イメージを逆撫でする

写真論講義 理論編

著者
前川 修
ジャンル
人文科学
人文科学  > 哲学・思想・倫理
人文科学  > 美学・芸術
発売日
2019/08/14
ISBN
978-4-13-010141-7
判型・ページ数
四六 ・ 324ページ
定価
4,840円(本体4,400円+税)
在庫
在庫僅少
内容紹介
目次
著者紹介
ベンヤミン、シャーカフスキー、バッチェン、バルト。これまで写真について紡がれた代表的な言説をたどり直し、そこに伏在する二項対立を撹乱し「逆撫で」することで見えてくる写真理論の新たな相貌。イメージ=写真がますます遍在し覆い尽くす世界に近づく橋頭堡の構築のために。著者待望の写真論。
序 章 写真論の「現在」――写真の語りにくさ
 1 写真の語りやすさ
 2 写真の語りにくさ
 3 写真論の抗争
 4 語りやすさ/語りにくさを超えるために

第1部 モダニズムの分岐

第1章 ヴァルター・ベンヤミン――『写真小史』再考
 1 鏡としての写真
 2 事物の/である写真――『世界は美しい』という鏡
 3 写真における顔と回帰――箔としての写真アーカイヴ
 4 歪曲と閃光――ベンヤミンにおける事物,顔,写真
 5 鏡とフリップブック

第2章 ジョン・シャーカフスキー――もうひとつのモダニズム
 1 モダニズムの写真――グリーンバーグとの並行性
 2 写真の透明性と不透明性――シャーカフスキー批判
 3 自然史としての写真史――ヴァナキュラー写真の形態学へ向けて

第2部 コンテクストの間隙

第3章 アラン・セクーラ――写真を逆撫ですること
 1 芸術写真/写真芸術への批判
 2 写真の普遍性と等価性
 3 写真アーカイヴ論へ
 4 もうひとつのアーカイヴの構築へ

第4章 ピエール・ブルデュー――『写真論』を読む
 1 写真による統合と拡散
 2 庶民の美学と否定的極としての純粋美学
 3 写真の中間性,反復と混乱
 4 『写真論』の再接続のために

第3部 メディアの溶解

第5章 ハンス・ベルティンク――写真イメージの人類学
 1 イメージ論への転回
 2 イメージ=メディア=身体という図式
 3 イメージ人類学の写真論
 4 写真イメージの人類学へ

第6章 ロザリンド・クラウス――メディア(論)の憑依
 1 憑依されるメディア
 2 憑依するメディア
 3 メディア論の憑依
 4 霊媒=メディアとしての写真
 5 写真をメディアに/メディアを写真に憑依させること

第7章 ジェフリー・バッチェン――写真の系譜学
 1 写真論の抗争――複数の写真と単数の写真
 2 写真理論への介入――写真の着想と欲望
 3 もうひとつの写真史/写真論
 4 写真の終わり(?)以後

第4部 デジタルの脈動

第8章 デジタルの指し示すもの/90年代
 1 ユートピアとしてのデジタル写真
 2 ディストピアとしてのデジタル写真
 3 ゾンビとしての写真
 4 デジタル写真は存在しない
 5 デジタル写真の指し示すもの

第9章 デジタルの現在/00年代
 1 草創期のデジタル写真(論)
 2 Web2.0以後のデジタル写真――収斂,フロー,自動化
 3 平凡さ,モメント,インデックス
 4 JPEGとアクター
 5 写真のストック/フロー
 6 デジタル写真の参照性とは?

終 章 ロラン・バルト――『明るい部屋』の遡行と転回
 1 「明るい部屋」という外部
 2 アマチュアとして写真を選ぶこと
 3 アマチュアとして写真を見ること(第一部)
 4 アマチュアとして写真を見ること(第二部)
 5 写真と情動
 6 『明るい部屋』の遡行と転回


Photography Theory against the Grain
Osamu MAEKAWA
前川 修
神戸大学大学院人文学研究科教授
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