人権の哲学 (冊子版)
基底的価値の探究と現代世界
- 冊子版 電子書籍
内容紹介
目次
著者紹介
人が人であるがゆえに持つ人権。その正当化の根拠とは何か。本書は、ロールズやベイツ、グリフィンらの議論を整理し、「自然本性的構想」と「政治的構想」との論争を詳細に分析。対立の本質を探り、人権論が向かうべき新たな方向性を示す。膨大な資料を駆使した、気鋭の研究者の先駆的研究。
【第11回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】
【第11回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】
第1章 人権の哲学:その文脈と2つの構想
1.1. 人権と、人権の哲学
1.2. 人権の哲学が求められる社会的状況:現代社会における人権の言語の訴求力と不確定性
1.3. 人権の哲学が求められる理論的状況:グローバル正義論における人権
1.4. 政治的構想と自然本性的構想
1.5. 人権の哲学への探求
第2章 政治的構想の主要理論は擁護されるか(1):ロールズの場合
2.1. ロールズにおける人権、人権の哲学におけるロールズ
2.2. 人権の機能観についてロールズは何を擁護しなければならないのか
2.3. ロールズにおける人権の正当化の有望な解釈の理路とその検討
2.4. 本章の結論
第3章 政治的構想の主要理論は擁護されるか(2):ラズの場合
3.1. はじめに:人権の哲学の対立におけるラズ
3.2. ラズの政治的構想
3.3. ラズの政治的構想の魅力
3.4. ラズの政治的構想はとられるべきか?
3.5. 示唆:人権の哲学への理論的要請
3.6. 自然本性的構想へのラズの危惧に応える
3.7. 本章の結論
第4章 政治的構想の主要理論は擁護されるか(3):影響力ある諸議論の概括的検討
4.1. 本章の作業
4.2. 人権の道徳的基礎を明示的に求めない理論
4.3. 実質的道徳的理由を提示しない理論
4.4. 実質的道徳的理由の提示に際しミニマリズムを用いる理論
4.5. 本章のまとめ:自然本性的構想の必要性
第5章 自然本性的構想への批判に応答する:ベイツによる批判への応答
5.1. 本章の目的と射程
5.2. 自然本性的構想:ベイツによる定式化と拒絶
5.3. ベイツによる実践独立性への批判と本章の応答:実践の地位、人権宣言の地位、そして尊厳
5.4. ベイツによる前制度性への批判と本章の応答:実践における権利との乖離、抽象的権利と具体的権利
5.5. ベイツによる全時空性への批判と本章の応答:人権の制度・脅威との関係
5.6. ベイツによる人間性依拠性への批判と本章の応答:受益者利益性、貢献の自然的理由性
5.7. 本章の結論:自然本性的構想の拒絶理由は説得的ではない
第6章 擁護されるべき自然本性的構想:二元論、一元論でも多元論でもなく
6.1. 序論:人権の言説とその不確定性、正当化への探求
6.2. 人権の基底的価値に関する一元的理論:J・グリフィンの規範的主体性
6.3. 一元的理論への批判を検討する(1):利益狭隘性異論
6.4. 一元的理論への批判を検討する(2):人権保持主体狭隘性異論
6.5. 一元的理論への批判を検討する(3):偏狭性異論
6.6. 同定された善に基づく生を追求する「自由」
6.7. 小括:一元的理論に対する諸批判の検討からの示唆
6.8. 人権の基底的価値に関する二元的理論へ
6.9. 規範的主体性と「平等」の関係
6.10. 人権の基底的価値に関する多元的理論
6.11. 本章のまとめ
第7章 社会経済的権利は人権でありうるか
7.1. 二元的理論の示唆:一元的理論からの敷衍、あるいは比較
7.2. 社会経済的権利を批判から擁護する
7.3. 本章のまとめ
第8章 デモクラシーへの権利は人権でありうるか
8.1. 本章の作業
8.2. 「デモクラシーへの人権」とは何か
8.3. 機能依拠的論証
8.4. 道具的論証
8.5. 内在的論証とその示唆
第9章 人権と国際的関係
9.1. 人権と国際的関係
9.2. 世界の関係から独立した道徳的要請?
9.3. 人権侵害への国際的因果関係は問うことができない?
9.4. 国家中心的世界の人権?
9.5. 本章のまとめ
第10章 開発・援助構想に対する評価:人権の哲学による示唆を参照軸として
10.1. 本章の作業
10.2. ポスト開発思想の意義と問題
10.3. ビッグ・プッシュ型構想とその問題
10.4. 実験と設計に基づくアプローチ:その適切な位置について
10.5. 望ましい開発・援助構想へ
結語:本書がしたこと
あとがき
1.1. 人権と、人権の哲学
1.2. 人権の哲学が求められる社会的状況:現代社会における人権の言語の訴求力と不確定性
1.3. 人権の哲学が求められる理論的状況:グローバル正義論における人権
1.4. 政治的構想と自然本性的構想
1.5. 人権の哲学への探求
第2章 政治的構想の主要理論は擁護されるか(1):ロールズの場合
2.1. ロールズにおける人権、人権の哲学におけるロールズ
2.2. 人権の機能観についてロールズは何を擁護しなければならないのか
2.3. ロールズにおける人権の正当化の有望な解釈の理路とその検討
2.4. 本章の結論
第3章 政治的構想の主要理論は擁護されるか(2):ラズの場合
3.1. はじめに:人権の哲学の対立におけるラズ
3.2. ラズの政治的構想
3.3. ラズの政治的構想の魅力
3.4. ラズの政治的構想はとられるべきか?
3.5. 示唆:人権の哲学への理論的要請
3.6. 自然本性的構想へのラズの危惧に応える
3.7. 本章の結論
第4章 政治的構想の主要理論は擁護されるか(3):影響力ある諸議論の概括的検討
4.1. 本章の作業
4.2. 人権の道徳的基礎を明示的に求めない理論
4.3. 実質的道徳的理由を提示しない理論
4.4. 実質的道徳的理由の提示に際しミニマリズムを用いる理論
4.5. 本章のまとめ:自然本性的構想の必要性
第5章 自然本性的構想への批判に応答する:ベイツによる批判への応答
5.1. 本章の目的と射程
5.2. 自然本性的構想:ベイツによる定式化と拒絶
5.3. ベイツによる実践独立性への批判と本章の応答:実践の地位、人権宣言の地位、そして尊厳
5.4. ベイツによる前制度性への批判と本章の応答:実践における権利との乖離、抽象的権利と具体的権利
5.5. ベイツによる全時空性への批判と本章の応答:人権の制度・脅威との関係
5.6. ベイツによる人間性依拠性への批判と本章の応答:受益者利益性、貢献の自然的理由性
5.7. 本章の結論:自然本性的構想の拒絶理由は説得的ではない
第6章 擁護されるべき自然本性的構想:二元論、一元論でも多元論でもなく
6.1. 序論:人権の言説とその不確定性、正当化への探求
6.2. 人権の基底的価値に関する一元的理論:J・グリフィンの規範的主体性
6.3. 一元的理論への批判を検討する(1):利益狭隘性異論
6.4. 一元的理論への批判を検討する(2):人権保持主体狭隘性異論
6.5. 一元的理論への批判を検討する(3):偏狭性異論
6.6. 同定された善に基づく生を追求する「自由」
6.7. 小括:一元的理論に対する諸批判の検討からの示唆
6.8. 人権の基底的価値に関する二元的理論へ
6.9. 規範的主体性と「平等」の関係
6.10. 人権の基底的価値に関する多元的理論
6.11. 本章のまとめ
第7章 社会経済的権利は人権でありうるか
7.1. 二元的理論の示唆:一元的理論からの敷衍、あるいは比較
7.2. 社会経済的権利を批判から擁護する
7.3. 本章のまとめ
第8章 デモクラシーへの権利は人権でありうるか
8.1. 本章の作業
8.2. 「デモクラシーへの人権」とは何か
8.3. 機能依拠的論証
8.4. 道具的論証
8.5. 内在的論証とその示唆
第9章 人権と国際的関係
9.1. 人権と国際的関係
9.2. 世界の関係から独立した道徳的要請?
9.3. 人権侵害への国際的因果関係は問うことができない?
9.4. 国家中心的世界の人権?
9.5. 本章のまとめ
第10章 開発・援助構想に対する評価:人権の哲学による示唆を参照軸として
10.1. 本章の作業
10.2. ポスト開発思想の意義と問題
10.3. ビッグ・プッシュ型構想とその問題
10.4. 実験と設計に基づくアプローチ:その適切な位置について
10.5. 望ましい開発・援助構想へ
結語:本書がしたこと
あとがき
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