シリーズ国際関係論【全5巻】

内容紹介
著者紹介

第1巻 国際社会の秩序  篠田英朗(広島大学准教授)

国際社会とは何か。その秩序はどのように成り立っているのか。国際社会の秩序は人間の価値規範によって成立しているとの立場から、そうした主要な価値規範に着目し、国際社会の秩序の歴史的展開と現状を分析する。思想と歴史から照らし出される国際社会の姿。

第2巻 平和と安全保障  鈴木基史(京都大学教授)

いかに戦争を防止し、平和や安全保障を達成することができるのか。国際関係の諸理論を駆使して伝統的な安全保障問題およびブッシュ・ドクトリン、テロ、内戦といった新たな問題に切り込み、理論が提示する処方箋を検証する。現代における平和の条件の模索。

第3巻 国際政治経済  飯田敬輔(東京大学教授)

グローバル化する世界で、政治と経済はいかに関連しているのか。通商・金融をはじめ、開発や環境、人の移動といったテーマを題材に、日本の事例を多くとりあげながら、国際政治経済論の主要理論を解説する。理論と実証により解明される国際政治経済の実相。

第4巻 国家の対外行動  須藤季夫(南山大学教授)

国家というものは、対外的にいかなる原理に基づいて行動するのか。国際関係論の主要パラダイムをおさえながら、伝統的な外交研究や対外政策決定分析を超え、国家の行動を体系的に分析するための包括的視座の提示を試みる。新たな一般理論=対外行動論の探究。

第5巻 国際関係論の系譜  猪口 孝(中央大学教授)

学問として、また日々展開する国際関係を議論する仕事として、国際関係論はどのような軌跡を辿ってきたのか。古今東西の議論を広く視野に収めながら、二〇世紀および日本を軸に、国際関係論をトータルに問い直し、政策的指針を提示する。未来への道しるべ。



刊行にあたって

 現代世界では、ヒト・モノ・カネ・情報が国境を越えて急速に行き交い、しばしば一国で起こった出来事が他の国の人びとの暮らしに影響を与える。この世界で未来を切り拓いていくには国際情勢を的確に把握しなければならず、そのためには首尾一貫した分析枠組みが必要である。それを世に問うことは、国際関係論のもっとも重要な仕事に他ならない。
 現実を見れば、貧困や難民、環境、人権などの問題について世界的に協力の機運が育まれる一方で、民族紛争やテロ、大量破壊兵器をめぐる国家間の攻防のように戦争や紛争は後を絶たず、地球規模の経済競争も激化していると言われる。国際社会の秩序はいかにして成り立っているのか、いかに戦争を防止して平和や安全保障を達成するのか、国際政治と国際経済はどのような関係にあるのか、国家は対外的にいかなる原理に基づいて行動するのかといった問いが、国際関係論の基本テーマを構成してきたゆえんである。
 本シリーズは、国際関係論の成果を総合することによって、これらの古くて新しい課題に挑戦するものである。歴史を踏まえつつ実践の変化を見据えて国際関係論の創造的展開を模索する本シリーズは、現代世界を読み解くための最適なガイドとなるであろう。
 本シリーズでは、体系的な構成、平易・明快な記述、豊富な事例紹介など、親しみやすさを心がけるとともに、現実との緊張関係を強く意識した。したがって、NGO関係者、ジャーナリスト、ビジネスマン、官僚や政治家、一般の読者が確かな視座を養われること、大学・大学院の講義やゼミ・演習で活用されることを、大いに期待している。高度な内容や独自の見解も盛り込んでいるから、研究者にとっても読み応えがあるはずである。
 本シリーズが、国際関係論の世界の奥深くへと読者を誘い、日本の国際関係論の研究・教育の発展に大きく貢献することを願ってやまない。

   猪口 孝

各巻詳細

第1巻 国際社会の秩序

 第1章 国際社会という問題
 第2章 国家主権
 第3章 国民国家
 第4章 国際組織
 第5章 安全保障
 第6章 民主主義
 第7章 人 権
 第8章 平和主義
 結 論 変容する国際社会

第2巻 平和と安全保障

 序 章 安定的平和の手がかり
 第I部 権力による平和
 第1章 勢力均衡
 第2章 同 盟
 第3章 抑 止
 第II部 制度による平和
 第4章 軍備管理
 第5章 平和維持
 第6章 国際的仲介
 第III部 自由と民主主義による平和
 第7章 民主的平和
 第8章 平和構築
 第9章 国際市場経済
 結 章 安定的平和と現代国際秩序の狭間

第3巻 国際政治経済

 序 章
 第1章 国際政治経済における力と秩序形成
 第2章 経済的相互依存と制度化
 第3章 国際政治経済論における批判的理論
 第4章 通商政策・通商制度の政治経済学
 第5章 国際金融の政治経済学
 第6章 開発と環境
 第7章 グローバル化と地域統合

第4巻 国家の対外行動

 第1章 国際関係論と国家の対外行動
 第2章 外交・対外政策研究の展開
 第3章 リアリズムと対外行動
 第4章 リベラリズムと対外行動
 第5章 コンストラクティヴィズムと対外行動
 第6章 日本の対外行動

第5巻 国際関係論の系譜

 序 論
 第I部 世界大戦、冷戦、9・11を経た国際関係論
 第1章 国際関係論の理論的展開
 第2章 20世紀の世界秩序―力の均衡、集団安全保障、単独行動主義
 第II部 グローバリゼーションの再編する国際関係論
 第3章 地球政治の展開
 第4章 日本人の3つの21世紀シナリオ
 第5章 21世紀日本外交路線の対立軸
 第III部 日本国際関係論の系譜
 第6章 現代日本国際関係論の系譜―日本独自の国際関係理論は存在するのだろうか?
 第7章 百花斉放を迎える東アジアの国際関係論―日本、韓国、台湾、中国
 第8章 地域研究と国際研究

シリーズ国際関係論【全5巻】
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