平和の追求 (電子書籍)
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18世紀フランスのコスモポリタニズム
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内容紹介
目次
著者紹介
戦争が絶えない18世紀のフランス、そしてヨーロッパ。平和を求め続けた人々の世界秩序構想とはいかなるものだったのか。啓蒙の時代に生み出されたコスモポリタニズム(世界市民主義)の多様な相貌を明らかにし、その意義を捉え直す。争いのない世界をめざす、思想的格闘の軌跡。
序論
1 コスモポリタニズムの再興
2 一八世紀の三つの平和構想
3 啓蒙の世紀におけるコスモポリタニズムとパトリオティズム
4 本書の構成
第一章 祖国への愛と人類への愛
第一節 コスモポリタン思想の原型――ストア派のコスモポリス概念と初期近代におけるその受容
1 ストア派における世界市民の理念
2 中世・ルネサンス期・初期近代
第二節 人類愛のコスモポリタン思想
1 神話の生成――『フェヌロン氏の生涯』
2 フェヌロンにおける戦争と平和
3 フェヌロンからラムジーへ
4 市民の義務と人間の義務――モンテスキューとディドロ
第三節 人類愛と祖国愛はつねに調和するか
1 「祖国」の概念の再興
2 祖国愛の必要性――エルヴェシウスとマブリ
3 人類の道徳的完成――テュルゴの「進歩」思想
結び 普遍的パトリオティズム――フェヌロンからジョクールへ
第二章 世界市民の肖像――ル・ブランとフジュレ・ド・モンブロン
第一節 ル・ブランのイングランド
1 国民間の憎悪の克服
2 イングランド人の国制の理想と現実
3 モデルとしてのイングランド経済
第二節 フジュレ・ド・モンブロンと消極的コスモポリタニズム
1 祖国の観念の否定としてのコスモポリタニズム
2 放浪から亡命へ
第三節 ル・ブラン対フジュレ――七年戦争と親英派
結び その後の二人
第三章 平和のための制度
第一節 世界君主政とその批判者
1 世界君主政概念小史
2 「仲裁者」による平和――ライプニッツの懐疑
3 勢力均衡論の台頭――ロアンとリゾラ
4 バランスの維持者――イングランドの勃興
5 戦争王の黄昏
第二節 フェヌロンの外交政策論――システムとしての勢力均衡
1 フェヌロンとスペイン継承戦争
2 万民法・勢力均衡・同盟――『良心の糾明』
3 「補遺」のイギリス受容――『ヨーロッパの均衡二論』
第三節 サン=ピエールの平和構想――国家と国家の連合
1 『永久平和』概略――連合と仲裁
2 平和構想の実現可能性
3 ライプニッツとサン=ピエール
第四節 モンテスキューの連合論――国家連合から連邦共和国へ
1 連邦共和国という方途――小共和国の防衛戦略
2 国家連合の三類型
3 モデルとしてのリュキア――連邦共和国の国制
4 モンテスキュー後の連邦共和国論――フェデラリスト(連邦派)とジャン=シャルル・ド・ラヴィ
結び もう一つの世界君主政批判
第四章 商業平和論の展開
第一節 一八世紀前半の商業平和論
1 「穏和な商業」論の四つの要素
2 植民地と奴隷制
3 商業の自由と商業の嫉妬
第二節 ミラボー侯爵『人間の友』の商業平和論
1 『人間の友』の基本構造
2 商業の完全な自由と普遍的同胞愛
3 旧世界の軛――植民地政策の破綻
4 「夢ではない、唯一の世界君主政」
5 『人間の友』からフィジオクラットへ
結び 二つの幻想を超えて
第五章 ジャン=ジャック・ルソーにおける戦争と平和
第一節 ルソーにおける祖国への愛と人類への愛
1 同時代の文脈――世界市民派と愛国派の交錯
2 コスモポリット・ルソー?
3 イギリスの影――コスモポリット批判へ
4 市民の教育、人間の教育、国民の教育
5 もう一つの終着点
第二節 ルソーと「連合」構想――パトリオティズムとコスモポリタニズムをつなぐもの?
1 戦争を防ぐための連合
2 永久平和の構想――サン=ピエールからルソーへ
3 ルソーのサン=ピエール批判
4 小さな共和国のための連合――小共和国をどう設立し、どう維持するか
5 連合――自由と平和のための制度
終章 カントの平和論――一八世紀フランスのコスモポリタニズムのプリズムを通して
1 カントの「平和連合」構想
2 「法」による平和
3 自然による平和の保証
4 コスモポリタン法の領域
結論
1 コスモポリタニズムの再興
2 一八世紀の三つの平和構想
3 啓蒙の世紀におけるコスモポリタニズムとパトリオティズム
4 本書の構成
第一章 祖国への愛と人類への愛
第一節 コスモポリタン思想の原型――ストア派のコスモポリス概念と初期近代におけるその受容
1 ストア派における世界市民の理念
2 中世・ルネサンス期・初期近代
第二節 人類愛のコスモポリタン思想
1 神話の生成――『フェヌロン氏の生涯』
2 フェヌロンにおける戦争と平和
3 フェヌロンからラムジーへ
4 市民の義務と人間の義務――モンテスキューとディドロ
第三節 人類愛と祖国愛はつねに調和するか
1 「祖国」の概念の再興
2 祖国愛の必要性――エルヴェシウスとマブリ
3 人類の道徳的完成――テュルゴの「進歩」思想
結び 普遍的パトリオティズム――フェヌロンからジョクールへ
第二章 世界市民の肖像――ル・ブランとフジュレ・ド・モンブロン
第一節 ル・ブランのイングランド
1 国民間の憎悪の克服
2 イングランド人の国制の理想と現実
3 モデルとしてのイングランド経済
第二節 フジュレ・ド・モンブロンと消極的コスモポリタニズム
1 祖国の観念の否定としてのコスモポリタニズム
2 放浪から亡命へ
第三節 ル・ブラン対フジュレ――七年戦争と親英派
結び その後の二人
第三章 平和のための制度
第一節 世界君主政とその批判者
1 世界君主政概念小史
2 「仲裁者」による平和――ライプニッツの懐疑
3 勢力均衡論の台頭――ロアンとリゾラ
4 バランスの維持者――イングランドの勃興
5 戦争王の黄昏
第二節 フェヌロンの外交政策論――システムとしての勢力均衡
1 フェヌロンとスペイン継承戦争
2 万民法・勢力均衡・同盟――『良心の糾明』
3 「補遺」のイギリス受容――『ヨーロッパの均衡二論』
第三節 サン=ピエールの平和構想――国家と国家の連合
1 『永久平和』概略――連合と仲裁
2 平和構想の実現可能性
3 ライプニッツとサン=ピエール
第四節 モンテスキューの連合論――国家連合から連邦共和国へ
1 連邦共和国という方途――小共和国の防衛戦略
2 国家連合の三類型
3 モデルとしてのリュキア――連邦共和国の国制
4 モンテスキュー後の連邦共和国論――フェデラリスト(連邦派)とジャン=シャルル・ド・ラヴィ
結び もう一つの世界君主政批判
第四章 商業平和論の展開
第一節 一八世紀前半の商業平和論
1 「穏和な商業」論の四つの要素
2 植民地と奴隷制
3 商業の自由と商業の嫉妬
第二節 ミラボー侯爵『人間の友』の商業平和論
1 『人間の友』の基本構造
2 商業の完全な自由と普遍的同胞愛
3 旧世界の軛――植民地政策の破綻
4 「夢ではない、唯一の世界君主政」
5 『人間の友』からフィジオクラットへ
結び 二つの幻想を超えて
第五章 ジャン=ジャック・ルソーにおける戦争と平和
第一節 ルソーにおける祖国への愛と人類への愛
1 同時代の文脈――世界市民派と愛国派の交錯
2 コスモポリット・ルソー?
3 イギリスの影――コスモポリット批判へ
4 市民の教育、人間の教育、国民の教育
5 もう一つの終着点
第二節 ルソーと「連合」構想――パトリオティズムとコスモポリタニズムをつなぐもの?
1 戦争を防ぐための連合
2 永久平和の構想――サン=ピエールからルソーへ
3 ルソーのサン=ピエール批判
4 小さな共和国のための連合――小共和国をどう設立し、どう維持するか
5 連合――自由と平和のための制度
終章 カントの平和論――一八世紀フランスのコスモポリタニズムのプリズムを通して
1 カントの「平和連合」構想
2 「法」による平和
3 自然による平和の保証
4 コスモポリタン法の領域
結論