている。この近時の大きな変化のなか、これらを近視眼的に捉え法技術的な議論を展開するだけでは、問題の本質に迫ることは難しい。そもそも労働法はどのような社会状況のなかで生成し、展開され、今日に至っているのか。プラットフォーム・ビジネスの出現と成長が、労働法の基盤や構造にどのような課題を投げ掛けているのか。そのなかで各国はどのような法制度の改革を行おうとしているのか。問題の解決に向け、本書は労働法の基底にある「労働者」概念にまで遡り、日本・ドイツ・フランス・イギリス・アメリカを対象に、歴史的・比較法的な視点からプラットフォーム・ビジネスがもたらす課題と展望を明らかにする。
はしがき
第1章 問題の所在と日本法の状況 (水町勇一郎)
1 問題の所在
2 日本法の状況
2.1 労働基準法上の「労働者」
2.2 労働組合法上の「労働者」
2.3 労働契約(法)上の「労働者」
2.4 プラットフォーム就業者への法的対応
3 本書の課題と構成
第2章 ドイツ法(橋本陽子)
1 はじめに
2 労働者概念の生成
2.1 ライヒ時代
2.2 ワイマール時代
2.3 戦後
3 具体的な労働者性の判断基準(判断要素)
4 社会保険法上の「就業」概念
4.1 社会法典第4編7条
4.2 推定規定の導入と廃止
4.3 最近の連邦社会裁判所の判決の傾向
5 最近の動き
5.1 民法典611a条の制定
5.2 EU法上の労働者概念の影響
5.3 クラウドワーカーの労働者性
6 自営業者のための特別法
6.1 労働者類似の者
6.2 家内労働者
6.3 代理商
6.4 約款規制法
7 むすび
第3章 フランス法(水町勇一郎)
1 はじめに
2 歴史──「労働契約」概念の生成と展開
2.1 フランス革命・ナポレオン民法典と「人的従属性」の禁止・無視
2.2 「労働契約」の生成と「人的従属性」
2.3 社会保障法の生成とその適用対象
2.4 「労働契約」概念の変容
3 動揺──「プラットフォーム」型就業と「労働契約」概念
3.1 プラットフォーム・ビジネス(「プラットフォーム」型就業)の特徴
3.2 2018 年破毀院Take Eat Easy判決より前の裁判例の動向
3.3 破毀院二判決──Take Eat Easy判決とUber判決
3.4 プラットフォーム就業をめぐる立法
4 現在の「労働契約」概念──その解釈枠組みと判断要素
4.1 労働契約の定義
4.2 構成要素
4.3 「従属」状態の立証と判断要素
5 むすび
第4章 イギリス法(石田信平)
1 はじめに
2 Employeeの概念
2.1 概観
2.2 形成
2.3 発展
3 Workerの概念
3.1 形成
3.2 発展
3.3 Employee平等法・雇用権利法のWorker概念の関係
3.4 学説の批判──労働法の論理と人権保障の論理
3.5 裁判例の展開──EmployeeとWorkerの区分
3.6 Worker概念に関する学説
4 ギグワークの労働者性とWorker概念改革案の動向
4.1 ゼロ時間契約(zero-hours contracts)
4.2 デジタルプラットフォーム
5 むすび
5.1 EmployeeとWorkerの概念
5.2 クラウドワークやゼロ時間契約に関する問題状況
5.3 EmployeeとWorkerの相互関係とWorker概念に関する近時の改革案
5.4 総括
第5章 アメリカ法(竹内(奥野)寿)
1 はじめに
2 被用者概念及び判断基準の歴史的展開──2つの潮流
2.1 代位責任法理
2.2 報酬債権保護に関する制定法
2.3 労働者災害補償法
2.4 ニューディール期の労働立法
3 主要な労働・社会保障立法における被用者概念及び判断基準
3.1 前提──コモン・ロー上の被用者性判断基準(管理権テスト)
3.2 全国労働関係法
3.3 公正労働基準法
3.4 社会保障立法
4 プラットフォームエコノミーの進展と就労者保護をめぐる動向
4.1 カリフォルニア州におけるABCテストの採用──Dynamex事件州最高裁判所判決
4.2 ABCテストの立法化──「AB5」
4.3 Proposition22──「第3のカテゴリー」?
4.4 その他の州等の動向
4.5 ギグワーカー等の被用者性等をめぐる裁判例
5 むすび
5.1 本章の要約
5.2 被用者性判断基準等にかかるアメリカ労働法の特徴
第6章 各国の要約と比較法的考察 (水町勇一郎)
1 分析の視点
2 要約
2.1 ドイツ法
2.2 フランス法
2.3 イギリス法
2.4 アメリカ法
2.5 2021年EU指令案
3 比較分析
3.1 「労働者」概念の多様性
3.2 デジタルプラットフォーム就業等をめぐる「労働者」概念の変化
3.3 デジタルプラットフォーム就業に関する立法措置等の動向
4 むすび──日本への示唆と課題
4.1 日本の現状
4.2 「労働者」概念についての示唆
4.3 立法政策についての示唆
第1章 問題の所在と日本法の状況 (水町勇一郎)
1 問題の所在
2 日本法の状況
2.1 労働基準法上の「労働者」
2.2 労働組合法上の「労働者」
2.3 労働契約(法)上の「労働者」
2.4 プラットフォーム就業者への法的対応
3 本書の課題と構成
第2章 ドイツ法(橋本陽子)
1 はじめに
2 労働者概念の生成
2.1 ライヒ時代
2.2 ワイマール時代
2.3 戦後
3 具体的な労働者性の判断基準(判断要素)
4 社会保険法上の「就業」概念
4.1 社会法典第4編7条
4.2 推定規定の導入と廃止
4.3 最近の連邦社会裁判所の判決の傾向
5 最近の動き
5.1 民法典611a条の制定
5.2 EU法上の労働者概念の影響
5.3 クラウドワーカーの労働者性
6 自営業者のための特別法
6.1 労働者類似の者
6.2 家内労働者
6.3 代理商
6.4 約款規制法
7 むすび
第3章 フランス法(水町勇一郎)
1 はじめに
2 歴史──「労働契約」概念の生成と展開
2.1 フランス革命・ナポレオン民法典と「人的従属性」の禁止・無視
2.2 「労働契約」の生成と「人的従属性」
2.3 社会保障法の生成とその適用対象
2.4 「労働契約」概念の変容
3 動揺──「プラットフォーム」型就業と「労働契約」概念
3.1 プラットフォーム・ビジネス(「プラットフォーム」型就業)の特徴
3.2 2018 年破毀院Take Eat Easy判決より前の裁判例の動向
3.3 破毀院二判決──Take Eat Easy判決とUber判決
3.4 プラットフォーム就業をめぐる立法
4 現在の「労働契約」概念──その解釈枠組みと判断要素
4.1 労働契約の定義
4.2 構成要素
4.3 「従属」状態の立証と判断要素
5 むすび
第4章 イギリス法(石田信平)
1 はじめに
2 Employeeの概念
2.1 概観
2.2 形成
2.3 発展
3 Workerの概念
3.1 形成
3.2 発展
3.3 Employee平等法・雇用権利法のWorker概念の関係
3.4 学説の批判──労働法の論理と人権保障の論理
3.5 裁判例の展開──EmployeeとWorkerの区分
3.6 Worker概念に関する学説
4 ギグワークの労働者性とWorker概念改革案の動向
4.1 ゼロ時間契約(zero-hours contracts)
4.2 デジタルプラットフォーム
5 むすび
5.1 EmployeeとWorkerの概念
5.2 クラウドワークやゼロ時間契約に関する問題状況
5.3 EmployeeとWorkerの相互関係とWorker概念に関する近時の改革案
5.4 総括
第5章 アメリカ法(竹内(奥野)寿)
1 はじめに
2 被用者概念及び判断基準の歴史的展開──2つの潮流
2.1 代位責任法理
2.2 報酬債権保護に関する制定法
2.3 労働者災害補償法
2.4 ニューディール期の労働立法
3 主要な労働・社会保障立法における被用者概念及び判断基準
3.1 前提──コモン・ロー上の被用者性判断基準(管理権テスト)
3.2 全国労働関係法
3.3 公正労働基準法
3.4 社会保障立法
4 プラットフォームエコノミーの進展と就労者保護をめぐる動向
4.1 カリフォルニア州におけるABCテストの採用──Dynamex事件州最高裁判所判決
4.2 ABCテストの立法化──「AB5」
4.3 Proposition22──「第3のカテゴリー」?
4.4 その他の州等の動向
4.5 ギグワーカー等の被用者性等をめぐる裁判例
5 むすび
5.1 本章の要約
5.2 被用者性判断基準等にかかるアメリカ労働法の特徴
第6章 各国の要約と比較法的考察 (水町勇一郎)
1 分析の視点
2 要約
2.1 ドイツ法
2.2 フランス法
2.3 イギリス法
2.4 アメリカ法
2.5 2021年EU指令案
3 比較分析
3.1 「労働者」概念の多様性
3.2 デジタルプラットフォーム就業等をめぐる「労働者」概念の変化
3.3 デジタルプラットフォーム就業に関する立法措置等の動向
4 むすび──日本への示唆と課題
4.1 日本の現状
4.2 「労働者」概念についての示唆
4.3 立法政策についての示唆