動物と人間
関係史の生物学
内容紹介
目次
著者紹介
人間は動物たちとどのようにつきあってきたのか――ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、そしてアジアで、人間は野生動物、産業動物、伴侶動物などとともにどのような歴史を歩んできたのか。先史時代から現代まで、ミツバチからクジラまで、動物と人間の関係を描き上げた壮大な物語。【内容見本呈】(内容見本PDFをダウンロードできます)
動物と人類の歴史をめぐる壮大なストーリー
人間は動物とともにどのような歴史を歩んできたのか――ヨーロッパ、アメリカ、アフリカからアジアまで、先史時代から現代まで、そしてミツバチからクジラまで、動物と人間の関係史をたくみな筆致で描き上げた超大作!
<本書の特色>
・世界各地の豊富な事例に基づき、人類と動物の多様な関係を描きだす。
・動物の生態史と文明の歴史の関係を立体的に描写することで、人類の歴史にも新たな知見を加える。
「――本書は、動物と人間の関係を歴史的に追跡する、つまり関係史をたどることを目的にしている。動物は時空間の広がりのなかに生きてきたし、生きている。空間とは動物の分布であり、多様な生息環境に特徴づけられた生息地であり、関係史の舞台である。この舞台では、時代とともにキャストを替えながら、さまざまなドラマが繰り広げられてきた。――(はじめにii)」
「イヌほど人間に身近な動物はいない。けれども両者の距離は、人類が狩猟採集段階を経過しなければこれほどに接近することはなかっただろう。犬は人間が家畜化した最古の動物だ。(第1章46頁)」
「イソップは鳥の最多出場者として物語に登場させ、プリニウスは「その尿が薬となる」と相変わらず俗説を振りまき、プルタルコスは『食卓歓談集』のなかで「鶏が先か卵が先か」の論争を展開した。ニワトリはいつのまにか、すっかりと古代ヨーロッパに根を下ろしていた。(第4章194頁)」
「ヨーロッパの歴史は、人間を襲撃し、捕食するオオカミとの抗争史だった。ところが、北米ではオオカミは、例外的な事例はあるものの、一般には人間を襲わないとされてきた。きわだった対照だ。ヨーロッパではなぜかくも多数の人間がオオカミに襲われたのか。(第5章267頁)」
「象牙の鍵盤ピアノはアメリカで1850年に1万台だったものが、1910年には37万台に、イギリスでは同時期2万3000台から7万5000台へ増加している。この異常ともいえる大量殺戮と捕獲圧の結果、東アフリカ一帯のアフリカゾウの分布域は短期間のうちにみる影もなく縮小してしまった。(第11章610頁)」
【版面見本1】
【版面見本2】
【版面見本3】
動物と人類の歴史をめぐる壮大なストーリー
人間は動物とともにどのような歴史を歩んできたのか――ヨーロッパ、アメリカ、アフリカからアジアまで、先史時代から現代まで、そしてミツバチからクジラまで、動物と人間の関係史をたくみな筆致で描き上げた超大作!
<本書の特色>
・世界各地の豊富な事例に基づき、人類と動物の多様な関係を描きだす。
・動物の生態史と文明の歴史の関係を立体的に描写することで、人類の歴史にも新たな知見を加える。
「――本書は、動物と人間の関係を歴史的に追跡する、つまり関係史をたどることを目的にしている。動物は時空間の広がりのなかに生きてきたし、生きている。空間とは動物の分布であり、多様な生息環境に特徴づけられた生息地であり、関係史の舞台である。この舞台では、時代とともにキャストを替えながら、さまざまなドラマが繰り広げられてきた。――(はじめにii)」
「イヌほど人間に身近な動物はいない。けれども両者の距離は、人類が狩猟採集段階を経過しなければこれほどに接近することはなかっただろう。犬は人間が家畜化した最古の動物だ。(第1章46頁)」
「イソップは鳥の最多出場者として物語に登場させ、プリニウスは「その尿が薬となる」と相変わらず俗説を振りまき、プルタルコスは『食卓歓談集』のなかで「鶏が先か卵が先か」の論争を展開した。ニワトリはいつのまにか、すっかりと古代ヨーロッパに根を下ろしていた。(第4章194頁)」
「ヨーロッパの歴史は、人間を襲撃し、捕食するオオカミとの抗争史だった。ところが、北米ではオオカミは、例外的な事例はあるものの、一般には人間を襲わないとされてきた。きわだった対照だ。ヨーロッパではなぜかくも多数の人間がオオカミに襲われたのか。(第5章267頁)」
「象牙の鍵盤ピアノはアメリカで1850年に1万台だったものが、1910年には37万台に、イギリスでは同時期2万3000台から7万5000台へ増加している。この異常ともいえる大量殺戮と捕獲圧の結果、東アフリカ一帯のアフリカゾウの分布域は短期間のうちにみる影もなく縮小してしまった。(第11章610頁)」
【版面見本1】
【版面見本2】
【版面見本3】
はじめに
序章 ヨーロッパ文化のなかの自然
0.1 森林の国ヨーロッパ
0.2 人工化された自然
0.3 ヨーロッパの農業と牧畜
第1章 巨大動物相(メガファウナ)の鎮魂歌(レクイエム)
1.1 先史時代の人類と野生動物
1.2 旧石器時代における人類の狩猟,狩られる側の論理
1.3 最初の家畜――イヌ
第2章 西アジアでの創造
2.1 肥沃の三日月弧(ファータイル・クレッセント)
2.2 動物の家畜化
2.3 家畜化とミルク利用
2.4 ネコの家畜化?
2.5 家畜化の利益とコスト
2.6 現代の家畜
2.7 ミツバチは“ドメスティケート”されたか?
第3章 農畜融合文化の波紋
3.1 ヨーロッパへの道程
3.2 ヨーロッパ人とは何者か
3.3 ヨーロッパの新石器時代
3.4 遊牧社会の成立とウマの家畜化
3.5 乾燥草原地帯での動物の家畜化
3.6 新石器時代から青銅器時代へ
第4章 ヨーロッパ古代社会の動物と人間
4.1 ケルト社会の成立
4.2 ヨーロッパの自然観の源流
4.3 農畜融合文化が環境に与えた影響
4.4 古代ギリシャとローマ帝国における動物と人間
第5章 中世ヨーロッパの動物と人間
5.1 中世前期の農業と家畜
5.2 中世における野生動物と森林の管理
5.3 キリスト教と動物
5.4 オオカミの迫害と根絶
第6章 近世への始動
6.1 ヨーロッパの辺境
6.2 衣料としての動物
6.3 古代の服装と動物との関係
6.4 中世の服装と毛皮交易
第7章 ヒツジとスパイス,そしてクジラ
7.1 近代を切り拓いたヒツジ
7.2 奢侈禁止条例
7.3 スパイスの欲望――大航海時代
7.4 海洋生態系における生物資源の争奪と乱獲
7.5 バスク人の捕鯨
7.6 乱獲を支えた自然観
第8章 1つに結ばれる世界
8.1 “モンゴロイド”の旅
8.2 中南米の文明と家畜
8.3 北米大陸への植民と開拓
8.4 ロシアのシベリア開拓と毛皮獣
第9章 近代ヨーロッパでの動物の再発見
9.1 イギリスにおける動物(博物学)ブーム
9.2 大陸における博物学の煌き
9.3 イギリスにおける博物学の発展と成熟
第10章 北米での野生動の激動と保全
10.1 北米大陸での開拓と「発展」
10.2 アメリカにおける自然保護の覚醒
10.3 アメリカにおける野生動物保全のうねり
第11章 動物保護の異相
11.1 野生の王国――アフリカ
11.2 ナチス・ドイツと動物愛護,自然保護
第12章 保全・管理と環境倫理の架橋
12.1 日本の生物資源管理
12.2 環境倫理学の始動
終章 生物多様性と持続可能な社会
13.1 生物多様性とはなにか
13.2 生物多様性と生態系保全への道程
13.3 人間と生物多様性を守る価値観と経済学
おわりに/事項索引/生物名索引/人名索引
Animals and Humans: Biology in the History of Relations
Shingo MIURA
序章 ヨーロッパ文化のなかの自然
0.1 森林の国ヨーロッパ
0.2 人工化された自然
0.3 ヨーロッパの農業と牧畜
第1章 巨大動物相(メガファウナ)の鎮魂歌(レクイエム)
1.1 先史時代の人類と野生動物
1.2 旧石器時代における人類の狩猟,狩られる側の論理
1.3 最初の家畜――イヌ
第2章 西アジアでの創造
2.1 肥沃の三日月弧(ファータイル・クレッセント)
2.2 動物の家畜化
2.3 家畜化とミルク利用
2.4 ネコの家畜化?
2.5 家畜化の利益とコスト
2.6 現代の家畜
2.7 ミツバチは“ドメスティケート”されたか?
第3章 農畜融合文化の波紋
3.1 ヨーロッパへの道程
3.2 ヨーロッパ人とは何者か
3.3 ヨーロッパの新石器時代
3.4 遊牧社会の成立とウマの家畜化
3.5 乾燥草原地帯での動物の家畜化
3.6 新石器時代から青銅器時代へ
第4章 ヨーロッパ古代社会の動物と人間
4.1 ケルト社会の成立
4.2 ヨーロッパの自然観の源流
4.3 農畜融合文化が環境に与えた影響
4.4 古代ギリシャとローマ帝国における動物と人間
第5章 中世ヨーロッパの動物と人間
5.1 中世前期の農業と家畜
5.2 中世における野生動物と森林の管理
5.3 キリスト教と動物
5.4 オオカミの迫害と根絶
第6章 近世への始動
6.1 ヨーロッパの辺境
6.2 衣料としての動物
6.3 古代の服装と動物との関係
6.4 中世の服装と毛皮交易
第7章 ヒツジとスパイス,そしてクジラ
7.1 近代を切り拓いたヒツジ
7.2 奢侈禁止条例
7.3 スパイスの欲望――大航海時代
7.4 海洋生態系における生物資源の争奪と乱獲
7.5 バスク人の捕鯨
7.6 乱獲を支えた自然観
第8章 1つに結ばれる世界
8.1 “モンゴロイド”の旅
8.2 中南米の文明と家畜
8.3 北米大陸への植民と開拓
8.4 ロシアのシベリア開拓と毛皮獣
第9章 近代ヨーロッパでの動物の再発見
9.1 イギリスにおける動物(博物学)ブーム
9.2 大陸における博物学の煌き
9.3 イギリスにおける博物学の発展と成熟
第10章 北米での野生動の激動と保全
10.1 北米大陸での開拓と「発展」
10.2 アメリカにおける自然保護の覚醒
10.3 アメリカにおける野生動物保全のうねり
第11章 動物保護の異相
11.1 野生の王国――アフリカ
11.2 ナチス・ドイツと動物愛護,自然保護
第12章 保全・管理と環境倫理の架橋
12.1 日本の生物資源管理
12.2 環境倫理学の始動
終章 生物多様性と持続可能な社会
13.1 生物多様性とはなにか
13.2 生物多様性と生態系保全への道程
13.3 人間と生物多様性を守る価値観と経済学
おわりに/事項索引/生物名索引/人名索引
Animals and Humans: Biology in the History of Relations
Shingo MIURA
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2019/02/25