朝岡大輔著『企業のアーキテクチャー』が、12/17『日本経済新聞』で紹介
2022/12/19 書評・メディア掲載
朝岡大輔著『企業のアーキテクチャー――コーポレートガバナンス改革のゆくえ』が、12/17『日本経済新聞』読書面「活字の海で」(「資本コスト経営の功罪は 短絡的な理論活用を戒め」)のなかで紹介されました(川崎健編集委員記事)。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO66895500W2A211C2MY5000/
「資本コスト経営」を推す企業統治改革が始まって8年。投資家から変化が遅いとの声が出る一方、企業の改革疲れも指摘される。改革はどこに向かうべきか。資本コスト経営の功罪を考える著作が続けて出版された。
株主の期待リターンを示す資本コストは、ファイナンス理論の中核の概念だ。企業が稼ぐ力を引き上げ、この水準を超えるリターンを上げれば、企業価値は拡大すると説く。
朝岡大輔・明治大准教授の『企業のアーキテクチャー』は、資本コスト経営が機能するロジックを、学術上の議論や各国の事情を踏まえながら丁寧に解き明かす。企業を株主と経営者の力のバランスのうえに構築される仕組み(アーキテクチャー)ととらえ、財務面だけでなく法務面からも企業統治改革の意義と課題を明らかにする手腕は鮮やかだ。
そのうえで資本コストの理論は強力であるがゆえに「もろ刃の剣」になると指摘。「トンカチを手にするとすべてがクギに見える」という米国の格言を短絡的な理論活用の戒めとして引く。金銭的な企業価値の拡大だけでなく、働く人の幸福感を高める多様な企業評価の物差しの導入が必要と説く主張は(…)重要な指摘だろう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO66895500W2A211C2MY5000/
「資本コスト経営」を推す企業統治改革が始まって8年。投資家から変化が遅いとの声が出る一方、企業の改革疲れも指摘される。改革はどこに向かうべきか。資本コスト経営の功罪を考える著作が続けて出版された。
株主の期待リターンを示す資本コストは、ファイナンス理論の中核の概念だ。企業が稼ぐ力を引き上げ、この水準を超えるリターンを上げれば、企業価値は拡大すると説く。
朝岡大輔・明治大准教授の『企業のアーキテクチャー』は、資本コスト経営が機能するロジックを、学術上の議論や各国の事情を踏まえながら丁寧に解き明かす。企業を株主と経営者の力のバランスのうえに構築される仕組み(アーキテクチャー)ととらえ、財務面だけでなく法務面からも企業統治改革の意義と課題を明らかにする手腕は鮮やかだ。
そのうえで資本コストの理論は強力であるがゆえに「もろ刃の剣」になると指摘。「トンカチを手にするとすべてがクギに見える」という米国の格言を短絡的な理論活用の戒めとして引く。金銭的な企業価値の拡大だけでなく、働く人の幸福感を高める多様な企業評価の物差しの導入が必要と説く主張は(…)重要な指摘だろう。