トポロジーの基礎 上 (冊子版)
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ホモロジー群の基本性質からポアンカレの双対定理とその応用までを網羅したテキスト。トポロジー初学者および隣接分野を含めた非専門家を読者対象とし、徹底的にていねいに解説。本文で学んだ内容の理解を深めるため、各節ごとに演習問題を用意し、くわしい解答もつける。
【「はじめに」より】
本書の読者として想定しているのは、トポロジーの初学者と、数学の隣接分野まで含めた非専門家である。議論の構造が見やすく簡単になるように定理の仮定を強くしており、「辞書」として使用されることは想定していない。扱っている内容は既に多くの教科書に書かれていることである。それでもあえて一書を著したのは、徹底的に丁寧な入門書を書きたかったからである。そのため、正直にいって本書は厚さに比較して内容は少ない。数学書が分かりにくいのは、読者が議論の穴を埋められないからである。徹底的に穴を塞ぐことが数学書を分かりやすくする正攻法である。それについて「過保護である」「自主性の芽を潰す」との批判があることは承知している。しかし、本書とくに前半ではこのやり方で行く。そのため著者自身でさえ冗長に感じないでもない。読者は補題や定理の主張を読んだのち、まず自分で証明を考えてみて、そのあと「答えあわせ」として本書の証明を見るのがよいだろう。
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第1章 ホモロジー群とはどういうものか?
1.1 弧状連結成分
1.2 第0ホモロジー群
1.3 ホモロジー群とはどのようなものか?
1.4 球面の写像度
第2章 ホモロジー群を作る
2.1 特異ホモロジー群の定義
2.2 特異ホモロジー群のホモトピー不変性
2.3 ホモロジー完全列
2.4 Mayer-Vietoris完全列
第3章 基本群とvan Kampenの定理
3.1 基本群の定義と簡単な性質
3.2 van Kampen の定理
3.3 基本群とホモロジー群
第4章 空間対についてホモロジー群を考える
4.1 空間対のホモロジー群
4.2 写像度の局所化
4.3 Euler標数と有限胞体複体
4.4 有限胞体複体のホモロジー群
4.5 多様体の基本類
附 録 準備的補足
A.1 位相空間と連続写像
A.2 集合についての補足
A.3 群
A.4 可換環上の加群
A.5 圏と函手
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2022/06/23