若松加寿江『そこで液状化が起きる理由』が平成30年度土木学会出版文化賞を受賞
2019/05/13 受賞

若松加寿江『そこで液状化が起きる理由』が平成30年度土木学会出版文化賞を受賞しました。
「本書は新潟、阪神・淡路、東日本、熊本の四大地震でおきた液状化現象を中心に、その被害状況と原因を詳細に記述するとともに、将来の液状化発生リスクに多面的な考察を加えわかりやすく解説している書籍である。
液状化の様々な現象をそれぞれわかりやすく解説し、被害を受けやすい土地の条件や予測のための情報源にも言及しており、土木関係者だけでなく、一般読者へも理解が浸透するように平易な文章で広く、かつ深く綴られている。
本書を通して、昭和~平成に起きた大地震に起因する液状化現象が人命だけでなく経済的にも大きな損失を与えたことをリアリティをもって感じとることができ、今後の防災面における土木技術のさらなる活用の必要性が理解できる。また、液状化リスクを把握するための情報活用については、地名と液状化との関係だけでなく、行政やインターネットから得られる情報の活用方法が示唆されており、読者ひとりひとりが液状化リスクを把握するための手法が具体的に示されている。
今後起こりえる巨大地震に備えるためにも、液状化のメカニズムや各々の土地における被害可能性について、知識・認識を高めることは、国土の防災面だけでなく、国民個人の経済損失をできる限り少なくすることに寄与する。加えて、行政や関連機関の公開情報や現在の土木技術を活用することで、液状化リスクに対して適切な対策ができることを本書は広く知らしめている。よってここに土木学会出版文化賞を授与する。」
土木学会のWebサイトはこちらです。
http://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/p2018.shtml#s09
授賞理由はこちらです。
http://committees.jsce.or.jp/pub_prize/node/79