中国美術全史 第一巻
先史・殷・周・秦・漢
中国美術の権威たちが執筆陣に名を連ねた『中国美術史』全4巻(中国人民大学出版社、2014年)の日本語版。世界に類を見ない豊かで独特な美術を形成してきた中国美術の、先史時代から清代までの展開について時代性や社会思想と関連させながら、数多くの図版を用いて網羅的に解説する。第一巻では先史・殷・周・秦・漢の時代を扱う。【科学出版社東京発行/東京大学出版会発売】
※パンフレットをこちらからダウンロードできます(クリックするとPDFが開きます)→表面 裏面
【刊行にあたって】
本書は、中国美術史の権威たちが執筆陣に名を連ねた『中国美術史』全4巻(中国人民大学出版社 2014年)の日本語版である。中国では、長い歴史と広大な大地の中で多様な造形が育まれ、世界に類を見ない豊かで独特な美術を形成していった。それらは高い技術力や深い精神性に裏打ちされており、今日でも見る者を魅了してやまない。本書では、そうした中国美術の先史時代から清代までの展開について、時代性や社会思想などと関連させながら、数多くの図版を用いて網羅的に解説している。
また本書は、一般の読者と専門家の双方を対象としているため、学術的なレベルを維持しながら、専門的な見解を平易な文章の中に織り交ぜ、一般の読者でも奥深い中国美術の展開とその本質を理解できるよう考慮されている。
すでに2016年にケンブリッジ大学出版局から本書の英語版が出版されており、それに続いてこのたび日本語版が出版される運びとなった。最新の研究成果をふんだんに盛り込んだ本書が、中国美術に関心のある多くの人々にとって有益な書籍となり、これを機に日本において中国美術の理解が深まることを期待したい。
第一章 新石器時代の陶器・玉石器・岩画
第1節 仰韶文化の彩陶
第2節 大汶口・龍山文化の土器
第3節 陶塑と石彫
第4節 良渚文化の玉器
第5節 岩画・地画・蚌塑
第二章 夏・殷・周の青銅器
第1節 中国青銅器の特徴とその発展
第2節 青銅器の種類と文様
第3節 青銅器の造形
第三章 殷・周時代の彫刻と絵画
第1節 広漢三星堆青銅人像
第2節 青銅器における人物と動物の彫刻
第3節 青銅鳥獣尊
第4節 玉石・牙骨・漆木彫刻
第四章 戦国から漢代の絵画・染織・書
第1節 青銅器の銘刻図画
第2節 帛画と染織
第3節 漆画
第4節 宮殿・墓室壁画
第5節 書
第五章 秦・漢時代の建築と彫刻
第1節 秦・漢時代の建築
第2節 秦・漢時代の彫刻
第3節 古滇族と北方遊牧民族の美術