熊倉潤『民族自決と民族団結』が6/27『日本経済新聞』で紹介

熊倉潤『民族自決と民族団結――ソ連と中国の民族エリート』が6/27『日本経済新聞』で紹介されました。評者は岡本隆司氏(京都府立大学教授)。


「舞台は隣接するカザフ共和国と新彊ウイグル自治区である。旧ソ連の「疑似国民国家」化をへて「カザフスタン」になった前者。「トルキスタン」「ウイグルスタン」になれないまま中国の「自治区」を構成した後者。ネイションとその「自決」「団結」という虚構・神話が、いかに「帝国」に作り出されたのか、そのなかで「エリート」たちは、どう生きたのか。およそ現代日本ではありえず、想像もつかない組織・生態である。いわゆる「民族エリート」は、体制ドグマを体現する存在、ロシア人・漢族のイデオロギーを支持する非ロシア人・非漢族の代表者だ。その言動と政治を精細に跡づけた生々しい描写叙述は、ユーラシアの「民族」問題ばかりか、日本という国のありようも考えさせてくれる」
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