日独関係史 1890-1945【全3巻】

内容紹介
著者紹介

刊行にあたって

 『日独関係史 1890-1945』全3巻は、近代以降、第2次世界大戦までの日独関係史の全体像を提示する試みである。
 本シリーズが対象とする時期の出発点は1890年前後である。この頃を境にして、一方ではドイツの極東への政治・軍事・経済的な進出が本格化するとともに、他方では日本の東アジアにおける膨張が開始され、そこから東アジア規模での日独関係の緊張、同時に諸分野における緊密化が進んだ。また本シリーズが対象とする空間については、「東アジアにおける日独関係」という視点を意識的に採用した。日独関係の歴史は時々の東アジア国際関係の動向に大きく左右されたという認識が、その根底に存在している。 本シリーズでは、政治・外交・軍事および経済・技術における国家間関係について、対象時期を満洲事変の勃発した1931年をもって二分し、I「東アジアにおける邂逅」およびII「枢軸形成の多元的力学」をこの課題の解明にあてた。さらに、国家間の関係に収まりきらない個人次元や組織次元での社会的関係については、III「体制変動の社会的衝撃」の課題とした。以上のような課題と構成をより明確にするために、I巻の冒頭に全3巻のための総説を置くことにした。
 1890年前後から1945年までの日独関係の歴史は、懸隔や齟齬、相互の誤解、さらには深刻な対立をも含んでおり、友好と学習という表象によってはとうてい捉えきれない錯綜した過程であった。本シリーズを通じて得られる歴史像が、今日に至るまでの日独関係の歴史の再検討への契機となり、研究のいっそうの活発化に資することを切望する。そのような知的営為の継続こそが、日独関係の将来を真に友好的なものとして発展させる一つの条件であるとわれわれは確信する。

 工藤 章・田嶋信雄

各巻詳細

第1巻 総説/東アジアにおける邂逅

 総説一 東アジア国際関係の中の日独関係――外交と戦略(田嶋信雄)
 総説二 日独経済関係の変遷――対立と協調(工藤 章)
 第一章 日清・日露戦争とドイツ(ロルフ=ハラルド・ヴィッピヒ)
 第二章 膠州湾租借条約の成立(浅田進史)
 第三章 ジーメンス社の対日事業――第一次大戦前の日独経済関係(竹中 亨)
 第四章 1927年日独通商航海条約と染料交渉(工藤 章)

第2巻 枢軸形成の多元的力学

 第一章 親日路線と親中路線の暗闘――1935-36年のドイツ(田嶋信雄)
 第二章 三国同盟の内実――1937-45年の日本とドイツ(ゲルハルト・クレープス)
 第三章 同床異夢の枢軸形成――1937年のイタリアを中心に(石田 憲)
 第四章 日独同盟と中国大陸――「満洲国」・汪精衛「政権」をめぐる交渉過程(周 恵民)
 第五章 日独関係に

第3巻 体制変動の社会的衝撃

 第一章 ヴァイマール・ドイツの日本人知識人(加藤哲郎)
 第二章 東アジア在留ドイツ人社会とナチズム(中村綾乃)
 第三章 日本占領下の上海と二つの在留ドイツ人社会 (アストリート・フライアイゼン)
 第四章 ヒトラー・ユーゲントと日本(中道寿一)
 第五章 日独技術交流とその担い手  (エーリヒ・パウアー)

日独関係史 1890-1945【全3巻】
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