アラブ近代思想家の専制批判
オリエンタリズムと〈裏返しのオリエンタリズム〉の間
内容紹介
目次
著者紹介
アラブ・イスラームにおける専制主義をめぐってナフダ(復興)第二世代と呼ばれる思想家たちは、近代を模索するアラブ世界をいかにとらえていたのか。自由や民主主義を希求し、現在にも連なる開かれた知を求める思想の展開を明らかにする。
序 章 問題の所在――独自性論批判
一 『専制の性質』再考
ニ 二つのアプローチで強調される専制の「不可避性」
三 両アプローチへの反論
四 三つの視角からみるナフダ第二世代の新たな専制批判
五 本書の構成
第一部 「公正な専制者」からメカニズムの理解へ
第一章 独自性論の背景――ナフダ第一世代までの専制批判
一 独自性論の背景
ニ ズルムからイスティブダードへ
三 1870年代以降の帝国主義と批判勢力のネットワーク
第二章 ムハンマド・アブドゥにおける二つの認識体系
――「公正な専制者」の概念の再検討
一 はじめに――現状認識からの出発
ニ ウラービー革命時代の専制批判
三 敗北から亡命時代へ――帝国主義批判から再び教育者へ
四 再び体制内改革派として――「公正な専制者」と認識の一貫性
五 観念論と実体論の並存
第三章 観念化する専制批判――アラブ亡命知識人の源流
一 共通の努力,共通のつまづき
ニ ジャマールッディーン・アフガーニーの専制批判
三 ハリール・ガーニムの専制批判
四 観念化する専制批判
第四章 アディーブ・イスハークにおける自由と専制主義
――新しき政治規範と抑圧のシステム
一 実践から理論へ
ニ イスハークの政治的実践
三 イスハークにおける〈政治的規範〉としての自由
四 「抑圧のシステム」としての専制主義
五 帝国主義の中の専制権力
六 鏡としての〈自由〉と〈専制〉
第二部 専制システムの解体理論
第五章 進化論的アプローチによるアラブの専制批判
――シブリー・シュマイイルの思想を中心に
一 〈共通の精神〉からみるアラブの進化論受容
ニ アラブ近代思想における進化論の受容と専制批判
三 改革実践のための進化論的アプローチ
第六章 アブドゥッラー・ナディームにおける〈金持ちの専制〉批判
――国民的団結を求めて
一 民衆の立場から
ニ 政治評論とフィクション
三 『笑いと泣き』における特権層批判
四 「狂信者」とのレッテルに抗して
五 中流意識と生産階級の視角
六 エリートの言語支配に抗して
第七章 『専制の性質』再考――西欧の影響とアラブの共通精神
一 西欧の影響とアラブの共通精神
ニ 『専制の性質』の政治的背景――アブデュルハミト体制の三つの権力基盤
三 専制批判の理論的発展
四 自己批判から政治固有の論理へ
結 論 ナフダ時代の専制批判から学ぶもの
一 二つの循環論的な閉域
ニ 民族主義,イスラーム主義,マルクス主義思想の閉塞性
三 オリエンタリズムと〈裏返しのオリエンタリズム〉の間
The Arab Critique of Despotism in the Modern Age:
Between Orientalism and “Orientalism in Reverse”
Hiroki OKAZAKI
一 『専制の性質』再考
ニ 二つのアプローチで強調される専制の「不可避性」
三 両アプローチへの反論
四 三つの視角からみるナフダ第二世代の新たな専制批判
五 本書の構成
第一部 「公正な専制者」からメカニズムの理解へ
第一章 独自性論の背景――ナフダ第一世代までの専制批判
一 独自性論の背景
ニ ズルムからイスティブダードへ
三 1870年代以降の帝国主義と批判勢力のネットワーク
第二章 ムハンマド・アブドゥにおける二つの認識体系
――「公正な専制者」の概念の再検討
一 はじめに――現状認識からの出発
ニ ウラービー革命時代の専制批判
三 敗北から亡命時代へ――帝国主義批判から再び教育者へ
四 再び体制内改革派として――「公正な専制者」と認識の一貫性
五 観念論と実体論の並存
第三章 観念化する専制批判――アラブ亡命知識人の源流
一 共通の努力,共通のつまづき
ニ ジャマールッディーン・アフガーニーの専制批判
三 ハリール・ガーニムの専制批判
四 観念化する専制批判
第四章 アディーブ・イスハークにおける自由と専制主義
――新しき政治規範と抑圧のシステム
一 実践から理論へ
ニ イスハークの政治的実践
三 イスハークにおける〈政治的規範〉としての自由
四 「抑圧のシステム」としての専制主義
五 帝国主義の中の専制権力
六 鏡としての〈自由〉と〈専制〉
第二部 専制システムの解体理論
第五章 進化論的アプローチによるアラブの専制批判
――シブリー・シュマイイルの思想を中心に
一 〈共通の精神〉からみるアラブの進化論受容
ニ アラブ近代思想における進化論の受容と専制批判
三 改革実践のための進化論的アプローチ
第六章 アブドゥッラー・ナディームにおける〈金持ちの専制〉批判
――国民的団結を求めて
一 民衆の立場から
ニ 政治評論とフィクション
三 『笑いと泣き』における特権層批判
四 「狂信者」とのレッテルに抗して
五 中流意識と生産階級の視角
六 エリートの言語支配に抗して
第七章 『専制の性質』再考――西欧の影響とアラブの共通精神
一 西欧の影響とアラブの共通精神
ニ 『専制の性質』の政治的背景――アブデュルハミト体制の三つの権力基盤
三 専制批判の理論的発展
四 自己批判から政治固有の論理へ
結 論 ナフダ時代の専制批判から学ぶもの
一 二つの循環論的な閉域
ニ 民族主義,イスラーム主義,マルクス主義思想の閉塞性
三 オリエンタリズムと〈裏返しのオリエンタリズム〉の間
The Arab Critique of Despotism in the Modern Age:
Between Orientalism and “Orientalism in Reverse”
Hiroki OKAZAKI
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