トポロジーの基礎 下 (冊子版)
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ホモロジー群の基本性質からポアンカレの双対定理とその応用までを網羅したテキスト。トポロジー初学者および隣接分野を含めた非専門家を読者対象とし、徹底的にていねいに解説。本文で学んだ内容の理解を深めるため、各節ごとに演習問題を用意し、くわしい解答もつける。
【「はじめに」より】
本書の読者として想定しているのは、トポロジーの初学者と、数学の隣接分野まで含めた非専門家である。議論の構造が見やすく簡単になるように定理の仮定を強くしており、「辞書」として使用されることは想定していない。扱っている内容は既に多くの教科書に書かれていることである。それでもあえて一書を著したのは、徹底的に丁寧な入門書を書きたかったからである。そのため、正直にいって本書は厚さに比較して内容は少ない。数学書が分かりにくいのは、読者が議論の穴を埋められないからである。徹底的に穴を塞ぐことが数学書を分かりやすくする正攻法である。それについて「過保護である」「自主性の芽を潰す」との批判があることは承知している。しかし、本書とくに前半ではこのやり方で行く。そのため著者自身でさえ冗長に感じないでもない。読者は補題や定理の主張を読んだのち、まず自分で証明を考えてみて、そのあと「答えあわせ」として本書の証明を見るのがよいだろう。
※本書下巻の詳細目次をご覧になれます(クリックするとPDFが開きます)。
※本書下巻の「索引」をご覧になれます(クリックするとPDFが開きます)。
5.1 ホモトピー群の定義と基本的性質
5.2 ファイバー空間
5.3 被覆空間
第6章 ホモロジー群の係数をとりかえる
6.1 アーベル群に係数をもつホモロジー群
6.2 ホモロジーの普遍係数定理
6.3 アーベル群に係数をもつ特異ホモロジー群の基本的性質
第7章 ベクトル束
7.1 ベクトル束の定義
7.2 ベクトル束の準同型定理
7.3 ベクトル束の演算
7.4 ベクトル束の引き戻し
第8章 特異コホモロジー群
8.1 特異コホモロジー群の定義とコホモロジーの普遍係数定理
8.2 特異コホモロジー群の基本的性質
8.3 Euler類
第9章 積
9.1 カップ積とキャップ積
9.2 直積空間の(コ)ホモロジー
第10章 Poincaré双対定理とその応用
10.1 Poincaré-Lefschetz双対定理
10.2 多様体上の交叉形式
10.3 Thom同型定理とその応用
おわりに
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2022/06/23