コウモリ学 (冊子版)

適応と進化

冊子版 電子書籍
著者
船越 公威
ジャンル
自然科学  > 生物
発売日
2020/08/26
ISBN
978-4-13-060240-2
判型・ページ数
A5 ・ 298ページ
定価
5,940円(本体5,400円+税)
在庫
在庫あり
内容紹介
目次
著者紹介
空飛ぶ哺乳類――コウモリ。その分類、形態、生態、進化、保全などについて詳細にまとめた日本で初めてのコウモリのモノグラフ。飛翔、エコーロケーション、冬眠、渡りほか興味深いテーマについて解説。哺乳類学を学ぶすべての人たちに必読の参考書。

「コウモリやほかの野生動物を介した新興感染症発生の要因は、自然林の開発による過度な破壊と交通網の発達で感染宿主に直接接触する機会が増大したことにあると考えられる。したがって、病原体に対する危機管理も必要であるが、感染から身を守る有効な方法は、コウモリを含めた野生動物の生態系における役割を考慮した生息環境の適切な保全に取り組むことである。また、ヒトと野生動物の生活圏の境界域(干渉地域)を設定することも感染リスクを低減するうえで有効であろう」(「9.4 ウイルス感染」より)
はじめに

第1章 分類と分布
     1.1 分類学的位置づけ
     1.2 各科の特徴と分布
      (1)オオコウモリ科 (2)キクガシラコウモリ科
      (3)カグラコウモリ科 (4)アラコウモリ科
      (5)ブタバナコウモリ科 (6)オナガコウモリ科
      (7)ミゾコウモリ科 (8)サシオコウモリ科
      (9)ヘラコウモリ科 (10)ウオクイコウモリ科
      (11)クチビルコウモリ科 (12)ツメナシコウモリ科
      (13)スイツキコウモリ科 (14)ツギホコウモリ科
      (15)サラモチコウモリ科 (16)ヒナコウモリ科
      (17)オヒキコウモリ科 (18)アシナガコウモリ科
     1.3 日本のコウモリ
      (1)オオコウモリ科 (2)キクガシラコウモリ科
      (3)カグラコウモリ科 (4)ヒナコウモリ科
      (5)オヒキコウモリ科

第2章 形態
     2.1 前肢の翼
      (1)翼の特徴 (2)翼の発生と成長 (3)翼の機能
     2.2 体毛
      (1)毛の形態 (2)換毛周期
     2.3 頭骨と歯
      (1)頭骨 (2)乳歯と永久歯
     2.4 消化管
     2.5 後肢,尾および尾膜

第3章 ねぐら
     3.1 ねぐら場所の多様性
      (1)枝,樹皮,葉,樹洞,竹筒 
      (2)葉や果実の房でつくったテント
      (3)樹上のアリやシロアリの巣
      (4)放棄された鳥の巣
      (5)岩盤の隙間 (6)洞窟 (7)人工物
     3.2 異種異属の混群の形成
     3.3 夜間のねぐら

第4章 採食活動と食性
     4.1 昆虫食者
      (1)覚醒と飛翔 (2)採食方法とエコーロケーション
      (3)採食活動パターン (4)食性と摂食量
      (5)コウモリと被食昆虫との攻防
     4.2 果実食者
      (1)果実食者の特徴 (2)飛翔開始 (3)活動パターンと移動 
      (4)食性と栄養摂取 (5)種子散布
     4.3 花蜜食者
      (1)花蜜食者の特性 (2)摂食 (3)送粉
     4.4 肉食者
      (1)捕食 (2)食性
     4.5 血液食者

第5章 繁殖と成長
     5.1 繁殖
      (1)雌性生殖系の機能 (2)繁殖特性
     5.2 昆虫食者
      (1)一般哺乳類型 (2)精子貯蔵型 (3)着床遅延型
     5.3 植物食者
      (1)一般哺乳類型 (2)着床遅延と胚発生遅延型
     5.4 肉食・魚食および血液食者
     5.5 出産哺育集団の形成
     5.6 妊娠と出産
     5.7 出生後の哺育と成長
     5.8 性成熟,生存率および寿命

第6章 社会
     6.1 コモリの配偶システム
      (1)一夫多妻の集団 (2)複雄複雌の集団
      (3)一夫一妻(ペア) (4)両性単独(交尾ペアと母子または母子集団以外)
     6.2 コウモリ社会の特性

第7章 渡りと移動
     7.1 渡り
      (1)熱帯・亜熱帯 (2)温帯
     7.2 移動
      (1)熱帯・亜熱帯 (2)温帯

第8章 日内休眠と冬眠
     8.1 体のサイズと代謝
     8.2 日内休眠
      (1)熱帯・亜熱帯 (2)温帯・寒帯
     8.3 冬眠
      (1)冬眠の準備 (2)冬眠場所の選択
      (3)冬眠の開始と冬眠 (4)冬眠集団の形成
      (5)冬眠中の覚醒と行動 (6)冬眠と繁殖
      (7)冬眠の地理的変異と進化

第9章 寄生と感染
     9.1 外部寄生
      (1)外部寄生昆虫 (2)外部寄生ダニ
     9.2 内部寄生
     9.3 細菌感染
     9.4 ウイルス感染

第10章 進化
     10.1 唯一の飛翔哺乳類
     10.2 翼手類の系統と各科の出現
     10.3 エコーロケーションの進化
     10.4 化石からみた進化
     10.5 逆さま・ぶら下がり先行説

第11章 保全
     11.1 世界のコウモリの現状
      (1)ヨーロッパ (2)北米 (3)中南米
      (4)オーストラリア (5)太平洋諸島とアジア
      (6)アフリカ
     11.2 日本の現状と保全
      (1)バットゲート (2)バットハウス
      (3)新幹線高架橋 (4)保全活動
     11.3 バットストライク
     11.4 啓蒙と教育

第12章 これからの研究
     12.1 研究の課題
     12.2 課題と展望

おわりに


Bat Biology:
Adaptation, Evolution and Conservation
Kimitake FUNAKOSHI
船越 公威
鹿児島国際大学名誉教授
コウモリ学
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