『数理ファイナンス』著者の楠岡茂雄先生が日本学士院賞を受賞

2018/03/13  受賞


『数理ファイナンス』著者の楠岡茂雄先生が日本学士院賞を受賞されました.
日本学士院賞の特設ページはこちらです.
http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2018/031201.html#004

【授賞理由】
「楠岡成雄氏は,伊藤 清氏によって創始された確率解析を大きく展開させ,その無限次元解析的方法を発展させることで新たな局面を切り開き,さらに数理ファイナンス等の分野で確立解析の深遠なる応用を与えました.

楠岡氏はD.W.Stroock氏との共同研究において,マリアバン解析を整備し大きく発展させ,この応用として,二階の微分作用素に関する熱方程式の基本解の準楕円性の問題に大きな進展を与えました.また,発展方程式の基本解の上からの評価がナッシュの不等式と同値であるという,発展方程式論の記念碑的な成果を挙げました.数理ファイナンスの分野においては,マリアバン解析とリー環論に基づいて,楠岡近似と呼ばれる拡散過程の期待値の近似計算方式を与え,オプション価格の高速計算の精度保証を可能としました.このほか,フラクタル上の確率過程,大偏差原理,統計力学に関係する確率モデルの研究など,極めて多岐にわたる顕著な業績を挙げています. 」
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