領域を超えない民主主義 (冊子版)

地方政治における競争と民意

冊子版 電子書籍
著者
砂原 庸介
ジャンル
社会科学  > 政治
発売日
2022/11/11
ISBN
978-4-13-030187-9
判型・ページ数
四六 ・ 248ページ
定価
3,520円(本体3,200円+税)
在庫
在庫あり
内容紹介
目次
著者紹介
地方政府は広がる都市の問題を解決できるのか。住民投票は地方の究極の民主主義なのか。日本の地方政治が抱える構造的問題を抉り出し、解決の糸口まで示唆する。サントリー学芸賞・大佛次郎論壇賞を受賞した注目の研究者による鋭利な地方政治論。
第1章 政治制度が生み出す分裂した意思決定
 1 領域と結びつく地方政府
 2 地方政府と領域を超える課題
  2.1 領域を超える課題にどのように対応するか
  2.2 集合行為アプローチ
  2.3 領域を超える協力はなぜ生まれるか
 3 領域への拘束をもたらす政治制度
  3.1 地方政府内の対立
  3.2 地方政府間の競争
  3.3 国と地方の関係
 4 政治制度の帰結
  4.1 地域的な政党政治の不在と分裂した意思決定
  4.2 限定的な連携と合併による解決の限界
 5 本書の議論と構成
  5.1 都市の中心をめぐる競争
  5.2 分裂した意思決定の中での住民投票

第2章 都市の中心をめぐる垂直的な競争──県庁所在市の庁舎
 はじめに
 1 戦前の府県庁舎
  1.1 城郭と庁舎
  1.2 府県と都市の競争──大阪という特殊例
 2 県庁舎の位置づけの変化
  2.1 象徴としての県庁舎から高層ビルへ
  2.2 都市の中心から移転する県庁舎
 3 地方自治再編期の庁舎
  3.1 平成の大合併と市庁舎の移転
  3.2 広域の観点からの再編成
 得られた知見

第3章 都市を縮小させる分裂した意思決定──2つの港湾都市
 はじめに
 1 港湾都市の発展と凋落
  1.1 函館港
  1.2 下関港
 2 変化への対応
  2.1 合併と港湾の地位低下
  2.2 都市政策の変遷
 3 人口減少という課題
  3.1 旧市街の空洞化
  3.2 空洞化への対応としての観光
 得られた知見

第4章 大都市の一体性と分節──国際比較と日本
 はじめに
 1 大都市への注目とその比較
 2 地方政府による分節と大都市の成長
 3 大都市比較のためのデータ
 4 計量分析
  4.1 分析モデル
  4.2 結果の解釈
  4.3 頑健性の確認
 5 比較の中の日本の大都市
 得られた知見

第5章 民意をどこに求めるか──住民投票と地方議会
 はじめに
 1 住民投票の類型化
 2 住民投票の目的
  2.1 拒否権としての住民投票
  2.2 住民投票による正統化
 3 地方議会と住民投票の受容
  3.1 民意をめぐる競争
  3.2 正統性に差異をもたらす要因
 4 分析
  4.1 調査の方法──ヴィネット実験
  4.2 サンプル全体の分析
  4.3 地方議会への正統性評価と住民投票
  4.4 争点ごとの違い
 得られた知見

第6章 領域を再編する民意──平成の大合併
 はじめに
 1 平成の大合併における住民投票の位置づけ
  1.1 財政的な不利と地方議員の反対
  1.2 多様な住民投票
 2 住民投票の分析
  2.1 イニシアティブとレファレンダム
  2.2 合併協議会設立の住民投票
  2.3 条例による住民投票──賛否を問う住民投票
  2.4 条例による住民投票──枠組みを問う住民投票
 得られた知見

第7章 大都市における分裂した意思決定と民意──2010年代の大阪
 はじめに
 1 大阪都構想の展開
  1.1 領域の再編成
  1.2 大阪市分割への傾斜
 2 住民投票への過程
  2.1 大阪都構想の提案
  2.2 大阪維新の会の成立と存続
  2.3 国政への働きかけと大都市地域特別区設置法
  2.4 大阪市議会の反対と公明党への脅し
 3 静かな制度変化
  3.1 対立軸の明確化と政党の組織化
  3.2 同日選挙
  3.3 定数削減と区割りの変更
 4 住民投票というハードル
 得られた知見

終 章 分裂した意思決定の克服に向けて
 本書は何を明らかにしたか
 都市政治の再構築
砂原 庸介
神戸大学大学院法学研究科教授
領域を超えない民主主義
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