美学 (冊子版)
- 冊子版 電子書籍
内容紹介
目次
著者紹介
美学は18世紀半ばに作られた哲学的学問であり、「感性」「芸術」「美」という主題が収斂するところに成立した。美学の古典といえるカント『判断力批判』(1790年)を題材にし、そこでの重要なテーマをめぐって、古代ギリシアから21世紀までの美学史を概説する。美学を深く学ぶための決定版。
※UTokyoBiblioPlazaで自著解説が公開されています。
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序文
本書の狙い――三重の構成
近代美学とカント
本書の構成について
『判断力批判』第一部の構成について
「美的」ならびに「適意」という訳語について
第I章 美の無関心性
A 美しいものの分析論――質に即して(第一―五節)
1 美的判断の一般的特質(第一節)
2 〈美の無関心性〉説について(第二節)
3 「美しいもの」と「快適なもの」「善いもの」との対比(第三節―五節)
B カント『判断力批判』前史
1 バウムガルテンによる「美学」の定義
2 『判断力批判』における「美学」の不在
3 『純粋理性批判』におけるÄsthetik
4 『実践理性批判』におけるÄsthetik
5 メンデルスゾーンによる刷新
C 実践的無関心と美的関与
1 仮象への関心(ハイデガー,シラー)
2 日常生活と無関心(ショーペンハウアー)
3 「視覚的無関心」あるいは「無感覚状態」(デュシャン)
第II章 趣味判断の普遍妥当性
A 美しいものの分析論――量に即して(第六―九節)
1 趣味の公共性(第六―七節)
2 客観性と普遍性との関係(第八節)
3 判定と快の感情の前後関係(第九節)
4 認識諸能力の活動の美的意識と快(第九節)
B 趣味の普遍性ならびに快の本性
1 自然主義的趣味論のアポリア(バーク)
2 「生きていることの感覚」と「快」(アリストテレス)
C 二〇世紀の趣味論
1 趣味の社会性(ブルデュー)
2 趣味と理想的共同体(ガーダマー)
第III章 目的なき合目的性
A 美しきものの分析論――関係に即して(第一〇―一七節)
1 趣味判断を支える「合目的性の形式」ないし「目的なき合目的性」について(第一〇―一ニ節)
2 魅力の排除と包摂(第一三―一四節)
3 完全性と美との区分(第一五節)
4 自由な美と附属する美(第一六節)
5 美の理想(第一七節)
B 美と合目的性
1 有用性からの美の解放(バーク)
2 目的と適合性の峻別(アダム・スミス)
C 目的なき合目的性のゆくえ
1 「なぜ」なき「とどまり」(ハイデガー)
2 美的意識の抽象性(ガーダマー,ダントー,ウォールトン)
第IV章 趣味判断の範例性
A 美しいものの分析――様相に即して(第一八―二二節)
1 共通感官による判断の実例としての趣味判断(第一八―二二節)
2 包摂の規則の不在(第三八節)
B 範型・実例・模範
1 paradeigmaとその二義性(プラトンおよびアリストテレス)
2 exemplarとexemplum(ラテン中世から近世まで)
3 範型の平準化(バウムガルテンおよびマイアー)
4 規則と模範の峻別(三批判書公刊前のカント)
C 範例性のゆくえ
1 事例的歩行器とパレルゴン(デリダ)
2 範例性の言語行為論的展開(ハーバーマース)
第V章 感性の制約と構想力の拡張
A 崇高なものの分析論(第二三―二九節)
1 「崇高なものの分析論」への導入(第二三―二四節)
2 数学的崇高について(第二五―二七節)
3 力学的崇高について(第二八―二九節)
B 言語の崇高さから自然の崇高さへ
1 想像力の快と偉大なもの(アディソン)
2 無限性への喜悦に満ちた恐怖(バーク)
C 崇高論のその後
1 認識規則に背く自然としての世界史(シラー)
2 最小なものから作動する崇高(リオタール)
第VI章 構想力と共通感官
A 美的判断の演繹論(第三〇―四〇節)
1 把捉と感性化の能力としての構想力(第三五節ならびに『純粋理性批判』「演繹論」)
2 共通感官(第四〇節)
B 共通感覚論の系譜
1 〈諸感覚に共通のもの〉〈諸感覚を跨ぐ感覚〉〈感覚の感覚〉(アリストテレス『魂について』)
2 〈他者の存在の感覚〉(アリストテレス『ニコマコス倫理学』)
3 カントにおける共通感官の問題圏
C 二〇世紀の共通感覚論
1 実在性の感覚としての共通感覚(アーレント)
2 共通感官の発生(ドゥル-ズ)
第VII章 美しいものから道徳的なものへ
A 美しいものへの関心(第四一―四二節)
1 美しいものへの経験的関心(第四一節,第六〇節)
2 美しいものへの知性的関心(第四二節
B 社交人・未開人・隠遁者
1 イロクォイ人と〈高貴なる未開人〉
2 ロビンソン・クルーソーと〈隠遁者〉
C 自然の暗号文字
1 精神のオデュッセイアとしての自然(シェリング)
2 自然のロマン化(ノヴァーリス)
3 自然の観相学(ゲルノート・ベーメ)
第VIII章 「美しい技術」としての芸術
A 芸術論(その一)(第四三―四八節)
1 技術と芸術(第四三―四四節)
2 自然のように見える芸術――制作論的視点から(第四五節)
3 天才の技術としての芸術(第四六―四七節)
4 芸術と進歩(第四七―四八節)
B 芸術の誕生
1 技術とハビトゥス(アリストテレス,ダランベール)
2 自然のように見える技術・技術のように見える自然(伝ロンギノス,アディソン)
C 範例的独創性
1 最後のホメロス(シェリング)
2 歴史への呼びかけ(メルロ=ポンティ)
第IX章 「美的理念」と芸術ジャンル論
A 芸術論(そのニ)(第四九―五三節)
1 美的理念の表現としての美(第四九節)
2 芸術のジャンル(第五一―五三節)
B ライプニッツ的感性論の系譜
1 微小表象(ライプニッツ)
2 含蓄のある表象(バウムガルテン,マイアー)
3 魂の諸力の調和的活動(メンデルスゾーン)
C カント的芸術論のゆくえ
1 形式主義から唯名論へ(グリンバーグ,ド・デューヴ)
2 質料的なメタ美学(ドゥルーズ)
第X章 美しいものと超感性的なもの
A 美的判断力の弁証法(第五五―五九節)
1 二律背反の提示(第五六節)
2 二律背反の解消(第五七節)
3 自然の合目的性と美(第五七節,序論第五・九節)
4 道徳性の象徴としての美について(第五九節)
B 認識・感情・欲求
1 無関心性と快不快(バウムガルテン,マイアー)
2 認識と生命(バウムガルテン,マイアー,メンデルスゾーン)
C 美的なものと生
1 美的生と過剰(シラー)
2 芸術の美的体制における生と芸術(ランシエ-ル)
あとがき
用語解説
読書案内
Aesthetics
Tanehisa OTABE
本書の狙い――三重の構成
近代美学とカント
本書の構成について
『判断力批判』第一部の構成について
「美的」ならびに「適意」という訳語について
第I章 美の無関心性
A 美しいものの分析論――質に即して(第一―五節)
1 美的判断の一般的特質(第一節)
2 〈美の無関心性〉説について(第二節)
3 「美しいもの」と「快適なもの」「善いもの」との対比(第三節―五節)
B カント『判断力批判』前史
1 バウムガルテンによる「美学」の定義
2 『判断力批判』における「美学」の不在
3 『純粋理性批判』におけるÄsthetik
4 『実践理性批判』におけるÄsthetik
5 メンデルスゾーンによる刷新
C 実践的無関心と美的関与
1 仮象への関心(ハイデガー,シラー)
2 日常生活と無関心(ショーペンハウアー)
3 「視覚的無関心」あるいは「無感覚状態」(デュシャン)
第II章 趣味判断の普遍妥当性
A 美しいものの分析論――量に即して(第六―九節)
1 趣味の公共性(第六―七節)
2 客観性と普遍性との関係(第八節)
3 判定と快の感情の前後関係(第九節)
4 認識諸能力の活動の美的意識と快(第九節)
B 趣味の普遍性ならびに快の本性
1 自然主義的趣味論のアポリア(バーク)
2 「生きていることの感覚」と「快」(アリストテレス)
C 二〇世紀の趣味論
1 趣味の社会性(ブルデュー)
2 趣味と理想的共同体(ガーダマー)
第III章 目的なき合目的性
A 美しきものの分析論――関係に即して(第一〇―一七節)
1 趣味判断を支える「合目的性の形式」ないし「目的なき合目的性」について(第一〇―一ニ節)
2 魅力の排除と包摂(第一三―一四節)
3 完全性と美との区分(第一五節)
4 自由な美と附属する美(第一六節)
5 美の理想(第一七節)
B 美と合目的性
1 有用性からの美の解放(バーク)
2 目的と適合性の峻別(アダム・スミス)
C 目的なき合目的性のゆくえ
1 「なぜ」なき「とどまり」(ハイデガー)
2 美的意識の抽象性(ガーダマー,ダントー,ウォールトン)
第IV章 趣味判断の範例性
A 美しいものの分析――様相に即して(第一八―二二節)
1 共通感官による判断の実例としての趣味判断(第一八―二二節)
2 包摂の規則の不在(第三八節)
B 範型・実例・模範
1 paradeigmaとその二義性(プラトンおよびアリストテレス)
2 exemplarとexemplum(ラテン中世から近世まで)
3 範型の平準化(バウムガルテンおよびマイアー)
4 規則と模範の峻別(三批判書公刊前のカント)
C 範例性のゆくえ
1 事例的歩行器とパレルゴン(デリダ)
2 範例性の言語行為論的展開(ハーバーマース)
第V章 感性の制約と構想力の拡張
A 崇高なものの分析論(第二三―二九節)
1 「崇高なものの分析論」への導入(第二三―二四節)
2 数学的崇高について(第二五―二七節)
3 力学的崇高について(第二八―二九節)
B 言語の崇高さから自然の崇高さへ
1 想像力の快と偉大なもの(アディソン)
2 無限性への喜悦に満ちた恐怖(バーク)
C 崇高論のその後
1 認識規則に背く自然としての世界史(シラー)
2 最小なものから作動する崇高(リオタール)
第VI章 構想力と共通感官
A 美的判断の演繹論(第三〇―四〇節)
1 把捉と感性化の能力としての構想力(第三五節ならびに『純粋理性批判』「演繹論」)
2 共通感官(第四〇節)
B 共通感覚論の系譜
1 〈諸感覚に共通のもの〉〈諸感覚を跨ぐ感覚〉〈感覚の感覚〉(アリストテレス『魂について』)
2 〈他者の存在の感覚〉(アリストテレス『ニコマコス倫理学』)
3 カントにおける共通感官の問題圏
C 二〇世紀の共通感覚論
1 実在性の感覚としての共通感覚(アーレント)
2 共通感官の発生(ドゥル-ズ)
第VII章 美しいものから道徳的なものへ
A 美しいものへの関心(第四一―四二節)
1 美しいものへの経験的関心(第四一節,第六〇節)
2 美しいものへの知性的関心(第四二節
B 社交人・未開人・隠遁者
1 イロクォイ人と〈高貴なる未開人〉
2 ロビンソン・クルーソーと〈隠遁者〉
C 自然の暗号文字
1 精神のオデュッセイアとしての自然(シェリング)
2 自然のロマン化(ノヴァーリス)
3 自然の観相学(ゲルノート・ベーメ)
第VIII章 「美しい技術」としての芸術
A 芸術論(その一)(第四三―四八節)
1 技術と芸術(第四三―四四節)
2 自然のように見える芸術――制作論的視点から(第四五節)
3 天才の技術としての芸術(第四六―四七節)
4 芸術と進歩(第四七―四八節)
B 芸術の誕生
1 技術とハビトゥス(アリストテレス,ダランベール)
2 自然のように見える技術・技術のように見える自然(伝ロンギノス,アディソン)
C 範例的独創性
1 最後のホメロス(シェリング)
2 歴史への呼びかけ(メルロ=ポンティ)
第IX章 「美的理念」と芸術ジャンル論
A 芸術論(そのニ)(第四九―五三節)
1 美的理念の表現としての美(第四九節)
2 芸術のジャンル(第五一―五三節)
B ライプニッツ的感性論の系譜
1 微小表象(ライプニッツ)
2 含蓄のある表象(バウムガルテン,マイアー)
3 魂の諸力の調和的活動(メンデルスゾーン)
C カント的芸術論のゆくえ
1 形式主義から唯名論へ(グリンバーグ,ド・デューヴ)
2 質料的なメタ美学(ドゥルーズ)
第X章 美しいものと超感性的なもの
A 美的判断力の弁証法(第五五―五九節)
1 二律背反の提示(第五六節)
2 二律背反の解消(第五七節)
3 自然の合目的性と美(第五七節,序論第五・九節)
4 道徳性の象徴としての美について(第五九節)
B 認識・感情・欲求
1 無関心性と快不快(バウムガルテン,マイアー)
2 認識と生命(バウムガルテン,マイアー,メンデルスゾーン)
C 美的なものと生
1 美的生と過剰(シラー)
2 芸術の美的体制における生と芸術(ランシエ-ル)
あとがき
用語解説
読書案内
Aesthetics
Tanehisa OTABE
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