フレクスナーほか『「役に立たない」科学が役に立つ』が9/5『信濃毎日新聞』で紹介

エイブラハム・フレクスナー&ロベルト・ダイクラーフ著/初田哲男監訳、野中香方子・西村美佐子訳『「役に立たない」科学が役に立つ』が、9/5『信濃毎日新聞』で紹介。評者は懸秀彦氏(国立天文台准教授・普及室長)。

「無駄こそが将来を豊かにする――本書はアインシュタインを招聘したことでも有名な米国のプリンストン高等研究所創始者のエッセー(1933年出版)と、現所長のエッセーを収めている。2人は時代を超えて「役に立つか立たないかはという基準で、人類の好奇心は決して制約されてはならないと」と主張する。歴代の科学の成果に目を向け、現在では誰でも恩恵を受けている発見において、多くの場合「有用性」は科学者の頭になかったことを紹介している。(…)2人の唱道者は自らの教育実践とその成功を通じ、無駄こそが個人と社会の将来を豊かにすると訴える。(…)ひと握りのトップランナーが科学や芸術の主体では決してない。市民と科学の関りは重要である。(…)真実の追求、健全な懐疑主義、自然の豊かさと人間精神への畏怖などを学ぶことで個人や社会の幸福実現にもつながるという。ウィズコロナ時代だからこそ、彼らの主張に耳を傾けよう」
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