地球・惑星・生命

著者
日本地球惑星科学連合
ジャンル
自然科学
自然科学  > 環境
自然科学  > 生物
自然科学  > 天文
自然科学  > 地学
発売日
2020/06/10
ISBN
978-4-13-063715-2
判型・ページ数
四六 ・ 288ページ
定価
2,530円(本体2,300円+税)
在庫
在庫あり
内容紹介
目次
著者紹介
各分野の第一人者が、いま地球惑星科学の何が面白いのか、研究の最前線を紹介し、その課題と今後の展望までをわかりやすく生き生きと語る。私たち人類を取り巻く自然の成り立ちを理解し、これからの地球とともに生きるために最適の入門書。日本地球惑星科学連合30周年記念出版。
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はじめに(川幡穂高)

序章 地球・惑星・生命の成り立ちを理解すること(田近英一・橘 省吾・東宮昭彦)

I 宇宙のなかの地球

1 銀河のなかの惑星たち(井田 茂)
   系外惑星研究の急進展
   1995年の衝撃的なホットジュピターの発見
   ゴールドラッシュ
   太陽系中心主義からの解放
   偏在する地球型惑星
   ハビタブルゾーンの地球型惑星
   赤色矮星のハビタブルゾーンの地球型惑星
   私たちは地球外生命を認識できるのか?
   生命が住んでいる兆候とは?
   系外惑星の発見が切り拓いたもの,そしてこれから
  
2 太陽系小天体探査と「はやぶさ2」(渡邊誠一郎)
   小天体が握る太陽系形成の鍵
   小天体探査と日本
   「はやぶさ2」とリュウグウ到着
   見えてきたリュウグウの特徴
   ローバーと着陸機による表面その場観測
   タッチダウンに向けた取り組み
   2回のタッチダウンと人工クレーター生成
   「はやぶさ2」の初期科学成果

3 地球型惑星からの大気流出とハビタブル環境(関 華奈子)
   金星,地球,火星はどこで道を違えたのか
   ハビタブル惑星と大気進化
   地球型惑星からの大気流出メカニズム
   太古火星の気候変動――2つの謎
   ハビタブル惑星の普遍性と多様性の理解に向けて

4 宇宙天気予報とは何か(草野完也)
   太陽フレアの発見とオーロラ
   宇宙天気とその社会影響
   長期的な宇宙天気変動
   宇宙天気予報の現状
   より正確な宇宙天気予報のために
   宇宙天気予報研究のための国際協力
 
コラム1 地球の超高層大気で起こっていること(坂野井 健)
コラム2 アストロバイオロジー――地球人として未来を解くための鍵(薮田ひかる)


II 生命を生んだ惑星地球

5 なぜ地球に生命が生まれたのか(小林憲正)
   生命の起源研究の始まり
   原始大気から生体関連分子の生成
   地球外の生体関連有機物
   有機物から生命へのシナリオ(1)RNAワールド
   有機物から生命へのシナリオ(2)がらくたワールド 
   太陽系天体に化学進化の化石と第2の生命を探る
   アストロバイオロジーの役割

6 深海の極限環境に生命の起源を探る(高井 研)
   生命の起源に関する最新シナリオ
   2つの深海熱水起源説
   LUCAはどのような代謝で生きていたのか?
   LUCA誕生の場から生命誕生の場へ

7 最古の生命の痕跡を探る(小宮 剛)
   冥王代という時代
   冥王代の生命の証拠?
   原太古代のストロマトライト
   最古の生物構造化石の発見
   炭質物の同位体から見る最古の生命
   地質試料に基づく初期生命研究の展望
  
8 恐竜研究の今,そして未来(小林快次)
   恐竜研究の意義
   日本で発見された恐竜化石
   恐竜研究を飛躍的に進歩させた発見と技術
   恐竜研究新時代
  
コラム3 微化石から探る天体衝突と大量絶滅(尾上哲治)


III 岩石惑星地球の営み

9 大きい地震と小さい地震,速い地震と遅い地震(井出 哲)
   地震の大きさと発生頻度の関係
   繰り返し地震
   地震断層の階層構造
   スロー地震の発見
   スロー地震と潮汐の関係
   GR則の直線の傾きb値
   進化する観測システムと将来の地震発生確率予測  

10 破局噴火(高橋正樹)
   日本埋没
   破局噴火がもたらす「火山の冬」
   量の問題
   時間の問題
   マグマ溜まりはひとつか
   人類社会に突きつけられた課題

11 まだ謎だらけのプレートテクトニクス(是永 淳)
   プレートテクトニクスの「歴史」
   いまだに謎だらけ
   表層環境とのつながり
   今後の課題

12 地球の中心はどこまでわかったか(廣瀬 敬)
   地球の深部を再現する
   ポストペロフスカイトの発見と最下部マントル
   コアから地球の起源を語る

13 「ちきゅう」で地球を掘る――南海トラフ地震発生帯掘削(木下正高)
   南海トラフ地震発生帯――なぜ掘るのか?
   「ちきゅう」による南海トラフ地震発生帯掘削
   南海掘削の成果と達成
   地層に働く応力
   浅部断層の特性
   浅部スロースリップの発見
   ライザー掘削
   南海掘削と「ちきゅう」の今後
  
コラム4 計算機で地球や惑星の内部を探る(土屋卓久)


IV 地球環境の現在,過去,そして未来

14 地球温暖化を正しく理解するには(江守正多)
   地球温暖化とは
   本当に人間活動が主な原因か   
   二酸化炭素の収支と濃度増加
   異常気象の増加は地球温暖化のせいか
   将来の気候の変化とリスクの見通し
   地球温暖化に適応する
   地球温暖化を止める
   社会の大転換が必要とされている

15 気候変化が海洋生態系にもたらすもの(原田尚美)
   円石藻と珪藻――その大きな違い
   海洋地球研究船「みらい」による観測
   円石藻プルーム出現の原因
   珪藻から円石藻の海へ
   変わりゆく北極圏の海と海洋生態系
   私たちに求めれられていること

16 過去の気候変動を解明する(横山祐典)
   古気候研究
   プロキシと古気候アーカイブ
   年代測定
   古気候研究のターゲットとなる時代と今後の研究

17 激しく変化してきた地球環境の進化史(田近英一)
   大気中の二酸化炭素と酸素
   暗い太陽のパラッドクスと初期地球環境
   酸素環境の変動史
   全球凍結イベントがもたらしたもの
   地球環境変動史という視点

コラム5 気象・気候・地球システムの数値シミュレーション(渡部雅浩)
コラム6 日本初の地質時代名称「チバニアン」(岡田 誠)


V 人間が住む地球

18 「想定外」の巨大地震・津波とその災害(佐竹健治)
   巨大地震と津波
   2004年スマトラ・アンダマン地震とインド洋津波
   2011年東日本大震災
   古地震調査による地震発生履歴
   津波の観測と予報
   今後の展望

19 環境汚染と地球人間圏科学――福島の原発事故を通して(近藤昭彦)
   なぜ研究者が福島に向かったのか
   何がわかっていたのか,何を知るべきか
   空間線量率の分布の意味するもの
   なぜ人は山村に戻ったか
   文明社会のなかの地球惑星科学

20 防災社会をデザインする地球科学の伝え方(大木聖子)
   4枚カード問題
   地球科学と人間科学
   防災教育するほど防災意識が下がる?!
   文脈をもたせて情報を届ける
   地球科学の研究成果の伝え方の研究

21 地球をめぐる水と水をめぐる人々(沖 大幹)
   忘れられた地球科学――水文学
   気候システムと陸域水循環
   地球上の水循環の実態は?
   人間活動を考慮した水循環研究
   人間活動がグローバルな水循環に及ぼす影響
   バーチャルウォーター貿易
   水文学のこれから

コラム7 深層崩壊と防災(千木良雅弘)
コラム8 地球惑星科学とブラタモリ(尾方隆幸)
      シームレスなストーリー
      一般化されたストーリー

おわりに これからの地球惑星科学に向けて(田近英一・橘 省吾・東宮昭彦)


The Earth, Planets, and Life
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